35 / 238
サナトリウム、再び
しおりを挟む
シシルナ島最大の祭り、冬の祝祭は、一週間続く。
シシルナ島の祭りの三日目、偽物保湿クリームの被害者がぱたりと姿を消したのは、この小さな町ならではの噂の早さゆえだった。
二日間の混乱を経て、ノルドたちは全ての被害者を治療し終え、ようやく一息つけるようになった。
四日目になると、ヴァレンシア孤児院の本物の保湿クリームが評判を呼び、倉庫に積まれていた在庫が全て売り切れた。その勢いは町中の話題になるほどだった。
「ノルド、お疲れ様。本当に助かったわ」
リコが満面の笑みでノルドに感謝の言葉を伝える一方で、ふと困った顔を見せた。
「でも、次はお菓子を売らないといけないの……」
垂れた尻尾がリコの本音を物語る。それでも、すぐに小さな笑顔を浮かべる彼女に、ノルドは肩の力を抜いた。
「大変だね。でも冬休みになったら、泊まりにおいでよ」
「うん、そうする。これ、セラ母さんに」
リコはメグミたちと作ったお菓子の詰め合わせを差し出した。それを受け取るノルドの隣で、ヴァルは鼻先でリュックをつつきながら、どこかつまらなさそうにしている。
だが、ノルドにはわかっていた。祭りの間中、ヴァルがあちこちの屋台を巡り、何かしら食べ物をもらい歩いていたことを。
「まったく、君は食いしん坊だね。でもちゃんとお返しをしないと」
そう言って、ノルドはヴァルのリュックに『蜂蜜飴』の小箱を詰め込んだ。
「これを配るんだよ。わかった?」
「ワオーン!」
嬉しそうに尻尾を振るヴァルは、一目散にまた出店のある通りへと向かっていった。その後ろ姿を見送りながら、ノルドは肩をすくめて笑みを浮かべた。
「まったく、祝祭を一番楽しんでるのは君じゃないか」
※
祝祭の賑やかな雰囲気。しかしノルドはどうにも馴染めず、静かにその場を離れた。
「そうだ、サナトリウムに遊びに行こう!」
満腹になって戻ってきたヴァルを連れ、サナトリウムのある丘を目指す。途中、ノルドははっと気づいた。
「でも、困ったな。アマリに何もプレゼントが無いじゃないか」
「ワオーン」ヴァルがリュックを指し示す。
「何だこれは?」
リュックの中には、ヴァルが興味を持たなかった豪華そうなチョコレートが入っていた。
「これと、リコにもらったお菓子をお裾分けしよう」
丘を登り、サナトリウムの門番に訪問を告げると、すぐに門が開く。
「問題ありません。お通りください」
サナトリウムの玄関では、アマリが元気に出迎えてくれた。ヴァルはその姿を見るなり駆け出していく。
「風邪ひいちゃうよ。中で待っててくれたら良かったのに」
「噂に聞いた腕の立つ薬師さんだもん。大丈夫よ!」
サナトリウムのリビングで、二人のお茶会が始まる。話の中心は偽物クリーム事件のことだ。
「それで、それで……」とアマリは目を輝かせながら聞き入る。
「私も手伝いしたかったなぁ」
「次の機会に手伝ってくれればいいよ」
「うん」アマリの答えは、少し暗かった。
「ところで、ネフェルさんはどこ?」
「お姉ちゃんなら用事で出掛けたの。もうすぐお別れだよ」
「寂しくなるね」
「でもね、次の春にはお姉ちゃんが迎えに来るんだって!だから、それまでに私も強くなるって決めたんだ」
「病気は大丈夫なの?」
「うん、サルサ先生の治療のおかげ。それに……」アマリは少し俯き、力強く続けた。「姉さんに心配をかけたくないから、強くなりたいの」
「ワオーン」ヴァルが協力を約束する。「わかった」ノルドも頷いた。
しんみりとした空気を破るように、悪戯好きの老人三英雄が現れる。
「丁度よかった。遥か東の国のゲームでな、四人じゃないと面白くないのだ。やろう!」
「ルールは簡単じゃ。この牌というのをだな……」
「そうそう、これが点棒といってな……」
全然簡単ではないゲームのルールに戸惑いながらも、ノルドは老人たちとゲームを始めることになった。思いのほか熱中してしまい、結果的にはノルドの大勝ち。
「勝ち逃げはダメだ、もう半荘!」
アマリはその様子を見ながら眠そうな顔をしており、メイドが寝かしつけに来る。
「じゃあ、ノルド。またね!」執事に背負われ、アマリは部屋へ戻っていった。
ゲームは夜遅くまで続き、ヴァルはノルドの伝言を母親に届けるため、一足先に帰ることになった。
「ワオーン!」退屈から解放されて嬉しそうに、駆け出して行った。
深夜になってネフェルが帰宅する。珍しく疲れた様子だ。
「あ、ノルドだ!何してるの?」
「ゲームをして……」
「おじさん達、いじめちゃダメよ、ほどほどにね。じゃあ、ノルド、アマリが待ってるからまたね!」
まともに会話もできず、ネフェルはそのまま部屋へ向かった。
元英雄の老人たちは眠そうなのに勝つまでやめようとせず、ゲームは深夜に突入する。ノルドは、牙狼族、夜中になる程、目や頭が冴える。
執事達も、世話を焼きながら、ゲーム観戦をしている。彼らの間でチップが‘やり取りされているようだが……
「もう一回じゃ」
「こやつ、ドラゴンよりも手強いぞ」
「悪魔の手先か!」
最終局面。ノルドは最下位だったが、手は役満。勝利目前だったその時――
「おい!何してんの?」
早朝の散歩に降りてきたサルサ医師に見つかり、ようやくゲームは終了。勝利はふいになったが、解放された。
「ノルド、またな!」
逃げ足の早い老人たちはすぐに姿を消した。
サルサ医師と庭を歩きながら、ノルドは薬や呪いについての話をする。わからなかったことが解決し、有意義な時間だった。母を苦しめる呪い……
「そうだ、セラが体調を崩したら連れておいで」
その言葉だけが、ノルドの心に深く残った。
シシルナ島の祭りの三日目、偽物保湿クリームの被害者がぱたりと姿を消したのは、この小さな町ならではの噂の早さゆえだった。
二日間の混乱を経て、ノルドたちは全ての被害者を治療し終え、ようやく一息つけるようになった。
四日目になると、ヴァレンシア孤児院の本物の保湿クリームが評判を呼び、倉庫に積まれていた在庫が全て売り切れた。その勢いは町中の話題になるほどだった。
「ノルド、お疲れ様。本当に助かったわ」
リコが満面の笑みでノルドに感謝の言葉を伝える一方で、ふと困った顔を見せた。
「でも、次はお菓子を売らないといけないの……」
垂れた尻尾がリコの本音を物語る。それでも、すぐに小さな笑顔を浮かべる彼女に、ノルドは肩の力を抜いた。
「大変だね。でも冬休みになったら、泊まりにおいでよ」
「うん、そうする。これ、セラ母さんに」
リコはメグミたちと作ったお菓子の詰め合わせを差し出した。それを受け取るノルドの隣で、ヴァルは鼻先でリュックをつつきながら、どこかつまらなさそうにしている。
だが、ノルドにはわかっていた。祭りの間中、ヴァルがあちこちの屋台を巡り、何かしら食べ物をもらい歩いていたことを。
「まったく、君は食いしん坊だね。でもちゃんとお返しをしないと」
そう言って、ノルドはヴァルのリュックに『蜂蜜飴』の小箱を詰め込んだ。
「これを配るんだよ。わかった?」
「ワオーン!」
嬉しそうに尻尾を振るヴァルは、一目散にまた出店のある通りへと向かっていった。その後ろ姿を見送りながら、ノルドは肩をすくめて笑みを浮かべた。
「まったく、祝祭を一番楽しんでるのは君じゃないか」
※
祝祭の賑やかな雰囲気。しかしノルドはどうにも馴染めず、静かにその場を離れた。
「そうだ、サナトリウムに遊びに行こう!」
満腹になって戻ってきたヴァルを連れ、サナトリウムのある丘を目指す。途中、ノルドははっと気づいた。
「でも、困ったな。アマリに何もプレゼントが無いじゃないか」
「ワオーン」ヴァルがリュックを指し示す。
「何だこれは?」
リュックの中には、ヴァルが興味を持たなかった豪華そうなチョコレートが入っていた。
「これと、リコにもらったお菓子をお裾分けしよう」
丘を登り、サナトリウムの門番に訪問を告げると、すぐに門が開く。
「問題ありません。お通りください」
サナトリウムの玄関では、アマリが元気に出迎えてくれた。ヴァルはその姿を見るなり駆け出していく。
「風邪ひいちゃうよ。中で待っててくれたら良かったのに」
「噂に聞いた腕の立つ薬師さんだもん。大丈夫よ!」
サナトリウムのリビングで、二人のお茶会が始まる。話の中心は偽物クリーム事件のことだ。
「それで、それで……」とアマリは目を輝かせながら聞き入る。
「私も手伝いしたかったなぁ」
「次の機会に手伝ってくれればいいよ」
「うん」アマリの答えは、少し暗かった。
「ところで、ネフェルさんはどこ?」
「お姉ちゃんなら用事で出掛けたの。もうすぐお別れだよ」
「寂しくなるね」
「でもね、次の春にはお姉ちゃんが迎えに来るんだって!だから、それまでに私も強くなるって決めたんだ」
「病気は大丈夫なの?」
「うん、サルサ先生の治療のおかげ。それに……」アマリは少し俯き、力強く続けた。「姉さんに心配をかけたくないから、強くなりたいの」
「ワオーン」ヴァルが協力を約束する。「わかった」ノルドも頷いた。
しんみりとした空気を破るように、悪戯好きの老人三英雄が現れる。
「丁度よかった。遥か東の国のゲームでな、四人じゃないと面白くないのだ。やろう!」
「ルールは簡単じゃ。この牌というのをだな……」
「そうそう、これが点棒といってな……」
全然簡単ではないゲームのルールに戸惑いながらも、ノルドは老人たちとゲームを始めることになった。思いのほか熱中してしまい、結果的にはノルドの大勝ち。
