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蠱惑の魔剣
蠱惑の帳簿
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共和国奴隷商人ギルド、ギルド長室。
「――ああ。まず、ラゼルについてだが……奴は、ただの奴隷商人ではない」
「と言いますと?」
「女衒だよ。女専門の奴隷商人だ」
その一言に、セイとグラシアスは無言のままガブリエルへ視線を向けた。
彼の眼差しは静かに頷く。《真実の声》――虚偽を見抜くそのスキルが、沈黙のうちに真実を肯定していた。
「話を続けてください」
商人という職業自体がすでに特異であるが、奴隷商人はさらに一段深く踏み込んだ闇の領域にある。そしてラゼルのジョブは、国内に唯一人。例外中の例外。
「……ああ、だからこそ期待してしまったんだよ。あの男なら、この息の詰まるような世界を変えてくれるんじゃないか、ってな」
それは、モンクなりの“理想”――彼なりの“住みやすい世界”。
だが、理想が実現へと踏み出せば、当然ながら、対立が生じる。ここにいるセイも、ガブリエルも、その例外ではない。
「……残念だったな」
グラシアスの声には、あからさまな侮蔑と嘲りがにじんでいた。
本来、ラゼルは奴隷制度の“広告塔”となるはずだった。だが蓋を開けてみれば、まるで逆――制度そのものを蝕む“毒”になった。
莫大な資金がラゼルに注がれていたという。だが、モンクにとっては爪の先ほどの出費にすぎない。
「奴は結局、自分の欲望のためだけに女を買ったんだ。そして俺たちの立場を、最悪の形で損なった」
グラシアスの追及は冷酷だった。
モンクはやむなく、ラゼルの奴隷リストを提出した。いや、むしろ――予め“整えていた”帳面だった。
セイが手元の資料と突き合わせる。
「……おい、これは全員だぞ」
「抜けは……ありません。確かに、一人残らず記載されています」
リストには、ラゼルが買い、死なせた奴隷の名ばかりか――生き延びた者の名前までが記されていた。
「全員、死んだわけじゃないんだ」
「――嘘ですね」
ガブリエルが、静かに割って入る。《真実の声》が告げたその一言に、室内の空気が凍りついた。
「……ああ、すまんすまん。別の帳面を出してたみたいだな」
差し出されていたのは奴隷帳ではなく――賠償金の支払いを記した出納帳だった。
その多くはごく最近の記録。事件の火消しに慌てて金をばら撒いた痕跡が露骨に残っていた。
貴族家の息女と見られる名には、桁違いの金額が記されていた。
モンクの口元が僅かに歪む。
「ああ、大丈夫。ラゼルの不始末は、すべて俺が後始末してあるよ」
――先日、聖王国の奴隷商人ギルドにネフェルが姿を見せたと報せが入り、慌てて頭を下げて回ったのだろう。虎の尾を踏まない抜け目なさに、グラシアスですら沈黙した。
「……だが、どうしてここまでの事態になった?」
「……あいつは、商人なんかじゃなかった。単なる色狂いさ。――もう追放した。……勘弁してくれ」
「話を本題から逸らすつもりなら、やめておけ」
グラシアスの目が細くなる。
「俺たちが知りたいのは、これだけの殺人を、どうやってやったのか。
――そして、なぜ、それで無罪なのか」
ひたひたと、冷気が部屋の隅々に染みていく。
※
「強いお言葉を使いますな、グラシアス殿。いくら聖王国の御用商人とはいえ、不敬に当たりますぞ!」
「やめませんか? あなたの今の言葉には、欺瞞しかありませんでしたよ」
ガブリエルの声は冷たい非難というより、哀れみそのものだった。
その目線に気づかぬモンクではない。
「……わかった、わかった。小僧にまで見下されたくないからな。どうせ、状況は確認したんだろう?」
奴隷商人とは、人を丁寧に扱うものだ。商品だからだ。価値を保つために、努力する。情がわくのは当然だ。
モンクは、そんな商人の頂点とされていた――人格者、厚情家。だが、皮肉だった。
「わしも調べたよ。直接の傷は無かった。奴へも詰問した。……そして、無関係と結論づけた」
「無理がありませんか? 状況証拠は無いですが、結果としてラゼル王子の奴隷が多く死んでいますよ?」
「ああ、無理がある。だがその時は、そう思ってしまったんだ。……恥ずかしい話をしよう。その時の俺は、奴のスキルに取り込まれていたのさ。――脅威的な力だ。知らず知らずに、奴の都合のいいように動かされている。ほんの少し話しただけで、な」
それきり、モンクは沈黙した。
それはガブリエルに向けた、懺悔であり、敗北の告白だった。
「……どうやって、そのスキルから逃れたんだ? そんな長期的な支配を及ぼすスキルなんて……」
「逃げたんじゃない。消えたんじゃない。……ネフェル聖女の『祝福』を受けたんだ。……そこで初めて気づいた。俺はネフェル聖女を恐れていたんじゃない。信奉していたんだよ。お前が死ぬほど羨ましいよ」
「……そうか。報告しておくよ」
その一言に、モンクは初めて微笑んだ。
グラシアスたちは出納帳を手に部屋を出た。
あれほどの男が「騙されていた」と口にした事実の重さ――それを噛みしめながら。
「……気をつけないといけないのは、彼のスキルが非常に強力で、長期的に効力を及ぼす点だ。すでにシシルナ島では何かが起きているかもしれんな」
扉の向こうから、モンクの声が静かに届いた。
「――蠱惑の魔剣だ。気をつけろ」
それは呪いのような警告だった。
「――ああ。まず、ラゼルについてだが……奴は、ただの奴隷商人ではない」
「と言いますと?」
「女衒だよ。女専門の奴隷商人だ」
その一言に、セイとグラシアスは無言のままガブリエルへ視線を向けた。
彼の眼差しは静かに頷く。《真実の声》――虚偽を見抜くそのスキルが、沈黙のうちに真実を肯定していた。
「話を続けてください」
商人という職業自体がすでに特異であるが、奴隷商人はさらに一段深く踏み込んだ闇の領域にある。そしてラゼルのジョブは、国内に唯一人。例外中の例外。
「……ああ、だからこそ期待してしまったんだよ。あの男なら、この息の詰まるような世界を変えてくれるんじゃないか、ってな」
それは、モンクなりの“理想”――彼なりの“住みやすい世界”。
だが、理想が実現へと踏み出せば、当然ながら、対立が生じる。ここにいるセイも、ガブリエルも、その例外ではない。
「……残念だったな」
グラシアスの声には、あからさまな侮蔑と嘲りがにじんでいた。
本来、ラゼルは奴隷制度の“広告塔”となるはずだった。だが蓋を開けてみれば、まるで逆――制度そのものを蝕む“毒”になった。
莫大な資金がラゼルに注がれていたという。だが、モンクにとっては爪の先ほどの出費にすぎない。
「奴は結局、自分の欲望のためだけに女を買ったんだ。そして俺たちの立場を、最悪の形で損なった」
グラシアスの追及は冷酷だった。
モンクはやむなく、ラゼルの奴隷リストを提出した。いや、むしろ――予め“整えていた”帳面だった。
セイが手元の資料と突き合わせる。
「……おい、これは全員だぞ」
「抜けは……ありません。確かに、一人残らず記載されています」
リストには、ラゼルが買い、死なせた奴隷の名ばかりか――生き延びた者の名前までが記されていた。
「全員、死んだわけじゃないんだ」
「――嘘ですね」
ガブリエルが、静かに割って入る。《真実の声》が告げたその一言に、室内の空気が凍りついた。
「……ああ、すまんすまん。別の帳面を出してたみたいだな」
差し出されていたのは奴隷帳ではなく――賠償金の支払いを記した出納帳だった。
その多くはごく最近の記録。事件の火消しに慌てて金をばら撒いた痕跡が露骨に残っていた。
貴族家の息女と見られる名には、桁違いの金額が記されていた。
モンクの口元が僅かに歪む。
「ああ、大丈夫。ラゼルの不始末は、すべて俺が後始末してあるよ」
――先日、聖王国の奴隷商人ギルドにネフェルが姿を見せたと報せが入り、慌てて頭を下げて回ったのだろう。虎の尾を踏まない抜け目なさに、グラシアスですら沈黙した。
「……だが、どうしてここまでの事態になった?」
「……あいつは、商人なんかじゃなかった。単なる色狂いさ。――もう追放した。……勘弁してくれ」
「話を本題から逸らすつもりなら、やめておけ」
グラシアスの目が細くなる。
「俺たちが知りたいのは、これだけの殺人を、どうやってやったのか。
――そして、なぜ、それで無罪なのか」
ひたひたと、冷気が部屋の隅々に染みていく。
※
「強いお言葉を使いますな、グラシアス殿。いくら聖王国の御用商人とはいえ、不敬に当たりますぞ!」
「やめませんか? あなたの今の言葉には、欺瞞しかありませんでしたよ」
ガブリエルの声は冷たい非難というより、哀れみそのものだった。
その目線に気づかぬモンクではない。
「……わかった、わかった。小僧にまで見下されたくないからな。どうせ、状況は確認したんだろう?」
奴隷商人とは、人を丁寧に扱うものだ。商品だからだ。価値を保つために、努力する。情がわくのは当然だ。
モンクは、そんな商人の頂点とされていた――人格者、厚情家。だが、皮肉だった。
「わしも調べたよ。直接の傷は無かった。奴へも詰問した。……そして、無関係と結論づけた」
「無理がありませんか? 状況証拠は無いですが、結果としてラゼル王子の奴隷が多く死んでいますよ?」
「ああ、無理がある。だがその時は、そう思ってしまったんだ。……恥ずかしい話をしよう。その時の俺は、奴のスキルに取り込まれていたのさ。――脅威的な力だ。知らず知らずに、奴の都合のいいように動かされている。ほんの少し話しただけで、な」
それきり、モンクは沈黙した。
それはガブリエルに向けた、懺悔であり、敗北の告白だった。
「……どうやって、そのスキルから逃れたんだ? そんな長期的な支配を及ぼすスキルなんて……」
「逃げたんじゃない。消えたんじゃない。……ネフェル聖女の『祝福』を受けたんだ。……そこで初めて気づいた。俺はネフェル聖女を恐れていたんじゃない。信奉していたんだよ。お前が死ぬほど羨ましいよ」
「……そうか。報告しておくよ」
その一言に、モンクは初めて微笑んだ。
グラシアスたちは出納帳を手に部屋を出た。
あれほどの男が「騙されていた」と口にした事実の重さ――それを噛みしめながら。
「……気をつけないといけないのは、彼のスキルが非常に強力で、長期的に効力を及ぼす点だ。すでにシシルナ島では何かが起きているかもしれんな」
扉の向こうから、モンクの声が静かに届いた。
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それは呪いのような警告だった。
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