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最終章 牙狼の王
世論という名の剣
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「号外だよ、号外! 詳しくはヴァル・フィガロを買ってね!」
共和国の都、パリスの中心街。
新聞売りの声を合図に、民衆は一斉に群がり、新聞を奪い合った。
「聖女ネフェル様の病は、獣王国の仕業!」
「怒りのシシルナ島、獣王国沖へ軍船を派遣!」
大きな見出しの文字が、踊っている。
それは、新聞記者――いや、新聞医者セイによる特大スクープだった。
『聖王国の情報筋による。
聖女ネフェル様は、獣王国の魔術師の呪いを受けて倒れた。
未だ目覚める気配は無く、眠りの中にいる。
これは聖女を暗殺しようとした行為ではないのか?』
聖女の身を案じていた共和国民は、記事を読み、怒りに震えた。
そして、その怒りは自然と役所へと向かう。
「獣王国を許すな!」
「行動を起こさないなら、我々が行動を起こす!」
「小国ですら軍を出しているんだぞ! お前たちは無能か!」
ヴァル・フィガロは、毎日、少しずつ新たな情報を公開していった。
新聞は、飛ぶように売れた。
「聖妹アマリ様、聖女ネフェル様と静かなる涙の再会」
「古き光のドラゴン、主の目覚めを待つ」
他の新聞社もそれに追随し、獣人や獣王国に関する記事を書き立てた。
街は、確実に熱を帯びていく。
※
「フィガロのセイという新聞記者を捕えました。どうしますか?」
公安部隊から、共和国の名門貴族にして実質的権力者、ブロイ伯爵へ連絡が入った。
郊外の屋敷、その執務室で、ブロイ伯爵は椅子に腰掛けたままフィガロを読んでいた。
「……隠して、ここに連れてきてくれ」
聖女の記事を書いた記者を拘束したと知れれば、それだけで暴動が起きかねない。
今のパリスは、それほどまでに沸騰していた。
ブロイ伯爵は、新聞記者という存在を唾棄している。
それは、愛する孫リリアンヌが、過去にゴシップ記事で傷つけられたからだった。
ほどなくして、公安部隊に連れられ、セイが部屋に入る。
ベレー帽を被った小柄で爽やかな少年は、落ち着いた所作で一礼した。
「想像していた記者とは違うな」
「想像は、真実に勝てませんので」
セイは、軽く笑って答えた。
「共和国は自由の国だ。だが、治安を乱す者、名誉を傷つける者は許さない」
国の指導者である老人は、険しい表情で告げる。
「同じ意見です」
「……お前のせいで、戦争になるかもしれん。それに、国内では獣人族への迫害も起き始めている。お前の狙いは何だ?」
「狙い、ですか? はて。真実を伝えただけですよ。
私の記事には、世論を誘導する言葉も、“獣人”という言葉も一度も書いていません」
ブロイは、机の上の新聞に再び目を落とす。
「……そのようだな。だが、狙いはあるはずだ。
それに、この記事の信憑性には疑いがある」
鋭い眼光と権力者の威圧。
だが、セイは一歩も引かなかった。
「では、こちらから質問を。聖女ネフェルは、今どこにいますか?」
「聖王国……ではないのか?」
「ええ、違います。信者が押し寄せては困るので書きませんでしたが、シシルナ島です。
貴方なら、島主に聞けば確認できるでしょう」
嘘を言っている様子はない。
ブロイは執事に視線を送り、問い合わせを命じた。
「……それでは、狙いを聞こう」
「簡単なことです。貴方と交渉をしたかった」
「回りくどい。話くらい、最初から聞いてやる」
「本当に、聞くだけで済みますか?」
その通りだった。
特別な地位もない新聞記者の話など、通常は一顧だにしない。
「……話せ。内容次第では投獄し、裁判にかける」
「では。共和国は獣王国に対し、戦線布告を。そして獣人族を難民として保護を」
「やはり本性を現したな! くされ記者が!」
その時、廊下が騒がしくなった。
男女の声が近づいてくる。女性の甲高い声が混じる。
「僕は、つくづく運がいい。救世主が来たようだ」
セイは、そう言って微笑んだ。
扉を開けて入ってきたのは、リリアンヌとガブリエルだった。
「お祖父様、ガブリエル様がお話があるそうで……」
「来客中だ。少し外で待ってもらえないか?」
ブロイは、リリアンヌの言葉を遮った。
「セイ、こんなところで何をしている?」
「ブロイ伯爵にお願いに来たんだ。獣王国と戦ってくれってね」
「……お前たち、知り合いなのか?」
「はい。私の親友です、伯爵」
ガブリエルはそう言って、セイの肩を叩いた。
「そうか……」
新聞記者と助祭。
しかも、品行方正なガブリエルが、過激派の危険人物と友人とは想像もしなかった。
「セイ、お前、無茶なことを言ったんだろう。いや、その前に拘束されたのか?」
「さすがだね、ガブリエル。たまには君を出し抜きたくてさ」
「無謀な真似をするな!」
ガブリエルはそう叱ると、ブロイ伯爵に向き直り、深く頭を下げた。
「親友が失礼をしました。ですが……それも彼の真剣な思いからです。こちらを」
聖王国の印が押された手紙を差し出す。
「聖王国より、親書をお届けに参りました。どうか、ご覧ください」
「……何だと」
共和国から聖女ネフェルの来訪を願ったことはあっても、
聖王国から親書が届いたことなど、過去に一度もなかった。
共和国の最高権力者は、恐る恐る手紙を開いた。
共和国の都、パリスの中心街。
新聞売りの声を合図に、民衆は一斉に群がり、新聞を奪い合った。
「聖女ネフェル様の病は、獣王国の仕業!」
「怒りのシシルナ島、獣王国沖へ軍船を派遣!」
大きな見出しの文字が、踊っている。
それは、新聞記者――いや、新聞医者セイによる特大スクープだった。
『聖王国の情報筋による。
聖女ネフェル様は、獣王国の魔術師の呪いを受けて倒れた。
未だ目覚める気配は無く、眠りの中にいる。
これは聖女を暗殺しようとした行為ではないのか?』
聖女の身を案じていた共和国民は、記事を読み、怒りに震えた。
そして、その怒りは自然と役所へと向かう。
「獣王国を許すな!」
「行動を起こさないなら、我々が行動を起こす!」
「小国ですら軍を出しているんだぞ! お前たちは無能か!」
ヴァル・フィガロは、毎日、少しずつ新たな情報を公開していった。
新聞は、飛ぶように売れた。
「聖妹アマリ様、聖女ネフェル様と静かなる涙の再会」
「古き光のドラゴン、主の目覚めを待つ」
他の新聞社もそれに追随し、獣人や獣王国に関する記事を書き立てた。
街は、確実に熱を帯びていく。
※
「フィガロのセイという新聞記者を捕えました。どうしますか?」
公安部隊から、共和国の名門貴族にして実質的権力者、ブロイ伯爵へ連絡が入った。
郊外の屋敷、その執務室で、ブロイ伯爵は椅子に腰掛けたままフィガロを読んでいた。
「……隠して、ここに連れてきてくれ」
聖女の記事を書いた記者を拘束したと知れれば、それだけで暴動が起きかねない。
今のパリスは、それほどまでに沸騰していた。
ブロイ伯爵は、新聞記者という存在を唾棄している。
それは、愛する孫リリアンヌが、過去にゴシップ記事で傷つけられたからだった。
ほどなくして、公安部隊に連れられ、セイが部屋に入る。
ベレー帽を被った小柄で爽やかな少年は、落ち着いた所作で一礼した。
「想像していた記者とは違うな」
「想像は、真実に勝てませんので」
セイは、軽く笑って答えた。
「共和国は自由の国だ。だが、治安を乱す者、名誉を傷つける者は許さない」
国の指導者である老人は、険しい表情で告げる。
「同じ意見です」
「……お前のせいで、戦争になるかもしれん。それに、国内では獣人族への迫害も起き始めている。お前の狙いは何だ?」
「狙い、ですか? はて。真実を伝えただけですよ。
私の記事には、世論を誘導する言葉も、“獣人”という言葉も一度も書いていません」
ブロイは、机の上の新聞に再び目を落とす。
「……そのようだな。だが、狙いはあるはずだ。
それに、この記事の信憑性には疑いがある」
鋭い眼光と権力者の威圧。
だが、セイは一歩も引かなかった。
「では、こちらから質問を。聖女ネフェルは、今どこにいますか?」
「聖王国……ではないのか?」
「ええ、違います。信者が押し寄せては困るので書きませんでしたが、シシルナ島です。
貴方なら、島主に聞けば確認できるでしょう」
嘘を言っている様子はない。
ブロイは執事に視線を送り、問い合わせを命じた。
「……それでは、狙いを聞こう」
「簡単なことです。貴方と交渉をしたかった」
「回りくどい。話くらい、最初から聞いてやる」
「本当に、聞くだけで済みますか?」
その通りだった。
特別な地位もない新聞記者の話など、通常は一顧だにしない。
「……話せ。内容次第では投獄し、裁判にかける」
「では。共和国は獣王国に対し、戦線布告を。そして獣人族を難民として保護を」
「やはり本性を現したな! くされ記者が!」
その時、廊下が騒がしくなった。
男女の声が近づいてくる。女性の甲高い声が混じる。
「僕は、つくづく運がいい。救世主が来たようだ」
セイは、そう言って微笑んだ。
扉を開けて入ってきたのは、リリアンヌとガブリエルだった。
「お祖父様、ガブリエル様がお話があるそうで……」
「来客中だ。少し外で待ってもらえないか?」
ブロイは、リリアンヌの言葉を遮った。
「セイ、こんなところで何をしている?」
「ブロイ伯爵にお願いに来たんだ。獣王国と戦ってくれってね」
「……お前たち、知り合いなのか?」
「はい。私の親友です、伯爵」
ガブリエルはそう言って、セイの肩を叩いた。
「そうか……」
新聞記者と助祭。
しかも、品行方正なガブリエルが、過激派の危険人物と友人とは想像もしなかった。
「セイ、お前、無茶なことを言ったんだろう。いや、その前に拘束されたのか?」
「さすがだね、ガブリエル。たまには君を出し抜きたくてさ」
「無謀な真似をするな!」
ガブリエルはそう叱ると、ブロイ伯爵に向き直り、深く頭を下げた。
「親友が失礼をしました。ですが……それも彼の真剣な思いからです。こちらを」
聖王国の印が押された手紙を差し出す。
「聖王国より、親書をお届けに参りました。どうか、ご覧ください」
「……何だと」
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