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5 ワケあり令嬢に祝福を
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クライドはルイザの肩越しに、巨大な氷柱が貫いたタワーケーキと、凍った舞踏会と、呆然と床に転んだままの人々を眺め、歓喜で震えていた。
「素晴らしい。君の暴力的なまでの生活魔法に、俺は痺れるよ」
ルイザの肩をまた掴んで、正面から顔を覗き込む。勇ましく端正な顔は、喜びでキラキラしていた。
「最高にイカす。こんなに可愛いのに竜も殺せる力を持つなんて、滅茶苦茶可愛い!!」
竜を殺すとか、だから可愛いとか、クライドの言っている事がまったく飲み込めずに、ルイザは赤面したまま口をパクパクとするしかなかった。
クライドはそのままスルッと片膝を付いて、ルイザの両手を優しく握ったまま、ルイザを見上げた。
「ルイザ。俺は君に見合う強さを備えて戻って来た。今日こそ、俺は君を連れて帰りたい。どうか俺のもとへ、来てくれ」
求婚とも取れる真剣な願いに、ルイザは驚きと畏れで首を振った。
「わ、私の生活魔法は、非常識なんです。あんな力……料理は焦げちゃうし、刺繍はビリビリになるし、洗濯は洪水で……」
自分で真実を明かしながら、情けなさから、また涙が溢れていた。
クライドはフッ、とクールに笑う。
「そんなの、メイドに頼めばいいだろ?うちには優秀なメイドが沢山いるぞ」
「いや、そういう事じゃなくて、貴族の令嬢として、常識的に……」
クライドは立ち上がると、サッサと氷柱のもとに行き、掌を当てた。ジュワッ!と大きな音がして、氷柱と氷の地面はあっという間に、溶けた。そして両手を広げて、大声で宣言した。
「ルイザの強烈な魔法は全部、俺が受け止める。全力で出してくれて大丈夫だ!だから俺のもとへ来い!」
豪快で強引な説得力に、ルイザは自虐が尽きて、放心したままドレスを摘んで、挨拶をした。
「よ……喜んで、お受けいたします……」
本当は駆け出して、あの逞しい貴公子の胸に飛び込みたいほど、ルイザは頭が沸騰していた。押さえ込んでいた自分を全力で出していいだなんて、人生で豪語する人間に出会えるとは、思ってもみなかった。
床に転がったままの人々の間から、ひとりの女性が拍手をしながら、2人の間に歩いてきた。それは豪華なドレスを纏った、王妃様だった。にこやかに笑っている。
「おめでたいわ。こんな頼もしい縁談が、今まであったかしら。我が国の防衛も安泰だわね」
驚いてまん丸の目のルイザのもとに、王妃はやって来た。
「さっきはケーキの落下から守ってくれてありがとう。私はあの真下にいて、情けないけど驚きのあまり、腰を抜かしてしまったのよ」
「お、王妃様!あの場にいらしたとは知らずに、大変なご無礼を!」
ルイザはもしも氷柱が王妃に当たっていたらと考えると、心臓がひっくり返るようだった。
「いいえ。あなたは恩人だわ。それにこれからきっと、この国を守る要の人物となるでしょう」
神々しい予言に、周囲の者も拍手をしながら立ち上がり、祝福の歓声は大きくなっていった。クライドは駆け寄ったルイザの両親と握手をしている。父も母も、泣いて喜んでいた。その光景を見て、ルイザの瞳から初めて、恥や悲しみとは違う熱い涙が、溢れていた。
「素晴らしい。君の暴力的なまでの生活魔法に、俺は痺れるよ」
ルイザの肩をまた掴んで、正面から顔を覗き込む。勇ましく端正な顔は、喜びでキラキラしていた。
「最高にイカす。こんなに可愛いのに竜も殺せる力を持つなんて、滅茶苦茶可愛い!!」
竜を殺すとか、だから可愛いとか、クライドの言っている事がまったく飲み込めずに、ルイザは赤面したまま口をパクパクとするしかなかった。
クライドはそのままスルッと片膝を付いて、ルイザの両手を優しく握ったまま、ルイザを見上げた。
「ルイザ。俺は君に見合う強さを備えて戻って来た。今日こそ、俺は君を連れて帰りたい。どうか俺のもとへ、来てくれ」
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自分で真実を明かしながら、情けなさから、また涙が溢れていた。
クライドはフッ、とクールに笑う。
「そんなの、メイドに頼めばいいだろ?うちには優秀なメイドが沢山いるぞ」
「いや、そういう事じゃなくて、貴族の令嬢として、常識的に……」
クライドは立ち上がると、サッサと氷柱のもとに行き、掌を当てた。ジュワッ!と大きな音がして、氷柱と氷の地面はあっという間に、溶けた。そして両手を広げて、大声で宣言した。
「ルイザの強烈な魔法は全部、俺が受け止める。全力で出してくれて大丈夫だ!だから俺のもとへ来い!」
豪快で強引な説得力に、ルイザは自虐が尽きて、放心したままドレスを摘んで、挨拶をした。
「よ……喜んで、お受けいたします……」
本当は駆け出して、あの逞しい貴公子の胸に飛び込みたいほど、ルイザは頭が沸騰していた。押さえ込んでいた自分を全力で出していいだなんて、人生で豪語する人間に出会えるとは、思ってもみなかった。
床に転がったままの人々の間から、ひとりの女性が拍手をしながら、2人の間に歩いてきた。それは豪華なドレスを纏った、王妃様だった。にこやかに笑っている。
「おめでたいわ。こんな頼もしい縁談が、今まであったかしら。我が国の防衛も安泰だわね」
驚いてまん丸の目のルイザのもとに、王妃はやって来た。
「さっきはケーキの落下から守ってくれてありがとう。私はあの真下にいて、情けないけど驚きのあまり、腰を抜かしてしまったのよ」
「お、王妃様!あの場にいらしたとは知らずに、大変なご無礼を!」
ルイザはもしも氷柱が王妃に当たっていたらと考えると、心臓がひっくり返るようだった。
「いいえ。あなたは恩人だわ。それにこれからきっと、この国を守る要の人物となるでしょう」
神々しい予言に、周囲の者も拍手をしながら立ち上がり、祝福の歓声は大きくなっていった。クライドは駆け寄ったルイザの両親と握手をしている。父も母も、泣いて喜んでいた。その光景を見て、ルイザの瞳から初めて、恥や悲しみとは違う熱い涙が、溢れていた。
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