鬼上司と秘密の同居

なの

文字の大きさ
25 / 105

全員集合!

しおりを挟む
「そういえば…ようやくみんな集まれたね」優太の声が聞こえた。

そういえば6人が揃って集まったのなんて久しぶりだよなーなんて思っていたら「仕事忙しくて…みんなになかなか会えなかった。海斗くんとは昨日、初めて会ったけど弟みたいでかわいいよね。これからも仲良くしてくれる?僕…こう見えても警察官だから、何か困ったことがあったら力になるから」

「警察官なんですか?凄いですね」
西原は背も高くないし細いから警察官に見えないのかも知れない。

「お父さんが警察官で、自分もなりたいなって…小さい頃からの夢だったんだ。単純な理由でしょ?」

「夢…叶ったんだ…いいですね」
そう言う海斗の顔が曇って泣きそうになってきた。きっと両親のこと、小さい頃のことを思い出したんだろう。このままだとみんなの前で泣いてしまうかもしれないと思った俺は、そういえば海斗、外見てないだろ?学の家からはいい景色が見れるんだ…朝日も昇ってるし行こう?そう声をかけるとベランダまで着いてきてくれた。学に目配せしたからきっと海斗の事情を西原達に伝えてくれるだろう。頼む学。

「海斗…ごめんな。色々辛い思いさせたよな」そう言って海斗を抱きしめた。今回は拒否されずに抱きしめられた海斗の温もりに涙が出そうになった時「うっ…うっ…」

海斗は声を殺して泣いていた。俺のワイシャツに冷たい涙が吸い込まれていく。
どうしても両親のトラウマは消えないでこれから先も残るだろう。でもその時に1人で泣いてほしくはない。海斗が泣く時は俺の胸の中で泣いていてほしい。そう思いながら大丈夫。落ち着くまで側にいるよ…そう言って抱いている腕に力を込めて背中を撫で続けた…

どのくらいそうしていただろう「透さんっ…大丈夫」そう言って顔を上げた海斗の唇に唇を重ねた。
少し冷たくなった唇はしょっぱかった。
「戻らないとみんな心配してますよね?」不安そうな海斗の顔は涙に濡れていて誰にも見せたくなかった。「今の海斗を見せたくないからもう少しこのままでいい?」もう一度抱きしめた。

海斗と朝日を浴びる景色を眺めながら話をした。
俺の両親に会うことは、両親がいないこと。過去のことで嫌われたりしないかと心配していたが、お袋が海斗に会いたがってるし何の心配もいらない。俺が守るから。そう伝えると緊張するけど会ってくれると言ってくれた。それと、ゆっくりでいいから俺の秘書になることを考えてほしいと…

俺はバタバタして海斗に連絡を忘れたり、今回みたいに内緒の行動をしたことを謝った。もう二度しない。だから海斗も言わないで溜め込むんじゃなくて言ってほしいと…今回は俺の愛がちゃんと伝わらなかったのが原因だ。これから「愛してる」の言葉だけじゃなくて行動でも愛を伝えるよと…

川上さんと平井の問題はあるけど俺たちがパートナーと宣言することできっと上手くいく。だから心配しないで海斗は俺を信じてほしい。これから先、海斗しか愛せない自信があるから。そう伝えると笑顔になってくれた。

海斗の様子も落ち着いたので部屋に戻ると「おー戻ってきたか」

『おかえり』

みんなに一斉に声をかけられて少し照れてしまった。この様子だと学がちゃんと伝えてくれたんだろう。西原も首を僅かに下げてくれた。

「ねぇねぇ、みんなの高校の時ってどんなだったの?」
悠人くんに声をかけられた。

どんなってなぁ?四ノ宮がうるさかった?それは今も変わらないんじゃね?

「じゃあ、高校の時、誰がモテてたの?」

それは…浅井と学じゃん。小倉はもう優太と付き合ってラブラブだったし、誰も入り込めない雰囲気だったしな。四ノ宮はチャラくて無理って言ってた女子多かったし…?

悠人くんの顔がだんだん曇ってきた。これはまずい???

「学さん、どんな子と付き合ってたんですか?俺より可愛かった?どうなの?」悠人くんには珍しく詰め寄ってる。ヤキモチ妬いたんじゃ…どうするんだ学は?そう思っていたら…

学は何だか嬉しそうに怒っている悠人くんを抱き上げて自分の腿の上に乗せた。それからお互いのおでこを合わせて「悠人以上にかわいい子はいないよ。そりゃー思春期男子だから、それなりに付き合った経験はあるよ。でも愛してるって言ったのは悠人だけ。これからもずっと…信じてくれるよね」
そう言ってキスをしてしまった。悠人くんは顔を真っ赤にして学の胸を叩いて怒ってるけどなんだか嬉しそうだった。

まさか学が友達の前でこんな甘々な行動をするとは…横を見ると海斗は手で顔を覆っていた。そりゃー友達のキスシーンなんか恥ずかしいよな。俺も恥ずかしい…

でもきっとこうやって自分の気持ちに正直に行動するのがいいのかもしれない。俺は学から大事なヒントを得たような気がした。本当は今すぐ実践してみたかったけど…やっぱり友達の前でやるのは恥ずかしいし、そんな勇気も俺にはなかった…

久しぶりにみんなに会えてよかった。みんながいなかったら、まだ海斗と解決はできなかったかもしれない。海斗の心の中も分からず、お互いギクシャクしていたのかもしれない。それに、もしかしたら平井に取られていた可能性だってある。

海斗は俺の大事な愛する伴侶だ。誰にも取られたくない。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。

バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる

衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。 男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。 すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。 選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。 二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。 元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。

雪解けを待つ森で ―スヴェル森の鎮魂歌(レクイエム)―

なの
BL
百年に一度、森の魔物へ生贄を捧げる村。 その年の供物に選ばれたのは、誰にも必要とされなかった孤児のアシェルだった。 死を覚悟して踏み入れた森の奥で、彼は古の守護者である獣人・ヴァルと出会う。 かつて人に裏切られ、心を閉ざしたヴァル。 そして、孤独だったアシェル。 凍てつく森での暮らしは、二人の運命を少しずつ溶かしていく。 だが、古い呪いは再び動き出し、燃え盛る炎が森と二人を飲み込もうとしていた。 生贄の少年と孤独な獣が紡ぐ、絶望の果てにある再生と愛のファンタジー

黒の執愛~黒い弁護士に気を付けろ~

ひなた翠
BL
小野寺真弥31歳。 転職して三か月。恋人と同じ職場で中途採用の新人枠で働くことに……。 朝から晩まで必死に働く自分と、真逆に事務所のトップ2として悠々自適に仕事をこなす恋人の小林豊28歳。 生活のリズムも合わず……年下ワンコ攻め小林に毎晩のように求められてーー。 どうしたらいいのかと迷走する真弥をよそに、熱すぎる想いをぶつけてくる小林を拒めなくて……。 忙しい大人の甘いオフィスラブ。 フジョッシーさんの、オフィスラブのコンテスト参加作品です。

猫カフェの溺愛契約〜獣人の甘い約束〜

なの
BL
人見知りの悠月――ゆづきにとって、叔父が営む保護猫カフェ「ニャンコの隠れ家」だけが心の居場所だった。 そんな悠月には昔から猫の言葉がわかる――という特殊な能力があった。 しかし経営難で閉店の危機に……
愛する猫たちとの別れが迫る中、運命を変える男が現れた。 猫のような美しい瞳を持つ謎の客・玲音――れお。 
彼が差し出したのは「店を救う代わりに、お前と契約したい」という甘い誘惑。 契約のはずが、いつしか年の差を超えた溺愛に包まれて――
甘々すぎる生活に、だんだんと心が溶けていく悠月。 だけど玲音には秘密があった。
満月の夜に現れる獣の姿。猫たちだけが知る彼の正体、そして命をかけた契約の真実 「君を守るためなら、俺は何でもする」 これは愛なのか契約だけなのか……
すべてを賭けた禁断の恋の行方は? 猫たちが見守る小さなカフェで紡がれる、奇跡のハッピーエンド。

若頭の溺愛は、今日も平常運転です

なの
BL
『ヤクザの恋は重すぎて甘すぎる』続編! 過保護すぎる若頭・鷹臣との同棲生活にツッコミが追いつかない毎日を送る幼なじみの相良悠真。 ホットミルクに外出禁止、舎弟たちのニヤニヤ見守り付き(?)ラブコメ生活はいつだって騒がしく、でもどこかあったかい。 だけどそんな日常の中で、鷹臣の覚悟に触れ、悠真は気づく。 ……俺も、ちゃんと応えたい。 笑って泣けて、めいっぱい甘い! 騒がしくて幸せすぎる、ヤクザとツッコミ男子の結婚一直線ラブストーリー! ※前作『ヤクザの恋は重すぎて甘すぎる』を読んでからの方が、より深く楽しめます。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

処理中です...