54 / 140
第54話 帝国の歌姫
しおりを挟む
「ダンスかぁ……」
苦手なんだよね……。
しかも、超絶がつくほどに。
できればこの場を逃げ出してしまいたいと思う位に。
舞台で踊るダンスなら練習に練習を重ねたから得意中の得意なんだけどなぁ。
「あ~あ……憂鬱……」
私は超特大のため息を吐いた。
急いでグラジオスかハイネを見つけないと、また嫌な思いをしてしまう。
私は二人の姿を求めて周囲を見回して行くが、やはり早々見当たらなかった。
「始まる直前なら、人だかりの中心にどっちかがいる可能性があるからそれに賭けるしかないかな……」
多分、一番大きい人だかりがエマの周りに出来るはずだから、それまで私は誰にも誘われないように逃げてれば大丈夫なはず。
私はそう判断して、ナターリエが居なくなった事で再び形成されつつあるお子様達の生け垣から脱出を試みる。
「ちょっとすみません。わたくしお飲み物を取って参りますわ、をほほほほっ」
笑い声が引きつってることに気付いてほしいところだけど、やっぱりそれは無理みたいだった。
逆に好機とばかりにお子様達は私の傍に近寄ってきてしまう。
あまつさえ、
「おのみものですね。いまおもちいたします」
「いや、そこのめいどにもってこさせよう……きみ!」
なんて言い出して、次から次に、飲みきれないほどのお酒やジュースを差し出されてしまった。
あ~も~、そうじゃなくてさ~。どうしよっかなぁ~。
なんて私が頭を悩ませている間に、ちりんちりんと鈴が鳴らされてしまった。
それまで人が好き勝手たむろしていた大広間だが、鈴を合図にして、一斉に人が壁際へと寄っていく。
国によって舞踏会のやり方が違うので正確には分からないが、ガイザル帝国に置いては鈴によってダンスを始めるのだろう。
私は始めから壁際付近に居たので移動する必要は無かったが。
……あ、しまった。今無理やり動いとけば良かったぁ!
後悔しても、もう遅い。
私にとって、恐怖の時間が始まってしまった。
「うたひめさま。わたしとおどっていただけますか?」
一人の子どもが私に手を差し伸べる。
それを皮切りに、次々と私に向けて手が差し伸べられた。
私は彼らの手を、顔を引きつらせながら見ると、
「申し訳ありません。先約がございますので」
速攻で全員断る。
「失礼いたします」
私は一礼すると、無理やり囲いの中から抜け出して、一番大きな人だかりへと逃げ出したのだった。
「グラジオス…………さま! 失礼、ごめんなさい、通してください。ちょっとすみません」
私はグラジオスの一際高い頭を目印に、小柄な体を利用して人と人の隙間を無理やりすり抜けていく。
ドレスの裾を踏んづけられたりしながらも、ようやくグラジオスの傍にまでたどり着くことが出来た。
予想通り、エマの周りにはダンスを誘おうとする野郎どもで溢れかえっている。
グラジオスの周りにも、ダンスに誘われたい女性陣が山のように居るのだが、女性から攻めるのは、はしたないという考えがあるのか、そこまで積極的な攻勢はかけられずに居るようだ。
私はこれ幸いとグラジオスの傍にまで行くと、
「ちょっと」
といって、服の袖を引っ張った。
「なんだ、ダンスの時間だろう? 誘われなかったのか?」
さすがに一年半も経てば、着飾った私にも免疫が付いたようで、以前の様に戸惑う事は無くなっている。
ちょっとだけ面白くないなとは思ったが、それよりも優先すべきことがあるので、私はグラジオスに屈むよう合図を送った。
下がって来たグラジオスの頭を無理やり引き寄せ耳打ちする。
「誘われそうだったから逃げて来たの。助けてよ。私との先約があるとか言ってさ」
「俺が、お前と踊る先約だって?」
グラジオスがにやりといじめっ子の様な意地の悪い笑みを浮かべる。
ああ、そうだ。だから私はダンスが死ぬほど苦手なのだ。
「実際には踊んないわよっ。言い訳っ」
私とグラジオスの身長差は実に五十センチ以上ある。
グラジオスとでなくとも、三、四十センチはあるだろう。これが致命的なのだ。
こういう場で行われるダンスは、大概男女が手を取り合い、体を密着させたりしながら左右に揺れる。
それを私がすると、たいてい相手の胸や腹に顔をうずめる結果になってしまうのだ。それを公衆の面前でやったら……もう恥ずかしくて恥ずかしくて死にそうになってしまう。
私は何度か誘いを断り切れずにそうなってしまった経験があるのだが……あの時私の事を見ていた人の顔は絶対忘れない。
「……雲母らしくないな」
「何よそれ」
私は口を尖らせて抗議する。
「雲母だったら、私のダンスはこれなのっ! って自分を貫きそうなものだが」
「私だって場の空気くらい読んで周りに合わせる時くらいあるのっ。いいからお願い。ついでにグラジオスも踊りたくない相手と踊らなくてすむでしょ」
「分かった分かった」
グラジオスは肩をすくめると、私の希望通りに守ってくれた。
エマはエマで、いつものごとく使用人が踊るわけには参りませんので、とかなんとか理由を付けて断る事に成功している。
こちらはもう手慣れたもので……もうホント、男性を手玉に取る魔性の女……。
そしてダンスが始まったのだが……。
「あれ?」
音楽が、少し違ったのだ。
「ねえ、グラジオス。これって……」
私は様々な楽器を用いて奏でられる演奏に耳を澄ませながら、グラジオスの二の腕辺りを小突く。
グラジオスも私の言いたい事を理解していたのか、少し表情が険しくなった。
「旋律取り、だな」
作曲に置ける手法の一つで、既存の音楽からメロディを取って当てはめたりするのだが、このメロディは私達が昔歌ったことのある曲を使っている様だった。
「ちょっとごめん、グラジオス。私を抱き上げて」
楽団を見るためには方法なんかに構っていられない。
私はグラジオスにお姫様だっこしてもらい、楽団が見える様にしてもらった。
「あっ、ナターリエ……」
ナターリエが緊張した面持ちで台の上に上がっている。
どうやらイントロが終わればナターリエによる歌が始まるみたいだ。
曲の構成まで私達にぶつけて来たのだろうかと一瞬考えるが、それは違うと判断する。ルドルフさまの好きな歌を作るために、私達の歌を研究した結果、ああなったのだろう。
ナターリエは私から見えるほど大きく肩で息をして――歌い出す。
ナターリエのソプラノボイスで紡がれる歌は、この世界に存在したどの歌とも違っていて、歌をひとつの楽器として演奏と同時に歌う形式だった。
地球では、ベートーベンが行うまではやらなかった形式のもので、私達と同じ歌い方だ。
私の歌がこの世界に広がっている証拠。
でも、そんな事を思うよりも先に、私の中に沸き上がった感情は――。
――嫉妬、だった。
苦手なんだよね……。
しかも、超絶がつくほどに。
できればこの場を逃げ出してしまいたいと思う位に。
舞台で踊るダンスなら練習に練習を重ねたから得意中の得意なんだけどなぁ。
「あ~あ……憂鬱……」
私は超特大のため息を吐いた。
急いでグラジオスかハイネを見つけないと、また嫌な思いをしてしまう。
私は二人の姿を求めて周囲を見回して行くが、やはり早々見当たらなかった。
「始まる直前なら、人だかりの中心にどっちかがいる可能性があるからそれに賭けるしかないかな……」
多分、一番大きい人だかりがエマの周りに出来るはずだから、それまで私は誰にも誘われないように逃げてれば大丈夫なはず。
私はそう判断して、ナターリエが居なくなった事で再び形成されつつあるお子様達の生け垣から脱出を試みる。
「ちょっとすみません。わたくしお飲み物を取って参りますわ、をほほほほっ」
笑い声が引きつってることに気付いてほしいところだけど、やっぱりそれは無理みたいだった。
逆に好機とばかりにお子様達は私の傍に近寄ってきてしまう。
あまつさえ、
「おのみものですね。いまおもちいたします」
「いや、そこのめいどにもってこさせよう……きみ!」
なんて言い出して、次から次に、飲みきれないほどのお酒やジュースを差し出されてしまった。
あ~も~、そうじゃなくてさ~。どうしよっかなぁ~。
なんて私が頭を悩ませている間に、ちりんちりんと鈴が鳴らされてしまった。
それまで人が好き勝手たむろしていた大広間だが、鈴を合図にして、一斉に人が壁際へと寄っていく。
国によって舞踏会のやり方が違うので正確には分からないが、ガイザル帝国に置いては鈴によってダンスを始めるのだろう。
私は始めから壁際付近に居たので移動する必要は無かったが。
……あ、しまった。今無理やり動いとけば良かったぁ!
後悔しても、もう遅い。
私にとって、恐怖の時間が始まってしまった。
「うたひめさま。わたしとおどっていただけますか?」
一人の子どもが私に手を差し伸べる。
それを皮切りに、次々と私に向けて手が差し伸べられた。
私は彼らの手を、顔を引きつらせながら見ると、
「申し訳ありません。先約がございますので」
速攻で全員断る。
「失礼いたします」
私は一礼すると、無理やり囲いの中から抜け出して、一番大きな人だかりへと逃げ出したのだった。
「グラジオス…………さま! 失礼、ごめんなさい、通してください。ちょっとすみません」
私はグラジオスの一際高い頭を目印に、小柄な体を利用して人と人の隙間を無理やりすり抜けていく。
ドレスの裾を踏んづけられたりしながらも、ようやくグラジオスの傍にまでたどり着くことが出来た。
予想通り、エマの周りにはダンスを誘おうとする野郎どもで溢れかえっている。
グラジオスの周りにも、ダンスに誘われたい女性陣が山のように居るのだが、女性から攻めるのは、はしたないという考えがあるのか、そこまで積極的な攻勢はかけられずに居るようだ。
私はこれ幸いとグラジオスの傍にまで行くと、
「ちょっと」
といって、服の袖を引っ張った。
「なんだ、ダンスの時間だろう? 誘われなかったのか?」
さすがに一年半も経てば、着飾った私にも免疫が付いたようで、以前の様に戸惑う事は無くなっている。
ちょっとだけ面白くないなとは思ったが、それよりも優先すべきことがあるので、私はグラジオスに屈むよう合図を送った。
下がって来たグラジオスの頭を無理やり引き寄せ耳打ちする。
「誘われそうだったから逃げて来たの。助けてよ。私との先約があるとか言ってさ」
「俺が、お前と踊る先約だって?」
グラジオスがにやりといじめっ子の様な意地の悪い笑みを浮かべる。
ああ、そうだ。だから私はダンスが死ぬほど苦手なのだ。
「実際には踊んないわよっ。言い訳っ」
私とグラジオスの身長差は実に五十センチ以上ある。
グラジオスとでなくとも、三、四十センチはあるだろう。これが致命的なのだ。
こういう場で行われるダンスは、大概男女が手を取り合い、体を密着させたりしながら左右に揺れる。
それを私がすると、たいてい相手の胸や腹に顔をうずめる結果になってしまうのだ。それを公衆の面前でやったら……もう恥ずかしくて恥ずかしくて死にそうになってしまう。
私は何度か誘いを断り切れずにそうなってしまった経験があるのだが……あの時私の事を見ていた人の顔は絶対忘れない。
「……雲母らしくないな」
「何よそれ」
私は口を尖らせて抗議する。
「雲母だったら、私のダンスはこれなのっ! って自分を貫きそうなものだが」
「私だって場の空気くらい読んで周りに合わせる時くらいあるのっ。いいからお願い。ついでにグラジオスも踊りたくない相手と踊らなくてすむでしょ」
「分かった分かった」
グラジオスは肩をすくめると、私の希望通りに守ってくれた。
エマはエマで、いつものごとく使用人が踊るわけには参りませんので、とかなんとか理由を付けて断る事に成功している。
こちらはもう手慣れたもので……もうホント、男性を手玉に取る魔性の女……。
そしてダンスが始まったのだが……。
「あれ?」
音楽が、少し違ったのだ。
「ねえ、グラジオス。これって……」
私は様々な楽器を用いて奏でられる演奏に耳を澄ませながら、グラジオスの二の腕辺りを小突く。
グラジオスも私の言いたい事を理解していたのか、少し表情が険しくなった。
「旋律取り、だな」
作曲に置ける手法の一つで、既存の音楽からメロディを取って当てはめたりするのだが、このメロディは私達が昔歌ったことのある曲を使っている様だった。
「ちょっとごめん、グラジオス。私を抱き上げて」
