228 / 238
最終章 牙狼の王
許さないと誓った日
しおりを挟む
その魔術師を視界に捉えた瞬間、セラの表情が、はっきりと強張った。
それは恐怖というより、記憶を無理やり引きずり出された者の顔だった。
呼吸が、わずかに浅くなる。
「セラ……あいつを知っているのか?」
サルサが低く尋ねる。
「いいえ、直接ではありません。ただ――」
彼女は無意識に胸元を押さえ、魔術師のマントへ視線を移した。
そして、静かに言葉を継ぐ。
「そのマントと服装……昔と、何も変わっていません。獣王国の魔術師部隊のものです」
「やはり、間違いないですね」
ノルドが、喉を鳴らすように頷いた。
「村の獣人族も、同じことを言っていました。次は……」
ノルドはスライムの袋に包んだ、割れた水晶核を取り出して見せた。
「ほお……壊れたダンジョンコアか」
サルサは目を細め、じっくりと観察する。
「だが、この禍々しい光……中に入っている液体から発せられているようだな?」
「このコアに入れたんでしょう。どうやって入れたのかは分かりませんが」
「簡単な話だ」
サルサは淡々と続ける。
「このコアは、生きていた。ダンジョンの内部……いや、コアの表面から吸い込んだのだろう。相当濃い。非常に不快な魔力の残滓だ」
その言葉を聞いた瞬間だった。
――ばたり。
鈍い音が床に響いた。
「母さん?」
振り向いたノルドの視界に、セラが崩れ落ちる光景が映る。
呼びかけても返事はなく、顔から血の気が一気に引いていた。
「しまった……!」
サルサの声から、いつもの余裕が消えた。
「ノルド、それらをしまえ。すぐ治療に入る」
部屋の空気が、一気に張り詰める。
「ノルド! 最上級のヒールポーションとマジックポーションを出せ!」
「はい!」
震える指で瓶を取り出し、セラ用の治療薬と混ぜる。布に染み込ませた薬液が、淡く光った。
「全身に貼りなさい。汚れたらすぐに交換して」
ノルドは、膝をついて母の身体に布を当てた。薬が触れた瞬間、セラの眉がわずかに歪む。その小さな反応に、胸が締めつけられた。
「ノルド、私とアマリでやるわ」
異変を察したリコたちが部屋へ入ってくる。
「あなたは布を作って」
治療が進むにつれ、セラの顔色に、わずかずつ血の気が戻っていった。土色の、汚れた魔力が、身体から抜けて布に移る。
――こんなものを、母さんはずっと抱えているのか。
やがて、セラがゆっくりと目を開けた。
「私……」
「同じ呪いだな」
サルサは短く告げる。
「さっきの光に当てられたようだ。今は自分の部屋で休みなさい。ノルドもついていけ」
「ええ……とても、眠たい……」
ノルドは、そっとセラを抱き上げた。
――こんなに、軽かったのか。
胸の奥が、嫌な音を立てて軋む。
「母さん……ごめん」
小さく呟く。
「危険な目に、あわせた」
ベッドに降ろし、椅子に腰を下ろして、その寝顔を見つめる。
小さな手。
白髪の混じる髪。
かすかな吐息。
――生き物は、魔力を生み出さなければ、死んでしまう。
それが、この世界の摂理だ。
「神よ……」
ノルドは歯を食いしばった。
「まだ、母さんを取り上げないでくれ……!」
「ノルド」
ふわりとビュアンが現れ、ノルドの肩に止まった。
「セラはね。神に愛されている子よ。安心しなさい」
「セラの魔力は呪いに閉じ込められていた。でも、今……僅かに穴が開いたのが見えるわ」
静かに様子を見ていたアマリが言った。
「くそ……!」
ノルドは拳を握りしめ、声を荒げた。
「自分に腹が立つ……! 何をやってるんだ、俺は……!」
彼がここまで感情を露わにするのは、珍しい。眠る母の手を、そっと包み込む。温もりが、確かにそこにあった。
「もう、許さない」
その声は低く、揺るぎがなかった。
※
アマリとリコにセラの看病を頼み、院長室を訪ねた。ヴァルは無言で、後ろを歩く。
「さっきは、話が途中で……」
「いや、セラは落ち着いたか?」
「はい……すいませんでした」
「私も、つい平気だと勘違いしてしまってな。世界一の医師とは言えんな」
サルサは自嘲気味に笑う。
「それで……」
ノルドは、スライムの袋に入った魔術師の服から転げ落ちた薬を取り出した。
「これです。さっき見せた魔術師が持っていました」
「ああ……なるほどね。それで、ノルドの推測を聞こう」
「魔術師は、ダンジョンのコアにこの薬をかけ、ダンジョンを狂わせました」
獣王国の魔術師は大森林で獣人族を脅迫し、無理やり手を組ませていた。獣王国への通報、そして毒薬のばら撒き――それが彼の切り札だった。
異変に気づいたネフェルによって、ダンジョンは沈黙した。
いや、ダンジョンでなくなった。
「ネフェルが、殺すとは思えません。ですから、事故だと思います」
「そうだな。争った跡は無かった」
「この薬……呪いの毒薬は、母さんが浴びた物と同じです」
ノルドの声は静かだった。
だが、その奥に、はっきりとした怒りが宿っている。サルサは、ゆっくりと頷いた。
「……念の為、調べさせてくれ」
ノルドは、これまで呪いの毒薬の解毒剤を作ることに心血を注いできた。
それは、戦いに向かわせないでほしいという、セラの想いがあったからだ。
「サルサ様。僕は、戦おうと思います」
顔を上げ、はっきりと言う。
「呪いをかけた者が死なない限り、呪いは解けない。違いますか?」
「……そうかもしれん」
「獣王国魔術師部隊長。それが、全ての元凶です。必ず仕留めます」
「ワオーン!」
意思は固く、揺るがない。それを悟ったサルサは、肩をすくめて笑った。
「わかった。この毒薬が同じか急いで調べる。それと、島主と話をしよう。これはお前たちだけの問題じゃない」
時が来たのだ。
かつて、セラ親子を守るために戦争を仕掛けたシシルナ島。
だが、今回は違う。
大聖女ネフェル暗殺を行った、獣王国との戦いになる。
「まさかね……」
ネフェルの寝室で、楽しげな寝顔を見つめながら、
サルサは胸の奥に湧いた予感を、振り払えずにいた。
それは恐怖というより、記憶を無理やり引きずり出された者の顔だった。
呼吸が、わずかに浅くなる。
「セラ……あいつを知っているのか?」
サルサが低く尋ねる。
「いいえ、直接ではありません。ただ――」
彼女は無意識に胸元を押さえ、魔術師のマントへ視線を移した。
そして、静かに言葉を継ぐ。
「そのマントと服装……昔と、何も変わっていません。獣王国の魔術師部隊のものです」
「やはり、間違いないですね」
ノルドが、喉を鳴らすように頷いた。
「村の獣人族も、同じことを言っていました。次は……」
ノルドはスライムの袋に包んだ、割れた水晶核を取り出して見せた。
「ほお……壊れたダンジョンコアか」
サルサは目を細め、じっくりと観察する。
「だが、この禍々しい光……中に入っている液体から発せられているようだな?」
「このコアに入れたんでしょう。どうやって入れたのかは分かりませんが」
「簡単な話だ」
サルサは淡々と続ける。
「このコアは、生きていた。ダンジョンの内部……いや、コアの表面から吸い込んだのだろう。相当濃い。非常に不快な魔力の残滓だ」
その言葉を聞いた瞬間だった。
――ばたり。
鈍い音が床に響いた。
「母さん?」
振り向いたノルドの視界に、セラが崩れ落ちる光景が映る。
呼びかけても返事はなく、顔から血の気が一気に引いていた。
「しまった……!」
サルサの声から、いつもの余裕が消えた。
「ノルド、それらをしまえ。すぐ治療に入る」
部屋の空気が、一気に張り詰める。
「ノルド! 最上級のヒールポーションとマジックポーションを出せ!」
「はい!」
震える指で瓶を取り出し、セラ用の治療薬と混ぜる。布に染み込ませた薬液が、淡く光った。
「全身に貼りなさい。汚れたらすぐに交換して」
ノルドは、膝をついて母の身体に布を当てた。薬が触れた瞬間、セラの眉がわずかに歪む。その小さな反応に、胸が締めつけられた。
「ノルド、私とアマリでやるわ」
異変を察したリコたちが部屋へ入ってくる。
「あなたは布を作って」
治療が進むにつれ、セラの顔色に、わずかずつ血の気が戻っていった。土色の、汚れた魔力が、身体から抜けて布に移る。
――こんなものを、母さんはずっと抱えているのか。
やがて、セラがゆっくりと目を開けた。
「私……」
「同じ呪いだな」
サルサは短く告げる。
「さっきの光に当てられたようだ。今は自分の部屋で休みなさい。ノルドもついていけ」
「ええ……とても、眠たい……」
ノルドは、そっとセラを抱き上げた。
――こんなに、軽かったのか。
胸の奥が、嫌な音を立てて軋む。
「母さん……ごめん」
小さく呟く。
「危険な目に、あわせた」
ベッドに降ろし、椅子に腰を下ろして、その寝顔を見つめる。
小さな手。
白髪の混じる髪。
かすかな吐息。
――生き物は、魔力を生み出さなければ、死んでしまう。
それが、この世界の摂理だ。
「神よ……」
ノルドは歯を食いしばった。
「まだ、母さんを取り上げないでくれ……!」
「ノルド」
ふわりとビュアンが現れ、ノルドの肩に止まった。
「セラはね。神に愛されている子よ。安心しなさい」
「セラの魔力は呪いに閉じ込められていた。でも、今……僅かに穴が開いたのが見えるわ」
静かに様子を見ていたアマリが言った。
「くそ……!」
ノルドは拳を握りしめ、声を荒げた。
「自分に腹が立つ……! 何をやってるんだ、俺は……!」
彼がここまで感情を露わにするのは、珍しい。眠る母の手を、そっと包み込む。温もりが、確かにそこにあった。
「もう、許さない」
その声は低く、揺るぎがなかった。
※
アマリとリコにセラの看病を頼み、院長室を訪ねた。ヴァルは無言で、後ろを歩く。
「さっきは、話が途中で……」
「いや、セラは落ち着いたか?」
「はい……すいませんでした」
「私も、つい平気だと勘違いしてしまってな。世界一の医師とは言えんな」
サルサは自嘲気味に笑う。
「それで……」
ノルドは、スライムの袋に入った魔術師の服から転げ落ちた薬を取り出した。
「これです。さっき見せた魔術師が持っていました」
「ああ……なるほどね。それで、ノルドの推測を聞こう」
「魔術師は、ダンジョンのコアにこの薬をかけ、ダンジョンを狂わせました」
獣王国の魔術師は大森林で獣人族を脅迫し、無理やり手を組ませていた。獣王国への通報、そして毒薬のばら撒き――それが彼の切り札だった。
異変に気づいたネフェルによって、ダンジョンは沈黙した。
いや、ダンジョンでなくなった。
「ネフェルが、殺すとは思えません。ですから、事故だと思います」
「そうだな。争った跡は無かった」
「この薬……呪いの毒薬は、母さんが浴びた物と同じです」
ノルドの声は静かだった。
だが、その奥に、はっきりとした怒りが宿っている。サルサは、ゆっくりと頷いた。
「……念の為、調べさせてくれ」
ノルドは、これまで呪いの毒薬の解毒剤を作ることに心血を注いできた。
それは、戦いに向かわせないでほしいという、セラの想いがあったからだ。
「サルサ様。僕は、戦おうと思います」
顔を上げ、はっきりと言う。
「呪いをかけた者が死なない限り、呪いは解けない。違いますか?」
「……そうかもしれん」
「獣王国魔術師部隊長。それが、全ての元凶です。必ず仕留めます」
「ワオーン!」
意思は固く、揺るがない。それを悟ったサルサは、肩をすくめて笑った。
「わかった。この毒薬が同じか急いで調べる。それと、島主と話をしよう。これはお前たちだけの問題じゃない」
時が来たのだ。
かつて、セラ親子を守るために戦争を仕掛けたシシルナ島。
だが、今回は違う。
大聖女ネフェル暗殺を行った、獣王国との戦いになる。
「まさかね……」
ネフェルの寝室で、楽しげな寝顔を見つめながら、
サルサは胸の奥に湧いた予感を、振り払えずにいた。
1
あなたにおすすめの小説
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!
しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。
けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。
そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。
そして王家主催の夜会で事は起こった。
第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。
そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。
しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。
全12話
ご都合主義のゆるゆる設定です。
言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。
登場人物へのざまぁはほぼ無いです。
魔法、スキルの内容については独自設定になっています。
誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。
モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!
あけちともあき
ファンタジー
無能テイマーとしてSランクパーティをクビになったオース。
モフモフテイマーという、モフモフモンスター専門のテイマーであった彼は、すぐに最強モンスター『マーナガルム』をテイムするが……。
実はオースこそが、Sランクパーティを支える最強メンバーだったのだ。
あらゆるモンスターへの深い知識。
様々なクラスを持つことによる、並外れた器用さ。
自由になったオースは、知識の力で最高の冒険者へと成り上がっていく。
降って湧いた凶悪な依頼の数々。
オースはこれを次々に解決する。
誰もがオースを最高の冒険者だと認めるようになっていく。
さらに、新たなモフモフモンスターが現れて、仲間も増えて……。
やがて、世界を巻き込む陰謀にオースは関わっていくのだ。
「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」とやりがい搾取されたのでやめることにします。
木山楽斗
恋愛
平民であるフェルーナは、類稀なる魔法使いとしての才を持っており、聖女に就任することになった。
しかしそんな彼女に待っていたのは、冷遇の日々だった。平民が聖女になることを許せない者達によって、彼女は虐げられていたのだ。
さらにフェルーナには、本来聖女が受け取るはずの報酬がほとんど与えられていなかった。
聖女としての忙しさと責任に見合わないような給与には、流石のフェルーナも抗議せざるを得なかった。
しかし抗議に対しては、「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」といった心無い言葉が返ってくるだけだった。
それを受けて、フェルーナは聖女をやめることにした。元々歓迎されていなかった彼女を止める者はおらず、それは受け入れられたのだった。
だがその後、王国は大きく傾くことになった。
フェルーナが優秀な聖女であったため、その代わりが務まる者はいなかったのだ。
さらにはフェルーナへの仕打ちも流出して、結果として多くの国民から反感を招く状況になっていた。
これを重く見た王族達は、フェルーナに再び聖女に就任するように頼み込んだ。
しかしフェルーナは、それを受け入れなかった。これまでひどい仕打ちをしてきた者達を助ける気には、ならなかったのである。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します
三門鉄狼
ファンタジー
目覚めると、リビングアーマーだった。
身体は鎧、中身はなし。しかもレベルは1で超弱い。
そんな状態でダンジョンに迷い込んでしまったから、なんとか生き残らないと!
これは、いつか英雄になるかもしれない、さまよう鎧の冒険譚。
※小説家になろう、カクヨム、待ラノ、ノベルアップ+、NOVEL DAYS、ラノベストリート、アルファポリス、ノベリズムで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる