没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました

藤原遊

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第7章 序列十七位の衝撃と模擬戦

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森の中に潜んでいたアストリア領の学生たちが、こちらの誘いに乗って姿を現した。
弓兵と索敵に長ける彼らに狙われ続けていた状況を思えば、うまく引き出せた――そう思ったのも束の間。

「っ……!」

視界が開けた瞬間、土煙を巻き上げて飛び出してきた影に、私は息を呑んだ。
槍を構えた騎馬の列――整然とした動き。統率の取れたその突撃は、学生同士の模擬戦であることを一瞬忘れさせるほどの迫力だった。

「カメリア……!」

序列二位、軍事領の象徴。槍騎馬隊。
その中心に立つのは、青銀色の髪を翻したコンスタンティンだった。

「突撃――前へ!」

鋭い号令とともに、槍の穂先が一斉に光を反射する。
次の瞬間、アストリアの前衛はまるで小枝のように弾き飛ばされ、整然とした陣形が一瞬で崩れ去った。

(……これが、庇護……?)

胸の奥がひやりと冷える。
狙われていたはずのアイリシアを見逃し、カメリアが正面からアストリアを粉砕していく――その構図。
学院の場で、ここまで明確に「守られる」ことになるとは思わなかった。

「エレオノーラ様、下がりましょう!」

クラベルが焦った声で呼びかける。
私は頷き、森の影へ退きながら、槍騎馬隊の流麗な動きを見つめた。
カメリアの圧倒的な統率力。その背後に立つコンスタンティンの姿は、まさしく騎士団長の風格だった。

だが安堵も束の間、戦場全体が不穏に揺らぎ始める。

「ローザリアが動きました!」

ソフィの声に振り返ると、別の方向から鮮やかな赤髪が翻り、ローザリア領の隊列がカメリアにぶつかっていくのが見えた。
序列一位と二位――最強同士の衝突。

(や、やめてよ……どっちも、庇護を口にしてくれてる領地なのに……!)

板挟みになった現実に、胃の奥がきりきりと痛み出す。
逃げ場のない戦場で、私は次の判断を迫られていた。
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