死にキャラに転生したけど、仲間たちに全力で守られて溺愛されています。

藤原遊

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第2部 死にキャラだけど世界を救う旅に出る

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聖域の教会に到着したスフィアは、老僧の案内で奥の部屋へと向かった。教会の中は静寂に包まれており、壁には古い碑文が刻まれている。薄暗い中、ろうそくの灯りがゆらゆらと揺れ、神聖な空気が漂っていた。

「この教会は、長い年月をかけて築かれました。ここで多くの術者たちが力を磨き、己を高めてきたのです。」

老僧の声は穏やかでありながら、どこか重みがあった。

「スフィア殿、あなたが学びたいと望む『浄化の結界』と『封印の術』は、簡単に習得できるものではありません。心の迷いがあれば、術は発動しません。」

スフィアはその言葉に、しっかりと頷いた。

「私にできるでしょうか……?」

「それは、あなた次第です。しかし、ひとつだけ言えることがあります。」

老僧は立ち止まり、スフィアを見つめた。

「人を守るための力は、何よりも強い意志から生まれるのです。」

その言葉に、スフィアの胸にある不安が少しずつ和らいでいくのを感じた。

「さあ、まずは基本の結界術から確認していきましょう。」


スフィアは老僧から基本的な結界の張り方を復習した。しかし、彼女の頭の中には、これまで自分が使ってきた結界術とは異なる新たな術式が広がっていく。

「これは……浄化の結界?」

「そうです。これは相手の悪意や呪いを浄化し、消し去る力を持つ結界です。ただ守るだけでなく、相手の攻撃そのものを無効化するのです。」

スフィアはその術式を何度も練習した。最初はうまくいかなかったが、次第に術式が安定し、結界が淡い光を放つようになった。

「もう一度……集中して……。」

スフィアは手を前にかざし、ゆっくりと術式を描いた。その瞬間、光の壁が展開し、周囲の空間が清浄な気配に包まれる。

「すごい……。」

「素晴らしいです。スフィア殿、あなたの意志が強ければ、この力はさらに大きく成長するでしょう。」

老僧は満足げに頷いた。


修行を続ける中、老僧はある日、スフィアを教会の奥にある巨大な扉の前へと連れて行った。

「ここは、試練の間です。」

扉には古い紋章が刻まれており、どこか威圧感を与える佇まいだった。

「この扉を開けるには、あなた自身が心の迷いを捨て、覚悟を持つ必要があります。扉の先には、あなたにとって最大の恐怖が待っているでしょう。」

「最大の恐怖……?」

スフィアは不安そうに呟いた。

「はい。しかし、それを乗り越えた時、あなたの結界術は次の段階へと進化します。」

スフィアは扉の前で立ち止まり、深呼吸をした。これまでの旅路を思い返し、仲間たちの顔が脳裏に浮かぶ。

(皆さんも、それぞれの旅で強くなっているはず。私も……負けていられない。)

スフィアは意を決して扉に手をかけた。

「行きます。」


扉を開けると、スフィアは不思議な空間に足を踏み入れた。そこは、現実とは異なる幻想的な世界だった。空は暗く、地面は薄紫色の霧に包まれている。

「ここは……?」

その時、目の前に現れたのは――ゾンビドラゴンだった。

「まさか……また……?」

スフィアは思わず後ずさりした。しかし、すぐに気づく。このゾンビドラゴンは、以前戦ったものとは少し異なる。

「これは……幻影……?」

その時、ドラゴンが大きく咆哮し、スフィアに向かって突進してきた。

「来る……!」

スフィアは瞬時に結界を張った。だが、ドラゴンの力は強大で、結界にひびが入る。

「くっ……耐えきれない……!」

ドラゴンの幻影は、スフィアの不安を煽るように言葉を放った。

「お前がいる限り、世界は歪む……。」

「違う……私は……。」

「お前の存在が、全てを狂わせるのだ。」

スフィアは必死に否定しようとするが、心の奥底にある不安が膨らんでいく。

「私が……いなければ……?」

その時、ふと胸元のお守りが光を放った。

「皆さん……。」

仲間たちの顔が浮かぶ。カインの真っ直ぐな視線、エリオットの冷静な助言、レオンの明るい笑顔、ユリウスの優しい言葉――彼らがスフィアを守り、共に戦ってくれた日々が甦る。

「私は……皆さんと共に歩むと決めたんです!」

スフィアは力強く叫ぶと、再び結界を展開した。

「浄化の結界――!」

淡い光が広がり、ゾンビドラゴンの幻影が消えていく。


試練の間を抜けたスフィアは、老僧の前に立った。老僧は微笑みながら頷いた。

「お見事です、スフィア殿。」

「私、やりました……。」

「はい。あなたは自分の恐怖を乗り越え、覚悟を証明しました。これで、あなたの結界術は新たな段階に進みます。」

スフィアは老僧に深く礼をした。

「ありがとうございます。これからも、もっと力を磨いていきます。」

その瞳には、これまで以上に強い意志の光が宿っていた。
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