楽団を見るためには方法なんかに構っていられない。
私はグラジオスにお姫様だっこしてもらい、楽団が見える様にしてもらった。
「あっ、ナターリエ……」
ナターリエが緊張した面持ちで台の上に上がっている。
どうやらイントロが終わればナターリエによる歌が始まるみたいだ。
曲の構成まで私達にぶつけて来たのだろうかと一瞬考えるが、それは違うと判断する。ルドルフさまの好きな歌を作るために、私達の歌を研究した結果、ああなったのだろう。
ナターリエは私から見えるほど大きく肩で息をして――歌い出す。
ナターリエのソプラノボイスで紡がれる歌は、この世界に存在したどの歌とも違っていて、歌をひとつの楽器として演奏と同時に歌う形式だった。
地球では、ベートーベンが行うまではやらなかった形式のもので、私達と同じ歌い方だ。
私の歌がこの世界に広がっている証拠。
でも、そんな事を思うよりも先に、私の中に沸き上がった感情は――。
――嫉妬、だった。
1
あなたにおすすめの小説
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
【完結】身分を隠して恋文相談屋をしていたら、子犬系騎士様が毎日通ってくるんですが?
エス
恋愛
前世で日本の文房具好き書店員だった記憶を持つ伯爵令嬢ミリアンヌは、父との約束で、絶対に身分を明かさないことを条件に、変装してオリジナル文具を扱うお店《ことのは堂》を開店することに。
文具の販売はもちろん、手紙の代筆や添削を通して、ささやかながら誰かの想いを届ける手助けをしていた。
そんなある日、イケメン騎士レイが突然来店し、ミリアンヌにいきなり愛の告白!? 聞けば、以前ミリアンヌが代筆したラブレターに感動し、本当の筆者である彼女を探して、告白しに来たのだとか。
もちろんキッパリ断りましたが、それ以来、彼は毎日ミリアンヌ宛ての恋文を抱えてやって来るようになりまして。
「あなた宛の恋文の、添削お願いします!」
......って言われましても、ねぇ?
レイの一途なアプローチに振り回されつつも、大好きな文房具に囲まれ、店主としての仕事を楽しむ日々。
お客様の相談にのったり、前世の知識を活かして、この世界にはない文房具を開発したり。
気づけば店は、騎士達から、果ては王城の使者までが買いに来る人気店に。お願いだから、身バレだけは勘弁してほしい!!
しかしついに、ミリアンヌの正体を知る者が、店にやって来て......!?
恋文から始まる、秘密だらけの恋とお仕事。果たしてその結末は!?
※ほかサイトで投稿していたものを、少し修正して投稿しています。
ブラック企業に勤めていた私、深夜帰宅途中にトラックにはねられ異世界転生、転生先がホワイト貴族すぎて困惑しております
さくら
恋愛
ブラック企業で心身をすり減らしていた私。
深夜残業の帰り道、トラックにはねられて目覚めた先は――まさかの異世界。
しかも転生先は「ホワイト貴族の領地」!?
毎日が定時退社、三食昼寝つき、村人たちは優しく、領主様はとんでもなくイケメンで……。
「働きすぎて倒れる世界」しか知らなかった私には、甘すぎる環境にただただ困惑するばかり。
けれど、領主レオンハルトはまっすぐに告げる。
「あなたを守りたい。隣に立ってほしい」
血筋も財産もない庶民の私が、彼に選ばれるなんてあり得ない――そう思っていたのに。
やがて王都の舞踏会、王や王妃との対面、数々の試練を経て、私たちは互いの覚悟を誓う。
社畜人生から一転、異世界で見つけたのは「愛されて生きる喜び」。
――これは、ブラックからホワイトへ、過労死寸前OLが掴む異世界恋愛譚。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる