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ルカは一刻も早くジンクロエを出たかった。
ここにはスヴェトラーナを傷つけるものがある。
スヴェトラーナを馬に乗せ、出来る限り早く歩いた。
スヴェトラーナにもルカがそう考えて足が速くなっていることがわかったが、自分は馬に乗せてもらっているが歩きのルカはひとりで疲れてしまう。
「ルカ、急ぐなら馬で走りますか?」
「いえ、昨日だいぶ走らせてしまったのでこいつも疲れています。負担をかけすぎて途中で止まったらそれこそ進めませんので」
ルカは微笑んで見せた。なんでもないとスヴェトラーナにわからせたかった。
スヴェトラーナはルカの微笑みに微笑み返したが、ルカを心配した。
ルカが頑張り予定よりもだいぶ進んだおかげでもう少しでジンクロエを超えられそうなところまで来れたが、足を止めた。
湖を見つけたのだ。
ジンクロエを超えてからにしようと思っていたが、この先水辺はない。
早く越えたいがスヴェトラーナのことを考えると水辺は貴重だ。
グレタゴの老婆にも言われた、女性は身体を拭いたり着替えられないことが辛いと。
少し逡巡したが湖の畔で野営することに決めた。
ここならば誰もいないし、何かあっても林の中にすぐ逃げられる。
「姫様。冷たいかもしれませんが身体も拭けますし、今日はここで野営しましょう」
「わかりました」
スヴェトラーナを馬から下ろし、自分の荷物も下ろした。
スヴェトラーナは馬に積んでいた老婆から貰った下着と身体を拭くものを出した。
「俺は後ろを向いているので、ゆっくりしてください」
水際まで行くとルカは剣を持ちスヴェトラーナに背中を向けて立った。
スヴェトラーナは躊躇した。身体を拭くには全裸にならずともドレスは脱ぐ。
ルカが振り返って覗くことはないと信じているが、 好きな男性のすぐ近くで服を脱ぐ行為はかなりの緊張を要する。
しかしこんなことで躊躇して煩わせたくもないので、思い切ってモゾモゾと上半身を脱ぎコルセットを緩めた。
ルカはスヴェトラーナの安全のためとはいえ居た堪れない気持ちで緊張していた。
すぐ後ろで布が擦れる音がする。スヴェトラーナが脱いでいるからだ。
顔が急に熱くなり恥ずかしくなって口を一文字に結んだ。
そんなに恥ずかしいのなら離れればいいのだが、それは別の緊張があるので出来ない。
昨日あったことがスヴェトラーナから離れることを恐れさせるのだった。
これは安全のためだ。やましい気持ちじゃない。なにも考えるな。
顔を顰めて気恥ずかしさを消すために全方向に神経を張った。
だからすぐに気が付いた。
何かが林の奥で動いている。
「姫、身体を隠して」
ルカが腰を落とし身構えた。
スヴェトラーナが振り返り見上げたルカの後姿が殺気立っている。
急いで服を抱えなるべくルカの後ろに縮こまり身体を隠した。
林の中からガサガサと音がして木々の枝が揺れている。緊張してその正体が去っていくのか現れるのかを待つ。
息を詰めてその正体をの行方を見守る。
それは出て来た。若い女性だった。
赤く長い髪が波打つルカと変わらない年齢に見えるその女性はひとりで林の中から出て来た。
ウールのコートにブーツを履いて、背中には大きな荷物を担いでいた。
「あ、先客ありか! 私にも少し水使わせて。すぐ終わるから」
ルカに明るく声をかけ、荷物を下ろす。
拍子抜けなその正体に、ルカは大きくため息を吐いた。
女はルカに屈託のない笑顔を向けている。
ルカのマントに隠れていたスヴェトラーナが陰から覗くように顔を出すと、女性が更に破顔した。
「あ、なんだ女の子もいたの? ってことは、あなたが彼女を隠して護衛してたの? そりゃありがたいわ! 私も身体を洗いたいのよ。お兄さんその子と一緒に私も隠してよ」
スヴェトラーナを見つけた女性は言うが早いかコートを脱ぎ、コルセットドレスを脱ぎ靴と靴下もポイポイと脱ぎ始めた。
あまりの速さと脱ぎっぷりに止める間もなく呆気にとられ、目を反らすのが遅れたルカは急いで俯いた。
後ろを向くとスヴェトラーナがいるので下を向くしかないのだ。
シュミーズとドロワーズ姿になった女性は身体を拭く布を持って小走りで走ってくる。
スヴェトラーナのことで熱くなった顔が物音で冷めたのに、再び突然現れた女性の下着姿で熱くなる。
女性は真っ赤な顔をしたルカを平気な顔で通り過ぎ、笑顔でスヴェトラーナの前にしゃがんだ。
そんな姿ではなにもできないとは思うのだが、下着でも武器が隠せないわけではないので念のため女性に神経を向ける。
「仲間にいれてねー。水冷たい?」
女性は悪意のまったく感じない明るい声でスヴェトラーナに話しかける。
ごそごそと動いている気配が背後でしてなにかがルカの足元に投げられたのでつい見てしまうと、女性が先ほどまで着ていた下着のようだった。
ルカは急いで顔を上げた。
これは不可抗力なのだが、やはり女性の下着を見るのは良くない。
いや、下着を男の足元に投げる方も悪いと思う。まったくどんな倫理観を持ったじょせいなのかとルカは思った。
「冷たいですよ。中には入れそうにありません」
「そうかー、寒いから脱がないで拭いてるの? 私は脱いでさっさと拭いちゃう方が楽でいいわ」
楽でいいかもしれないが素性の知れない男のすぐ後ろで全裸に脱ぐのはどうなのか。
危機感が欠落しすぎていて緊張した自分が馬鹿らしいとさえ思えてくる。
寒い寒いと言いながら水音がしてスヴェトラーナと女性が身体を拭いている気配がする。
必死で冷静さを取り戻そうとしたルカだったが足元にあった下着が引きずられ、暫くすると下着姿で背後から女性が出てきたので再び顔を赤くして俯いた。
しかも目の前で脱いで放り出したものを着出したので、顔はまったく上げられない。
ルカが困惑している間にスヴェトラーナも事が終わったようで、ルカの背後から出て来た。
「終わりました」
ルカは俯いたままで頷きスヴェトラーナと並んで馬まで戻る。女性は着替え終わっていた。
「もしかしてここで野営する? 私も一緒にしてもいい?グレタゴから逃げてきたのよ。マシナまで行こうと思って一人旅なの」
マシナはルカとスヴェトラーナの向かうノノの隣の都市だ。
ルカはこの女性がここに野営するなら場所を移動しようと思っていたが、スヴェトラーナが返事をしてしまった。
「わかりました。じゃあ、今晩は一緒に」
女性の一人旅を気の毒に思って了承してしまったのだ。
スヴェトラーナほどの危機感で旅をしてはいないだろうが、女性がひとりで暗闇を過ごしながら旅を続けるのはどれほど心細いものだろうと思ったのだ。
男だけなら不安もあるかもしれないが、スヴェトラーナという女も一緒なので安心して休めるのではないかと思った。
ルカにしてみればこれだけ危機感のない女性ならば心細さの心配はいらないのではないかとも思うのだが、スヴェトラーナが決めたなら従うしかない。
「ありがとう! 私はアクサナ、あなたたちは?」
スヴェトラーナは答えに詰まった。本当の名前を言っていいのか迷ったのだ。
「俺はルカ。こっちは妹のスヴィだよ。」
ルカはもし名前を聞かれたらこう答えようと考えてあった。
老婆の所では老婆も名乗らなかったしルカとスヴェトラーナも名乗らなかった。
スヴェトラーナに気が付いた老婆の配慮だったのだろう。
老婆が名乗ればスヴェトラーナも名乗らなくてはならないだろうと考えてくれていたのではないかと思っていた。
「兄妹だったの。よろしくね、ルカとスヴィ」
アクサナは本当に明るい女性だった。
ルカはスヴェトラーナが傷つくかもしれない事をサラッと言ってしまうのを心配したが、アクサナはひたすらマシナにいるという親戚の話をペラペラと喋った。
彼女の持ちネタらしいその親戚の可笑しな酒の失敗話はスヴェトラーナを笑わせた。
「まー、コースリーが入ってきたから怖くて逃げて来たけど、実は叔父に逢えるのが楽しみだからまっいっかーって感じなのよ」
あまりにもけろりとして言うので、本当に怖くて逃げてきたのか疑わしいほどだ。
なんにせよスヴェトラーナが笑顔なので、ルカはほっとした。
老婆から貰った菓子を分けて食べ、明日も長いからとスヴェトラーナをマントに包み寝る準備をする。
アクサナもスヴェトラーナの隣で自分の毛布に包まった。
ここにはスヴェトラーナを傷つけるものがある。
スヴェトラーナを馬に乗せ、出来る限り早く歩いた。
スヴェトラーナにもルカがそう考えて足が速くなっていることがわかったが、自分は馬に乗せてもらっているが歩きのルカはひとりで疲れてしまう。
「ルカ、急ぐなら馬で走りますか?」
「いえ、昨日だいぶ走らせてしまったのでこいつも疲れています。負担をかけすぎて途中で止まったらそれこそ進めませんので」
ルカは微笑んで見せた。なんでもないとスヴェトラーナにわからせたかった。
スヴェトラーナはルカの微笑みに微笑み返したが、ルカを心配した。
ルカが頑張り予定よりもだいぶ進んだおかげでもう少しでジンクロエを超えられそうなところまで来れたが、足を止めた。
湖を見つけたのだ。
ジンクロエを超えてからにしようと思っていたが、この先水辺はない。
早く越えたいがスヴェトラーナのことを考えると水辺は貴重だ。
グレタゴの老婆にも言われた、女性は身体を拭いたり着替えられないことが辛いと。
少し逡巡したが湖の畔で野営することに決めた。
ここならば誰もいないし、何かあっても林の中にすぐ逃げられる。
「姫様。冷たいかもしれませんが身体も拭けますし、今日はここで野営しましょう」
「わかりました」
スヴェトラーナを馬から下ろし、自分の荷物も下ろした。
スヴェトラーナは馬に積んでいた老婆から貰った下着と身体を拭くものを出した。
「俺は後ろを向いているので、ゆっくりしてください」
水際まで行くとルカは剣を持ちスヴェトラーナに背中を向けて立った。
スヴェトラーナは躊躇した。身体を拭くには全裸にならずともドレスは脱ぐ。
ルカが振り返って覗くことはないと信じているが、 好きな男性のすぐ近くで服を脱ぐ行為はかなりの緊張を要する。
しかしこんなことで躊躇して煩わせたくもないので、思い切ってモゾモゾと上半身を脱ぎコルセットを緩めた。
ルカはスヴェトラーナの安全のためとはいえ居た堪れない気持ちで緊張していた。
すぐ後ろで布が擦れる音がする。スヴェトラーナが脱いでいるからだ。
顔が急に熱くなり恥ずかしくなって口を一文字に結んだ。
そんなに恥ずかしいのなら離れればいいのだが、それは別の緊張があるので出来ない。
昨日あったことがスヴェトラーナから離れることを恐れさせるのだった。
これは安全のためだ。やましい気持ちじゃない。なにも考えるな。
顔を顰めて気恥ずかしさを消すために全方向に神経を張った。
だからすぐに気が付いた。
何かが林の奥で動いている。
「姫、身体を隠して」
ルカが腰を落とし身構えた。
スヴェトラーナが振り返り見上げたルカの後姿が殺気立っている。
急いで服を抱えなるべくルカの後ろに縮こまり身体を隠した。
林の中からガサガサと音がして木々の枝が揺れている。緊張してその正体が去っていくのか現れるのかを待つ。
息を詰めてその正体をの行方を見守る。
それは出て来た。若い女性だった。
赤く長い髪が波打つルカと変わらない年齢に見えるその女性はひとりで林の中から出て来た。
ウールのコートにブーツを履いて、背中には大きな荷物を担いでいた。
「あ、先客ありか! 私にも少し水使わせて。すぐ終わるから」
ルカに明るく声をかけ、荷物を下ろす。
拍子抜けなその正体に、ルカは大きくため息を吐いた。
女はルカに屈託のない笑顔を向けている。
ルカのマントに隠れていたスヴェトラーナが陰から覗くように顔を出すと、女性が更に破顔した。
「あ、なんだ女の子もいたの? ってことは、あなたが彼女を隠して護衛してたの? そりゃありがたいわ! 私も身体を洗いたいのよ。お兄さんその子と一緒に私も隠してよ」
スヴェトラーナを見つけた女性は言うが早いかコートを脱ぎ、コルセットドレスを脱ぎ靴と靴下もポイポイと脱ぎ始めた。
あまりの速さと脱ぎっぷりに止める間もなく呆気にとられ、目を反らすのが遅れたルカは急いで俯いた。
後ろを向くとスヴェトラーナがいるので下を向くしかないのだ。
シュミーズとドロワーズ姿になった女性は身体を拭く布を持って小走りで走ってくる。
スヴェトラーナのことで熱くなった顔が物音で冷めたのに、再び突然現れた女性の下着姿で熱くなる。
女性は真っ赤な顔をしたルカを平気な顔で通り過ぎ、笑顔でスヴェトラーナの前にしゃがんだ。
そんな姿ではなにもできないとは思うのだが、下着でも武器が隠せないわけではないので念のため女性に神経を向ける。
「仲間にいれてねー。水冷たい?」
女性は悪意のまったく感じない明るい声でスヴェトラーナに話しかける。
ごそごそと動いている気配が背後でしてなにかがルカの足元に投げられたのでつい見てしまうと、女性が先ほどまで着ていた下着のようだった。
ルカは急いで顔を上げた。
これは不可抗力なのだが、やはり女性の下着を見るのは良くない。
いや、下着を男の足元に投げる方も悪いと思う。まったくどんな倫理観を持ったじょせいなのかとルカは思った。
「冷たいですよ。中には入れそうにありません」
「そうかー、寒いから脱がないで拭いてるの? 私は脱いでさっさと拭いちゃう方が楽でいいわ」
楽でいいかもしれないが素性の知れない男のすぐ後ろで全裸に脱ぐのはどうなのか。
危機感が欠落しすぎていて緊張した自分が馬鹿らしいとさえ思えてくる。
寒い寒いと言いながら水音がしてスヴェトラーナと女性が身体を拭いている気配がする。
必死で冷静さを取り戻そうとしたルカだったが足元にあった下着が引きずられ、暫くすると下着姿で背後から女性が出てきたので再び顔を赤くして俯いた。
しかも目の前で脱いで放り出したものを着出したので、顔はまったく上げられない。
ルカが困惑している間にスヴェトラーナも事が終わったようで、ルカの背後から出て来た。
「終わりました」
ルカは俯いたままで頷きスヴェトラーナと並んで馬まで戻る。女性は着替え終わっていた。
「もしかしてここで野営する? 私も一緒にしてもいい?グレタゴから逃げてきたのよ。マシナまで行こうと思って一人旅なの」
マシナはルカとスヴェトラーナの向かうノノの隣の都市だ。
ルカはこの女性がここに野営するなら場所を移動しようと思っていたが、スヴェトラーナが返事をしてしまった。
「わかりました。じゃあ、今晩は一緒に」
女性の一人旅を気の毒に思って了承してしまったのだ。
スヴェトラーナほどの危機感で旅をしてはいないだろうが、女性がひとりで暗闇を過ごしながら旅を続けるのはどれほど心細いものだろうと思ったのだ。
男だけなら不安もあるかもしれないが、スヴェトラーナという女も一緒なので安心して休めるのではないかと思った。
ルカにしてみればこれだけ危機感のない女性ならば心細さの心配はいらないのではないかとも思うのだが、スヴェトラーナが決めたなら従うしかない。
「ありがとう! 私はアクサナ、あなたたちは?」
スヴェトラーナは答えに詰まった。本当の名前を言っていいのか迷ったのだ。
「俺はルカ。こっちは妹のスヴィだよ。」
ルカはもし名前を聞かれたらこう答えようと考えてあった。
老婆の所では老婆も名乗らなかったしルカとスヴェトラーナも名乗らなかった。
スヴェトラーナに気が付いた老婆の配慮だったのだろう。
老婆が名乗ればスヴェトラーナも名乗らなくてはならないだろうと考えてくれていたのではないかと思っていた。
「兄妹だったの。よろしくね、ルカとスヴィ」
アクサナは本当に明るい女性だった。
ルカはスヴェトラーナが傷つくかもしれない事をサラッと言ってしまうのを心配したが、アクサナはひたすらマシナにいるという親戚の話をペラペラと喋った。
彼女の持ちネタらしいその親戚の可笑しな酒の失敗話はスヴェトラーナを笑わせた。
「まー、コースリーが入ってきたから怖くて逃げて来たけど、実は叔父に逢えるのが楽しみだからまっいっかーって感じなのよ」
あまりにもけろりとして言うので、本当に怖くて逃げてきたのか疑わしいほどだ。
なんにせよスヴェトラーナが笑顔なので、ルカはほっとした。
老婆から貰った菓子を分けて食べ、明日も長いからとスヴェトラーナをマントに包み寝る準備をする。
アクサナもスヴェトラーナの隣で自分の毛布に包まった。
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