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午後、ルナ離宮の広間には、贅を尽くした宝飾品や衣装がずらりと並べられていた。
王宮御用達の商人たちが、誕生日祝いの追加品を携えて集められたのである。
「さあ、カティア。今日は君が欲しいものを、好きなだけ選んでくれて構わないよ」
ユーリとしては、初めての誕生日をもっと特別な思い出にしてやりたかった。
だからこそ――少々、いや、かなり張り切って商人たちを呼び寄せたのだ。
「で、ですが……もう昨日たくさん頂きましたし……」
カティアは小さく戸惑い、控えめに両手を胸元で重ねる。
「いいんだ。昨日はあくまで正式な贈り物だよ。今日は“私からの我儘”さ。妃となった君には、それを受け取ってもらう権利がある」
「……我儘、ですか?」
「そう。――君を飾ることが、今の私の何よりの愉しみなのだから」
まるで絵に描いたような甘い口説き文句を、自然に口に出してしまう。
もはや自覚すら薄いのだから、我ながら重症だとすら思う。
その言葉に、カティアの頬がほんのり赤く染まる。
「……では、一つだけ。お願いしてもいいですか?」
「もちろん。何でも仰ってくれ」
少し迷った後、カティアは視線を伏せがちに言った。
「その……ユーリとお揃いのものが、欲しいです」
私は思わず一瞬だけ息を飲んだ。
(……今、なんと?)
あまりに可愛い申し出に、心臓が跳ねる。
「……嬉しいよ、カティア」
微笑みながら、そっと彼女の手を取る。
「では、君と私に似合う品を、一緒に選ぼう。二人にだけ通じる、特別なお揃いを」
「……はい」
嬉しそうに頷くカティアの表情に、再び私の理性は揺さぶられた。
◇ ◇ ◇
こうして始まった“お揃い探し”は、まさに幸せなひとときだった。
淡い青を基調にした小さな髪飾り。
男性用には控えめに襟元へ留める装飾ピンが仕立てられる。
「この宝石の色……ユーリの瞳に似ています」
「君の髪に映える色でもある。ほら、こうだ――」
私は自らの手で、試着用の髪飾りをカティアの髪にそっと差し込んでみせた。
鮮やかな青が、亜麻色の髪に映え、カティアの可憐さをいっそう引き立てていた。
「……とても、お似合いだ。危うく、誰にも見せたくなくなるところだったよ」
「ゆ、ユーリ……っ」
顔を真っ赤にしながら視線を逸らすカティア。
その反応すらも愛しく思えて、私はさらに追撃を仕掛けた。
「……だが同時に、皆に見せびらかしたい気持ちもある。こんなに可愛らしく、私の妃に相応しい存在なのだと――」
「~~っ……もう、からかわないでください……」
「からかってなどいないさ。すべて本心だよ?」
――商人たちはというと、完全にこの空気には慣れたようで、黙々と商品を差し出しながら、時折苦笑を交わしている。
「殿下、こちらの刺繍入りのマントなども対になりますが」
「うん。良いね。これもいただこう」
次々と揃っていく、まるで舞踏会用の対の衣装や装飾品。
もはや周囲の空気は完全に『新婚の甘すぎるお買い物タイム』となっていた。
(……君の隣に、いつまでもこうして並び立ちたい)
眩しそうに笑うカティアを見つめながら、私はそっと心の中で願っていた。
◇ ◇ ◇
そして――この夜も、再び私の部屋でふたりきりの穏やかな時間が待っている。
それはまた別の甘美な物語として、幕を開けようとしていた。
王宮御用達の商人たちが、誕生日祝いの追加品を携えて集められたのである。
「さあ、カティア。今日は君が欲しいものを、好きなだけ選んでくれて構わないよ」
ユーリとしては、初めての誕生日をもっと特別な思い出にしてやりたかった。
だからこそ――少々、いや、かなり張り切って商人たちを呼び寄せたのだ。
「で、ですが……もう昨日たくさん頂きましたし……」
カティアは小さく戸惑い、控えめに両手を胸元で重ねる。
「いいんだ。昨日はあくまで正式な贈り物だよ。今日は“私からの我儘”さ。妃となった君には、それを受け取ってもらう権利がある」
「……我儘、ですか?」
「そう。――君を飾ることが、今の私の何よりの愉しみなのだから」
まるで絵に描いたような甘い口説き文句を、自然に口に出してしまう。
もはや自覚すら薄いのだから、我ながら重症だとすら思う。
その言葉に、カティアの頬がほんのり赤く染まる。
「……では、一つだけ。お願いしてもいいですか?」
「もちろん。何でも仰ってくれ」
少し迷った後、カティアは視線を伏せがちに言った。
「その……ユーリとお揃いのものが、欲しいです」
私は思わず一瞬だけ息を飲んだ。
(……今、なんと?)
あまりに可愛い申し出に、心臓が跳ねる。
「……嬉しいよ、カティア」
微笑みながら、そっと彼女の手を取る。
「では、君と私に似合う品を、一緒に選ぼう。二人にだけ通じる、特別なお揃いを」
「……はい」
嬉しそうに頷くカティアの表情に、再び私の理性は揺さぶられた。
◇ ◇ ◇
こうして始まった“お揃い探し”は、まさに幸せなひとときだった。
淡い青を基調にした小さな髪飾り。
男性用には控えめに襟元へ留める装飾ピンが仕立てられる。
「この宝石の色……ユーリの瞳に似ています」
「君の髪に映える色でもある。ほら、こうだ――」
私は自らの手で、試着用の髪飾りをカティアの髪にそっと差し込んでみせた。
鮮やかな青が、亜麻色の髪に映え、カティアの可憐さをいっそう引き立てていた。
「……とても、お似合いだ。危うく、誰にも見せたくなくなるところだったよ」
「ゆ、ユーリ……っ」
顔を真っ赤にしながら視線を逸らすカティア。
その反応すらも愛しく思えて、私はさらに追撃を仕掛けた。
「……だが同時に、皆に見せびらかしたい気持ちもある。こんなに可愛らしく、私の妃に相応しい存在なのだと――」
「~~っ……もう、からかわないでください……」
「からかってなどいないさ。すべて本心だよ?」
――商人たちはというと、完全にこの空気には慣れたようで、黙々と商品を差し出しながら、時折苦笑を交わしている。
「殿下、こちらの刺繍入りのマントなども対になりますが」
「うん。良いね。これもいただこう」
次々と揃っていく、まるで舞踏会用の対の衣装や装飾品。
もはや周囲の空気は完全に『新婚の甘すぎるお買い物タイム』となっていた。
(……君の隣に、いつまでもこうして並び立ちたい)
眩しそうに笑うカティアを見つめながら、私はそっと心の中で願っていた。
◇ ◇ ◇
そして――この夜も、再び私の部屋でふたりきりの穏やかな時間が待っている。
それはまた別の甘美な物語として、幕を開けようとしていた。
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