「勝ち逃げはダメだ、もう半荘!」
アマリはその様子を見ながら眠そうな顔をしており、メイドが寝かしつけに来る。
「じゃあ、ノルド。またね!」執事に背負われ、アマリは部屋へ戻っていった。
ゲームは夜遅くまで続き、ヴァルはノルドの伝言を母親に届けるため、一足先に帰ることになった。
「ワオーン!」退屈から解放されて嬉しそうに、駆け出して行った。
深夜になってネフェルが帰宅する。珍しく疲れた様子だ。
「あ、ノルドだ!何してるの?」
「ゲームをして……」
「おじさん達、いじめちゃダメよ、ほどほどにね。じゃあ、ノルド、アマリが待ってるからまたね!」
まともに会話もできず、ネフェルはそのまま部屋へ向かった。
元英雄の老人たちは眠そうなのに勝つまでやめようとせず、ゲームは深夜に突入する。ノルドは、牙狼族、夜中になる程、目や頭が冴える。
執事達も、世話を焼きながら、ゲーム観戦をしている。彼らの間でチップが‘やり取りされているようだが……
「もう一回じゃ」
「こやつ、ドラゴンよりも手強いぞ」
「悪魔の手先か!」
最終局面。ノルドは最下位だったが、手は役満。勝利目前だったその時――
「おい!何してんの?」
早朝の散歩に降りてきたサルサ医師に見つかり、ようやくゲームは終了。勝利はふいになったが、解放された。
「ノルド、またな!」
逃げ足の早い老人たちはすぐに姿を消した。
サルサ医師と庭を歩きながら、ノルドは薬や呪いについての話をする。わからなかったことが解決し、有意義な時間だった。母を苦しめる呪い……
「そうだ、セラが体調を崩したら連れておいで」
その言葉だけが、ノルドの心に深く残った。
8
あなたにおすすめの小説
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
アルカディア・クロノクル ゲーム世界に囚われた俺を救うのは、妹か、かつての仲間か
織部
ファンタジー
記憶を失った少年アキラ、目覚めたのはゲームの世界だった!
ナビゲーターの案内で進む彼は、意思を持ったキャラクターたちや理性を持つ魔物と対峙しながら物語を進める。
新たなキャラクターは、ガチャによって、仲間になっていく。
しかし、そのガチャは、仕組まれたものだった。
ナビゲーターの女は、誰なのか? どこに存在しているのか。
一方、妹・山吹は兄の失踪の秘密に迫る。
異世界と現実が交錯し、運命が動き出す――群像劇が今、始まる!
小説家になろう様でも連載しております
モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!
あけちともあき
ファンタジー
無能テイマーとしてSランクパーティをクビになったオース。
モフモフテイマーという、モフモフモンスター専門のテイマーであった彼は、すぐに最強モンスター『マーナガルム』をテイムするが……。
実はオースこそが、Sランクパーティを支える最強メンバーだったのだ。
あらゆるモンスターへの深い知識。
様々なクラスを持つことによる、並外れた器用さ。
自由になったオースは、知識の力で最高の冒険者へと成り上がっていく。
降って湧いた凶悪な依頼の数々。
オースはこれを次々に解決する。
誰もがオースを最高の冒険者だと認めるようになっていく。
さらに、新たなモフモフモンスターが現れて、仲間も増えて……。
やがて、世界を巻き込む陰謀にオースは関わっていくのだ。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
お前のような地味な女は不要だと婚約破棄されたので、持て余していた聖女の力で隣国のクールな皇子様を救ったら、ベタ惚れされました
夏見ナイ
恋愛
伯爵令嬢リリアーナは、強大すぎる聖女の力を隠し「地味で無能」と虐げられてきた。婚約者の第二王子からも疎まれ、ついに夜会で「お前のような地味な女は不要だ!」と衆人の前で婚約破棄を突きつけられる。
全てを失い、あてもなく国を出た彼女が森で出会ったのは、邪悪な呪いに蝕まれ死にかけていた一人の美しい男性。彼こそが隣国エルミート帝国が誇る「氷の皇子」アシュレイだった。
持て余していた聖女の力で彼を救ったリリアーナは、「お前の力がいる」と帝国へ迎えられる。クールで無愛想なはずの皇子様が、なぜか私にだけは不器用な優しさを見せてきて、次第にその愛は甘く重い執着へと変わっていき……?
これは、不要とされた令嬢が、最高の愛を見つけて世界で一番幸せになる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる