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極秘結婚プロジェクト、開始します(バレたら命はない?!)
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「……それでよ、悠真さんの好みの花って、なんだと思う?」
「白バラだと思います!一番最初に鷹臣兄貴が持ってったやつ!」
「いや、あれお供えっぽいって言ってたろ。ラナンキュラスだよ。幸福な日々って花言葉があるし!」
「は?お前詳しくねぇ?元花屋か?」
「ちげぇよ!兄貴のための理想の結婚式の資料を一晩かけて作ったんだよ!」
……ここは組の屋敷の奥、使用頻度の少ない応接室。
数人の舎弟たちが円陣を組み、真剣に何かを企てていた。
テーブルには式場のパンフレット、指輪のカタログ、カラフルな付箋が貼られたスケジュール帳。どれも、「秘密裏に進めるには重すぎる」内容である。
「いいか。これは兄貴のための極秘任務だ。バレたら……悠真さんに殺される」
「いや、たぶん泣かれるが正解。それ見て兄貴が激怒するまでがワンセットな」
「でもよ、兄貴、絶対やりたいはずだろ。最近ずっと「どうやって言い出すか」って迷ってる顔してるし……」
「悠真さんの薬指のサイズ、もう知ってんだろ?」
「……この前のとき寝てる間にってヤツなっ」
「っていうか、悠真さんの知らねぇとこで式の準備って、どうなん?逆に失礼じゃね?」
「……それは、サプライズってことで……」
沈黙が落ちた。全員が同じことを思った。
(……命かける価値ある)
そのとき静かにドアが開いた。
「……お前ら、何してんだ?」
低く静かに響く声。思わず一斉に顔を上げる舎弟たち。
「若っ!?い、いらしてたんすか!」
「気配でわかるわ。全員、テンション高すぎだ」
「さ、さすが若……!」
鷹臣は腕を組みながらテーブルの上を見やった。
視線の先には「理想の結婚式」資料。
一瞬だけ眉がピクリと動いた。
「……これは、何のつもりだ」
沈黙。
すると一番年下の舎弟が、そろりと前に出た。
「若……あの、オレたち……勝手に……悠真さんとの結婚式、企画してました!」
「……」
「ほんとは、まだちゃんとしたプロポーズまだみたいだけど……でも、せっかくならちゃんと幸せになってほしくて……!」
「兄貴は組の若頭の前に、悠真さんの旦那でいてほしいって……本気で思ってて!」
沈黙。鷹臣は何も言わず、視線を伏せた……そして一言。
「……悪くねぇな」
「えっ」
「その案、悪くねぇ」
にやり、と笑ったその顔に全員がガッツポーズをした。
「ただし、本人には絶対バレんな。言っとくが式までの接触制限は俺が判断する。服は俺が選ぶ。誓いの言葉も……俺が書く」
「兄貴、主役感つよすぎますって……!」
***
そして夕方。
悠真はリビングのソファで、ぽけーっとテレビを見ながらつぶやいた。
「……なんか最近、みんなの動き、おかしくないか……?」
「気のせいだろ」
隣で新聞を読んでいた鷹臣が涼しい顔で返す。
「いや、お前んとこの舎弟たち昨日ウエディング雑誌読んでたぞ?」
「業界研究だ」
「何のだよ!?」
「……気にすんな」
「いや、気になるっつーの!」
「してない。あえて言うなら、俺の愛と覚悟だけだ」
「はああああ!?もう意味わかんねぇ!!」
悠真の叫びが屋敷に響いた。
その声を聞きながら廊下の陰に潜んでいた舎弟たちは小声で囁いた。
「やべぇ……バレはじめてる……?」
「でも兄貴、今の顔……めっちゃ幸せそうだったぞ……」
「……もうやるしかねぇな」
「命かけてでも、最高の花嫁にしてやる……!」
「だから花嫁って言うな!!」
新生活は今日もドタバタで、ちょっとだけあったかい。
「白バラだと思います!一番最初に鷹臣兄貴が持ってったやつ!」
「いや、あれお供えっぽいって言ってたろ。ラナンキュラスだよ。幸福な日々って花言葉があるし!」
「は?お前詳しくねぇ?元花屋か?」
「ちげぇよ!兄貴のための理想の結婚式の資料を一晩かけて作ったんだよ!」
……ここは組の屋敷の奥、使用頻度の少ない応接室。
数人の舎弟たちが円陣を組み、真剣に何かを企てていた。
テーブルには式場のパンフレット、指輪のカタログ、カラフルな付箋が貼られたスケジュール帳。どれも、「秘密裏に進めるには重すぎる」内容である。
「いいか。これは兄貴のための極秘任務だ。バレたら……悠真さんに殺される」
「いや、たぶん泣かれるが正解。それ見て兄貴が激怒するまでがワンセットな」
「でもよ、兄貴、絶対やりたいはずだろ。最近ずっと「どうやって言い出すか」って迷ってる顔してるし……」
「悠真さんの薬指のサイズ、もう知ってんだろ?」
「……この前のとき寝てる間にってヤツなっ」
「っていうか、悠真さんの知らねぇとこで式の準備って、どうなん?逆に失礼じゃね?」
「……それは、サプライズってことで……」
沈黙が落ちた。全員が同じことを思った。
(……命かける価値ある)
そのとき静かにドアが開いた。
「……お前ら、何してんだ?」
低く静かに響く声。思わず一斉に顔を上げる舎弟たち。
「若っ!?い、いらしてたんすか!」
「気配でわかるわ。全員、テンション高すぎだ」
「さ、さすが若……!」
鷹臣は腕を組みながらテーブルの上を見やった。
視線の先には「理想の結婚式」資料。
一瞬だけ眉がピクリと動いた。
「……これは、何のつもりだ」
沈黙。
すると一番年下の舎弟が、そろりと前に出た。
「若……あの、オレたち……勝手に……悠真さんとの結婚式、企画してました!」
「……」
「ほんとは、まだちゃんとしたプロポーズまだみたいだけど……でも、せっかくならちゃんと幸せになってほしくて……!」
「兄貴は組の若頭の前に、悠真さんの旦那でいてほしいって……本気で思ってて!」
沈黙。鷹臣は何も言わず、視線を伏せた……そして一言。
「……悪くねぇな」
「えっ」
「その案、悪くねぇ」
にやり、と笑ったその顔に全員がガッツポーズをした。
「ただし、本人には絶対バレんな。言っとくが式までの接触制限は俺が判断する。服は俺が選ぶ。誓いの言葉も……俺が書く」
「兄貴、主役感つよすぎますって……!」
***
そして夕方。
悠真はリビングのソファで、ぽけーっとテレビを見ながらつぶやいた。
「……なんか最近、みんなの動き、おかしくないか……?」
「気のせいだろ」
隣で新聞を読んでいた鷹臣が涼しい顔で返す。
「いや、お前んとこの舎弟たち昨日ウエディング雑誌読んでたぞ?」
「業界研究だ」
「何のだよ!?」
「……気にすんな」
「いや、気になるっつーの!」
「してない。あえて言うなら、俺の愛と覚悟だけだ」
「はああああ!?もう意味わかんねぇ!!」
悠真の叫びが屋敷に響いた。
その声を聞きながら廊下の陰に潜んでいた舎弟たちは小声で囁いた。
「やべぇ……バレはじめてる……?」
「でも兄貴、今の顔……めっちゃ幸せそうだったぞ……」
「……もうやるしかねぇな」
「命かけてでも、最高の花嫁にしてやる……!」
「だから花嫁って言うな!!」
新生活は今日もドタバタで、ちょっとだけあったかい。
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