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久しぶりの声
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「謝らなくてもいいよ海里。謝ってほしいわけじゃないんだ。ただ親父も義母さんも心配してることはわかってほしい。だけど今日俺が、海里に会うことは言ってないんだ言えなかった。だからさ今電話してみないか?声だけならいいだろ?きっと義母さんも海里が生きてるってわかれば喜ぶよ。俺だけ会ったなんてズルいって言われるかもしれないけどな」
そう言うと義兄貴はポケットからスマホを取り出しあっという間にかけてしまった。俺が出るとも出ないとも言ってないのに……そういう頑固なところは昔から変わってない。と思ったらスピーカーにしてあったのか久しぶりに母さんの声が聞こえてきた。
――もしもし涼太?今日はご飯いるのか、もしかしていらないの?いつも言ってるだろ早めに連絡しろって……まったくさぁ~仕事が忙しくても連絡くらいよこせよ毅(父)だってちゃんと連絡するぞ。でも今日はもう出来上がったから先に食べてるからな。
母さんの声を久しぶりに聞いて目の奥が熱くなり潤んできてしまった。そうか……俺がいない間の5年間、義兄貴と母さんは前と変わらずにちゃんと親子関係を築いてきたんだ。
――義母さん、連絡するの忘れてたのはごめん。でもそれどころじゃなくて……海里を見つけたから会いにきたんだ。今、一緒にいるんだ。
義兄貴が言うと母さんは「へっ?」と一瞬、声を詰まらせたと思ったらすぐにすすり泣く声が聞こえてきた。
――海里は生きてるのか?ちゃんと生きてるんだな?毅~海里が海里が見つかったって。生きてるって涼太から電話で……
俺の安否を確認してくれる母さんの声に胸が締め付けられて自分の胸元を握りしめた。俺はどれだけみんなに迷惑かけたんだろう。あの時は逃げることに必死で自分のことしか考えてなかった。お義父さんのことも、母さんのことも、そして……義兄貴のことから目を逸らして生きてきたんだ。涙が自然にボロボロとこぼれてきた。この5年間、泣かずに頑張ってきたのに……そんな俺の様子を見て義兄貴は優しくティッシュで涙を拭いてくれ片手でなだめるように背中をさすってくれた。
――海里は生きてるから。心配しないでいいよ。
――海里は話ができる?海里の声が聞きたい。
そんなこといわれても鼻水と涙でぐしょぐしょで声なんか出せないし、第一何を話していいのかわからない。義兄貴は俺の耳元に唇を寄せて元気だって伝えてやれと言われた。
――海里?海里聞こえてるか?頼むから何か話してくれないか?海里の声が聞きたい。
母さんの声は涙声だった。
――母さん、、、ごめん。
その一言を言うのがやっとだった。
――海里、今まで元気で暮らしていたのか?どこか具合が悪かったり大変な思いしてないか?海里待ってるからいつでも海里の帰ってくる家はあるからな。
俺はただ母さんの言葉に頷くだけだった。
――海里、俺たちのほうこそお前に辛い思いをさせたよな悪かった。俺はお前の父親だから、これからも海里の父親としてお前のことは全力で守ってやるっていうか守らせてくれないか?お前に内緒にしていたこともある。涼太のことだって……家を出なければならないほど追い詰めてしまって悪かった。涼太とよく話合いなさい。俺も海里に会えるの待ってるからな。
お義父さんの気持ちは痛いほど届いた。だから俺は義兄貴と話しをしようと心に決めた。逃げずに本音を言おう。それで玉砕したときには……義兄貴はダメだと言ってたから雅人さんの事務員として雇ってもらえないだろうか?給料はかなり減るけど昔からあまり物を買うことをしなかったし、ご飯が3食食べられて寝れるところだけあればいいから。義兄貴はお義父さんと少し話して電話を切った。俺は涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔を洗いに洗面台に向かった。
そう言うと義兄貴はポケットからスマホを取り出しあっという間にかけてしまった。俺が出るとも出ないとも言ってないのに……そういう頑固なところは昔から変わってない。と思ったらスピーカーにしてあったのか久しぶりに母さんの声が聞こえてきた。
――もしもし涼太?今日はご飯いるのか、もしかしていらないの?いつも言ってるだろ早めに連絡しろって……まったくさぁ~仕事が忙しくても連絡くらいよこせよ毅(父)だってちゃんと連絡するぞ。でも今日はもう出来上がったから先に食べてるからな。
母さんの声を久しぶりに聞いて目の奥が熱くなり潤んできてしまった。そうか……俺がいない間の5年間、義兄貴と母さんは前と変わらずにちゃんと親子関係を築いてきたんだ。
――義母さん、連絡するの忘れてたのはごめん。でもそれどころじゃなくて……海里を見つけたから会いにきたんだ。今、一緒にいるんだ。
義兄貴が言うと母さんは「へっ?」と一瞬、声を詰まらせたと思ったらすぐにすすり泣く声が聞こえてきた。
――海里は生きてるのか?ちゃんと生きてるんだな?毅~海里が海里が見つかったって。生きてるって涼太から電話で……
俺の安否を確認してくれる母さんの声に胸が締め付けられて自分の胸元を握りしめた。俺はどれだけみんなに迷惑かけたんだろう。あの時は逃げることに必死で自分のことしか考えてなかった。お義父さんのことも、母さんのことも、そして……義兄貴のことから目を逸らして生きてきたんだ。涙が自然にボロボロとこぼれてきた。この5年間、泣かずに頑張ってきたのに……そんな俺の様子を見て義兄貴は優しくティッシュで涙を拭いてくれ片手でなだめるように背中をさすってくれた。
――海里は生きてるから。心配しないでいいよ。
――海里は話ができる?海里の声が聞きたい。
そんなこといわれても鼻水と涙でぐしょぐしょで声なんか出せないし、第一何を話していいのかわからない。義兄貴は俺の耳元に唇を寄せて元気だって伝えてやれと言われた。
――海里?海里聞こえてるか?頼むから何か話してくれないか?海里の声が聞きたい。
母さんの声は涙声だった。
――母さん、、、ごめん。
その一言を言うのがやっとだった。
――海里、今まで元気で暮らしていたのか?どこか具合が悪かったり大変な思いしてないか?海里待ってるからいつでも海里の帰ってくる家はあるからな。
俺はただ母さんの言葉に頷くだけだった。
――海里、俺たちのほうこそお前に辛い思いをさせたよな悪かった。俺はお前の父親だから、これからも海里の父親としてお前のことは全力で守ってやるっていうか守らせてくれないか?お前に内緒にしていたこともある。涼太のことだって……家を出なければならないほど追い詰めてしまって悪かった。涼太とよく話合いなさい。俺も海里に会えるの待ってるからな。
お義父さんの気持ちは痛いほど届いた。だから俺は義兄貴と話しをしようと心に決めた。逃げずに本音を言おう。それで玉砕したときには……義兄貴はダメだと言ってたから雅人さんの事務員として雇ってもらえないだろうか?給料はかなり減るけど昔からあまり物を買うことをしなかったし、ご飯が3食食べられて寝れるところだけあればいいから。義兄貴はお義父さんと少し話して電話を切った。俺は涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔を洗いに洗面台に向かった。
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