55 / 140
第55話 私達の歌
しおりを挟む
歌詞は単語のはみ出しだったりズレがある。
歌詞に籠められた意味や思いだってまだ稚拙だ。
楽器の音がうるさくて、肝心の声が消えてしまうような所だってある。
粗は探せばいっぱいあった。
でも、そんな事を跳ね除けるくらいナターリエの歌は素晴らしい。
声の質が私と全く違うのだ。
私の声が、自然が生んだ荒削りの石だとしたら、ナターリエの声は磨き抜かれた宝石だ。
澄んでいて、ブレるところが全くなくて、遠くまで響き渡る。
私はこの世界に来て初めて、歌を教えるなんて約束をした事を強く後悔した。
「グラジオス」
「なんだ」
私はじっとナターリエ見ていてグラジオスの事など見ていない。
でも、グラジオスがナターリエから目が離せなくなっている事は感じていた。
「お願いがあるの」
「分かった」
私の願いを聞く前に、グラジオスが即断してくれる。
きっとグラジオスも私と同じ感情を持っているに違いない。
「歌おう」
「ああ」
嫉妬すれば、その次に私の中で沸き上がってくるもの。それは対抗心だ。
負けたくない。私は負けてない。
絶対、勝つ。
勝ち負けなんて誰が決めるのかは、本人しか出来ない事。
ナターリエに、今の私と同じ感情を持たせてやる。――これは、意地だ。歌姫としての、私の矜持だ。
そういう想いが私の中で渦巻いていた。
ナターリエの歌が終わった時、私は惜しみない拍手を送る。
私以外にも、ダンスをせずに彼女の歌に聞き惚れていた人は何人も居たようで、同じような拍手があちこちで起こった。
本来はダンスの添え物であるはずなのに、それだけ聞かせる力があったということだ。
「雲母」
「なに?」
グラジオスは私を床に下ろしながら、私の目を見て言う。
「お前の方が上手い」
「ああそう」
他人の評価なんか、私にはまったく響かない。
グラジオスが私を気遣って言ってくれたのは分かっている。それが本心だろうとお世辞だろうと、私には関係なかった。
それを決めるのは私と、ナターリエだ。
「ハイネはどこ行ったかな?」
「分からん。分からんが……む」
私よりも背のだいぶ高いグラジオスが、何かを見咎めて目を細める。
「おそらく、今ハイネがこの会場を出て行ったな」
さすが舎弟。私の事をよく分かってるじゃない。
今ハイネは楽器を取りに行ったはずだ。多分、エマとグラジオスの物もアッカマン商会の人たちと協力して持ってきてくれるだろう。
なら私達に出来る事は、武器が届いた時すぐに使えるよう準備しておく事だ。
「エマ、ごめん。私のために協力してもらえる?」
「もちろんですよ」
グラジオスの背後に控えていたエマにもお願いする。
ナターリエに確実に勝つための方法には仲間が必要だった。
「私も、歌を歌う者のはしくれとして意地がありますから」
「ありがと」
背後では、再びナターリエの歌が始まる。次も違う毛色の歌で、これも先ほどと同じ様に旋律取りがされている。
私は頭の中でナターリエを打ち砕く作戦を組み立てながら、仲間と一緒にハイネの消えた扉の方へと向かった。
演奏が終わった瞬間を狙って、私はナターリエに声をかけた。
「すみません、私達にも一曲演らさせてもらっていいですか?」
私以外全員の手には獲物が握られていて、既に臨戦態勢だ。お願いなんてものじゃないのは分かっているだろう。
これはナターリエの楽団への殴り込みみたいなものだ。
「は、はい」
それがナターリエ達にも通じたのだろう。彼女は緊張した面持ちで頷いた。
「皆さん、よろしいですよね?」
ナターリエが自らの楽団の方を振り向いて確認する。
少し顔をしかめる者、快く頷く者。様々居るが、こちらの手の内を知りたいと全員の顔に書いてある事は共通していた。
おそらくは今後ルドルフさまへの曲作りのために学ぼうとしているのだろう。
だから私は――わざと手札を晒してやる。
「皆さんの了解が取れましたので、どうぞ」
「ありがとうございます」
礼を言った後、私は楽器をエマに預けたグラジオスと共に大広間中央へ向かう。エマとハイネは楽団の横に、各々の楽器を設置し始めた。
普通、歌を歌う場合は少しでも響かせるために台に乗るか、すり鉢状になっている場所のもっとも低い位置に立つ。だが私達は歌を歌うというのに大広間の中央に、背中合わせになって立った。
そこに音響という意味でのプラスの効果はまったくない。
私達の型破りともいえる行動を不思議そうに見るナターリエ達を、そして再び私達が歌う事に興味を持った人々を聴衆にして、私『達』は歌い始めた。
――歌に形はないけれど――
バラッド調のこの曲は、とても静かに、ゆっくりと大切な人の事を歌い上げるボカロ曲だ。
この曲にはデュエット版の物がファンの歌い手によって作られている。
私とグラジオス、ちょうど男女二人が揃っているのだからこれを使わない手はない。そしてデュエットは、ナターリエ一人だけでは決して歌えない歌だ。
まずはグラジオスの歌声が響く。それをエマの奏でるハープが追いかけていく。
次は私が歌い、ハイネのドラムが静かに添えられる。
絡み合う二つの歌を中心に、演奏が仄かに混じっていった。
でもそれだけではない。私達の歌に、エマとハイネが更にコーラスをかぶせていく。
そう、私達は楽団全員で歌うのだ。
それぞれが一つの役目をこなして一つの音楽を形成するのではなく、全員がまじりあって一つの歌を歌いあげる。
それは先ほどナターリエ達の行った演奏とは全く違う、歌が奏でられていた。
私達の静かで優しい歌につられ、人々は自然に互いの手を取り合い、チークダンスを始める。
互いのパートナーと頬を寄せあい、体をしっかりと抱きしめ合って、ゆっくりと、ゆらゆら揺れる。
音楽に乗って、歌になって。
私達の歌が終わった時、拍手は一つも起こらなかった。
それどころか歌も音楽も、一欠けらの音すら大広間の中には存在しなかった。
それでも人々はダンスを止めず、ゆったりと揺蕩っている。
みんながみんな、自分たちの中で歌を奏でていたから。
私は背中にグラジオスの存在を感じながら、しばらく心の中の歌に浸っていた。
「こんな歌もあるんですね」
歌い終えた私達が楽団の元まで戻ると、ナターリエが悔しそうな表情をしながらそう言った。
それで私の溜飲は少し下がる。
互いに嫉妬し合ったのだから、今日の勝負は引き分けといったところだろうか。
「まだまだ色んなのがありますよ」
ゴスペルやケチャなんてのも音楽にはある。
アニソンのケチャはさすがにないけれど、ゴスペルはカバー曲ならあるのが凄いよねぇ。
アニソンの懐は深い。
「まだあるんですかぁ……」
そう言ってナターリエはため息をついた。
そんな簡単に追いつかせるわけにいかないという感情と、音楽を広めたいっていう心が私の中でせめぎ合う。
結局勝ったのは、
「後で教えますね」
後者だ。
最高の歌が歌いたい。その気持ちはよく理解できたから。
「ふふっ、楽しみにしてます」
「楽団の皆さんもいかがですか? 書き溜めた楽譜とかお見せしますよ」
「お願いします」
早速男性の一人が食いついた。一人が食いつけば、後はなし崩し的に全員が参加することになる。
今日眠るのは諦めた方が良さそうだった。
「皆さん、演奏を続けましょう」
とりあえずといった感じで、促された楽団員がゆったりとした曲を奏で始める。
先ほどのチークタイムの続きといったところか。
こうなるとナターリエの出番はほとんど無さそうだった。
とはいえゼロではないだろうけれど。
「じゃあ、馬車で待ってますから。皆さんには紙とペンにインクを忘れないようにって伝えておいてくれますか?」
「は、はい」
私はナターリエにそう耳打ちすると、楽器の手入れをするために仲間たちと会場を後にしたのだった。
歌詞に籠められた意味や思いだってまだ稚拙だ。
楽器の音がうるさくて、肝心の声が消えてしまうような所だってある。
粗は探せばいっぱいあった。
でも、そんな事を跳ね除けるくらいナターリエの歌は素晴らしい。
声の質が私と全く違うのだ。
私の声が、自然が生んだ荒削りの石だとしたら、ナターリエの声は磨き抜かれた宝石だ。
澄んでいて、ブレるところが全くなくて、遠くまで響き渡る。
私はこの世界に来て初めて、歌を教えるなんて約束をした事を強く後悔した。
「グラジオス」
「なんだ」
私はじっとナターリエ見ていてグラジオスの事など見ていない。
でも、グラジオスがナターリエから目が離せなくなっている事は感じていた。
「お願いがあるの」
「分かった」
私の願いを聞く前に、グラジオスが即断してくれる。
きっとグラジオスも私と同じ感情を持っているに違いない。
「歌おう」
「ああ」
嫉妬すれば、その次に私の中で沸き上がってくるもの。それは対抗心だ。
負けたくない。私は負けてない。
絶対、勝つ。
勝ち負けなんて誰が決めるのかは、本人しか出来ない事。
ナターリエに、今の私と同じ感情を持たせてやる。――これは、意地だ。歌姫としての、私の矜持だ。
そういう想いが私の中で渦巻いていた。
ナターリエの歌が終わった時、私は惜しみない拍手を送る。
私以外にも、ダンスをせずに彼女の歌に聞き惚れていた人は何人も居たようで、同じような拍手があちこちで起こった。
本来はダンスの添え物であるはずなのに、それだけ聞かせる力があったということだ。
「雲母」
「なに?」
グラジオスは私を床に下ろしながら、私の目を見て言う。
「お前の方が上手い」
「ああそう」
他人の評価なんか、私にはまったく響かない。
グラジオスが私を気遣って言ってくれたのは分かっている。それが本心だろうとお世辞だろうと、私には関係なかった。
それを決めるのは私と、ナターリエだ。
「ハイネはどこ行ったかな?」
「分からん。分からんが……む」
私よりも背のだいぶ高いグラジオスが、何かを見咎めて目を細める。
「おそらく、今ハイネがこの会場を出て行ったな」
さすが舎弟。私の事をよく分かってるじゃない。
今ハイネは楽器を取りに行ったはずだ。多分、エマとグラジオスの物もアッカマン商会の人たちと協力して持ってきてくれるだろう。
なら私達に出来る事は、武器が届いた時すぐに使えるよう準備しておく事だ。
「エマ、ごめん。私のために協力してもらえる?」
「もちろんですよ」
グラジオスの背後に控えていたエマにもお願いする。
ナターリエに確実に勝つための方法には仲間が必要だった。
「私も、歌を歌う者のはしくれとして意地がありますから」
「ありがと」
背後では、再びナターリエの歌が始まる。次も違う毛色の歌で、これも先ほどと同じ様に旋律取りがされている。
私は頭の中でナターリエを打ち砕く作戦を組み立てながら、仲間と一緒にハイネの消えた扉の方へと向かった。
演奏が終わった瞬間を狙って、私はナターリエに声をかけた。
「すみません、私達にも一曲演らさせてもらっていいですか?」
私以外全員の手には獲物が握られていて、既に臨戦態勢だ。お願いなんてものじゃないのは分かっているだろう。
これはナターリエの楽団への殴り込みみたいなものだ。
「は、はい」
それがナターリエ達にも通じたのだろう。彼女は緊張した面持ちで頷いた。
「皆さん、よろしいですよね?」
ナターリエが自らの楽団の方を振り向いて確認する。
少し顔をしかめる者、快く頷く者。様々居るが、こちらの手の内を知りたいと全員の顔に書いてある事は共通していた。
おそらくは今後ルドルフさまへの曲作りのために学ぼうとしているのだろう。
だから私は――わざと手札を晒してやる。
「皆さんの了解が取れましたので、どうぞ」
「ありがとうございます」
礼を言った後、私は楽器をエマに預けたグラジオスと共に大広間中央へ向かう。エマとハイネは楽団の横に、各々の楽器を設置し始めた。
普通、歌を歌う場合は少しでも響かせるために台に乗るか、すり鉢状になっている場所のもっとも低い位置に立つ。だが私達は歌を歌うというのに大広間の中央に、背中合わせになって立った。
そこに音響という意味でのプラスの効果はまったくない。
私達の型破りともいえる行動を不思議そうに見るナターリエ達を、そして再び私達が歌う事に興味を持った人々を聴衆にして、私『達』は歌い始めた。
――歌に形はないけれど――
バラッド調のこの曲は、とても静かに、ゆっくりと大切な人の事を歌い上げるボカロ曲だ。
この曲にはデュエット版の物がファンの歌い手によって作られている。
私とグラジオス、ちょうど男女二人が揃っているのだからこれを使わない手はない。そしてデュエットは、ナターリエ一人だけでは決して歌えない歌だ。
まずはグラジオスの歌声が響く。それをエマの奏でるハープが追いかけていく。
次は私が歌い、ハイネのドラムが静かに添えられる。
絡み合う二つの歌を中心に、演奏が仄かに混じっていった。
でもそれだけではない。私達の歌に、エマとハイネが更にコーラスをかぶせていく。
そう、私達は楽団全員で歌うのだ。
それぞれが一つの役目をこなして一つの音楽を形成するのではなく、全員がまじりあって一つの歌を歌いあげる。
それは先ほどナターリエ達の行った演奏とは全く違う、歌が奏でられていた。
私達の静かで優しい歌につられ、人々は自然に互いの手を取り合い、チークダンスを始める。
互いのパートナーと頬を寄せあい、体をしっかりと抱きしめ合って、ゆっくりと、ゆらゆら揺れる。
音楽に乗って、歌になって。
私達の歌が終わった時、拍手は一つも起こらなかった。
それどころか歌も音楽も、一欠けらの音すら大広間の中には存在しなかった。
それでも人々はダンスを止めず、ゆったりと揺蕩っている。
みんながみんな、自分たちの中で歌を奏でていたから。
私は背中にグラジオスの存在を感じながら、しばらく心の中の歌に浸っていた。
「こんな歌もあるんですね」
歌い終えた私達が楽団の元まで戻ると、ナターリエが悔しそうな表情をしながらそう言った。
それで私の溜飲は少し下がる。
互いに嫉妬し合ったのだから、今日の勝負は引き分けといったところだろうか。
「まだまだ色んなのがありますよ」
ゴスペルやケチャなんてのも音楽にはある。
アニソンのケチャはさすがにないけれど、ゴスペルはカバー曲ならあるのが凄いよねぇ。
アニソンの懐は深い。
「まだあるんですかぁ……」
そう言ってナターリエはため息をついた。
そんな簡単に追いつかせるわけにいかないという感情と、音楽を広めたいっていう心が私の中でせめぎ合う。
結局勝ったのは、
「後で教えますね」
後者だ。
最高の歌が歌いたい。その気持ちはよく理解できたから。
「ふふっ、楽しみにしてます」
「楽団の皆さんもいかがですか? 書き溜めた楽譜とかお見せしますよ」
「お願いします」
早速男性の一人が食いついた。一人が食いつけば、後はなし崩し的に全員が参加することになる。
今日眠るのは諦めた方が良さそうだった。
「皆さん、演奏を続けましょう」
とりあえずといった感じで、促された楽団員がゆったりとした曲を奏で始める。
先ほどのチークタイムの続きといったところか。
こうなるとナターリエの出番はほとんど無さそうだった。
とはいえゼロではないだろうけれど。
「じゃあ、馬車で待ってますから。皆さんには紙とペンにインクを忘れないようにって伝えておいてくれますか?」
「は、はい」
私はナターリエにそう耳打ちすると、楽器の手入れをするために仲間たちと会場を後にしたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【完結】身分を隠して恋文相談屋をしていたら、子犬系騎士様が毎日通ってくるんですが?
エス
恋愛
前世で日本の文房具好き書店員だった記憶を持つ伯爵令嬢ミリアンヌは、父との約束で、絶対に身分を明かさないことを条件に、変装してオリジナル文具を扱うお店《ことのは堂》を開店することに。
文具の販売はもちろん、手紙の代筆や添削を通して、ささやかながら誰かの想いを届ける手助けをしていた。
そんなある日、イケメン騎士レイが突然来店し、ミリアンヌにいきなり愛の告白!? 聞けば、以前ミリアンヌが代筆したラブレターに感動し、本当の筆者である彼女を探して、告白しに来たのだとか。
もちろんキッパリ断りましたが、それ以来、彼は毎日ミリアンヌ宛ての恋文を抱えてやって来るようになりまして。
「あなた宛の恋文の、添削お願いします!」
......って言われましても、ねぇ?
レイの一途なアプローチに振り回されつつも、大好きな文房具に囲まれ、店主としての仕事を楽しむ日々。
お客様の相談にのったり、前世の知識を活かして、この世界にはない文房具を開発したり。
気づけば店は、騎士達から、果ては王城の使者までが買いに来る人気店に。お願いだから、身バレだけは勘弁してほしい!!
しかしついに、ミリアンヌの正体を知る者が、店にやって来て......!?
恋文から始まる、秘密だらけの恋とお仕事。果たしてその結末は!?
※ほかサイトで投稿していたものを、少し修正して投稿しています。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!
雨宮羽那
恋愛
いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。
◇◇◇◇
私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。
元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!
気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?
元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!
だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。
◇◇◇◇
※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。
※アルファポリス先行公開。
※表紙はAIにより作成したものです。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる