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第十章 悪魔王ディアボロス
第八十三話 葛藤と成長
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デフトロ魔王城――。
ロイスたちは内部を慎重に探索しながら進んでいった。
ロイスは常に先頭に立ち、現れる魔物を次々と斬り伏せる。
その背中には、これまでになかった決意が宿っていた。
「ロイスさん、この先に地下への入り口がありそうです。」
リリアが索敵魔法で周囲を探りながら告げる。
「ロイス、あまり無理しないでね。
今日は気合い入ってるみたいだけど……。」
サーシャが心配そうに声をかける。
「大丈夫だ。
先を急ごう。」
ロイスは短く答え、迷わず進む。
やがて地下へと続く階段を見つけ、さらに奥へ。
出現する魔物はさほど強くなく、ここまでは順調そのものだった。
「奥に扉があります。
怪しいですね。
悪魔の気配は……今のところ感じません。」
リリアが指差した先に、重厚な扉が鎮座していた。
「リリア、調べてくれ。」
ロイスの指示に、リリアは頷き扉へと手を伸ばす。
「……解除しました。」
封印が解け、扉が軋む音を立てて開き、内部の灯りがぼんやりと点った。
「……クリストナ遺跡と同じ仕掛けか。」
ロイスが低く呟いた、その時。
「ロイスさん!」
リリアの声に振り返る。
黒い影が床を走り、祭壇へと伸びると――そこから人影が立ち上がった。
「ご苦労さまでした。」
現れたのは黒尽くめの男。
「誰だ?」
ロイスは剣を構え、睨みをきかせる。
「勇者ロイスですね。
私は悪魔王ディアボロス様の側近、マシュロフ。
アルビゲイツがお世話になったとか。
あの様子では暫く動けませんので、代わりに私が来ました。」
不敵な笑みを浮かべるその姿から、重苦しい魔力が漂っていた。
「闇の宝玉を渡すわけにはいかない。」
ロイスは構えをさらに強める。
「ロイス!
無理するな、皆で倒すぞ。」
オースティンが横に並び、サーシャも杖を構えた。
「魔法の援護は任せて!」
「悪魔には神聖魔法が有効だからね。」
ディックも詠唱を始め、リリアはロイスの背に寄り添うように剣を握る。
「行くぞ!」
ロイスが一気に踏み込み、マシュロフへ斬りかかる。
しかし手応えはない。
黒い霧となって剣は空を切った。
「ふふふ……面白くなってきましたね。」
瞬間、地面から何体ものマシュロフが現れる。
「任せろ!」
ディックの神聖魔法が発動し、部屋全体を光が満たした。
その光に霧の分身は次々と掻き消えるが、マシュロフ本体は祭壇の向こうに姿を現し、黒い霧を一気に充満させていく。
「プロテクション!」
リリアが叫び、全員を包み込むような魔法防御シールドを展開した。
「ふぅ……助かるわ。」
サーシャが安堵の息を漏らす。
「早い対応ですね。
ですが、守っているだけで大丈夫ですか?」
マシュロフの雷撃と黒炎がシールドを叩く。
「この程度なら壊れません。
でも……あいつを倒す方法を考えないと。」
リリアは冷静に状況を見極めていた。
「リリア、みんなを頼む!
俺があいつを倒す。」
ロイスが決意を込めて言い放つ。
「……わかりました。
剣に聖属性を付与します。」
リリアが祈りを込め、ロイスの剣が神々しい光を帯びた。
「ちょっと、大丈夫なの?」
サーシャが不安を滲ませる。
「大丈夫だ。」
ロイスは短く答え、再び飛び出す。
斬撃は何度もマシュロフを捉えるが、その体は霧となり、決して届かない。
「さて、勇者ロイス。
どう出る?」
祭壇の影から覗くマシュロフの顔が、不気味に嗤った。
(師匠ならどうする……。
師匠なら間違いなく、………こうする!)
ロイスは剣を左側後方に引きながら、最大級の魔力を込める。
「出ますよ!ギガントスラッシュ!」
リリアが腕を上げて叫ぶ。
剣を後ろに目一杯引き終わると右足を前に出して地面にうちつけると全身から金色のオーラが迸る。
「ギガントスラッシュッ!」
渾身の一撃が祭壇の闇の宝玉に向けて放たれた。
「な、何を――!」
マシュロフが駆け寄ろうとした瞬間、聖なる斬撃が宝玉とその周囲を粉砕。
轟音とともに爆光が広がり、片腕をも巻き込まれたマシュロフは悲鳴を上げた。
「ぐっ……!!」
次の瞬間、地下の天井ごと城の半分が吹き飛び、夜空が覗いた。
「ロイスさん、やりましたね!
聖属性のギガントスラッシュなら宝玉ごと破壊できますもん。
よく思いつきました!」
リリアが笑顔で駆け寄る。
「師匠なら、間違いなく宝玉を狙ったはずだ……。」
ロイスは肩で息をしながら答えた。
「ありゃ~、城が半分吹き飛んでるわね。」
サーシャは崩れ落ちた壁越しに夜空を見上げて呟いた。
「マシュロフは?」
オースティンが周囲を警戒する。
「……逃げましたね。
でも、腕を失っている。
かなり致命的な傷です。」
リリアが静かに告げた。
「派手にやってくれたな!」
オースティンがロイスの肩を叩き、笑う。
「……城の弁償、言われたりしないよね?」
サーシャは真剣な顔で呟き、皆は思わず吹き出した。
地獄界の王城――玉座の間。
黒き炎に照らされた大広間は、不気味な静寂に包まれていた。
その中央に、片腕を失い膝をつく影が一つ。
マシュロフだった。
「……戻りました、ディアボロス様。」
声は掠れ、深い傷の苦痛を隠せない。
玉座に腰掛ける巨影が、ゆるりと身じろぎした。
黄金の瞳が暗闇を切り裂き、マシュロフを見下ろす。
「随分と……無様な姿で戻ったものだな、マシュロフ。」
低く響く声は、刃のような威圧感を帯びていた。
「お許しを……勇者ロイス。
奴の一撃により、闇の宝玉は破壊され……この腕も……」
マシュロフは深々と頭を垂れ、震える声で報告した。
「……宝玉が失われた、か。」
ディアボロスはゆるりと立ち上がる。背後に広がる黒き翼が、圧倒的な存在感を放つ。
「愚か者よ。
――勇者を見くびったか?」
その言葉に、マシュロフの背筋が凍りつく。
「申し訳ございません。」
「もう良い!下がれ!」
ディアボロスの声が一閃した。
途端に、玉座の間の空気が凍りつき、マシュロフの心臓を冷たい手が掴むような圧迫感が襲う。
「はっ……!」
マシュロフは額を床に擦りつけた。
静かにその場から消えた。
ディアボロスは静かに笑う。
「面白い。勇者ロイス……。
我が宝玉を砕き、我が眷属を退けたか。
よかろう――暫しの勝利に酔いしれるが良い。」
闇の炎が轟と燃え上がり、玉座の間に黒き咆哮が響き渡った。
吹き飛んだ魔王城の広間――。
瓦礫の山の中、辛うじて残った壁にもたれながら、ロイスたちは息を整えていた。
「はぁ……やっと終わったと思ったら、城まで半壊とはね。」
サーシャは苦笑しつつ、瓦礫の隙間から覗く青空を見上げた。
「でも、闇の宝玉を破壊できたのは大きい。」
オースティンが真剣な表情で続ける。
「悪魔王の力の源を一つ潰したのは間違いなく前進だ。」
「そうだな。」
ロイスは剣を鞘に収めながら、深く息を吐いた。
「……ただ、あいつ。マシュロフはまだ生きてる。しかも、背後にはディアボロスって悪魔王が控えている。」
その名が出た途端、一同に緊張が走る。
「ロイスさん……さっきのギガントスラッシュ凄かったです。
勇者ロイスを勇者と知らしめた最大の剣技。
見れてよかった~。」
リリアは緊張感なく喜んでいる。
「……、とりあえず凌げて良かったよ。」
ロイスは苦笑いしている。
「今日のロイスはカッコよかったわね。」
サーシャは思わず声を上げた。
「ロイスのおかげで勝てたのは事実。」
ディックが微笑みながら杖を支えに立ち上がる。
ロイスは少し俯き、拳を握った。
「師匠なら……もっと上手くやってたはずだ。俺にはまだ足りない。」
リリアがすかさず言葉を返す。
「ロイスさん。
よく頑張りました。」
「……あぁ。」
ロイスは小さく頷いた。
その時、遠くで雷鳴のような轟音が響いた。
大地を震わせるその音に、全員が顔を見合わせる。
「まだ戦いは終わってない。」
ロイスが立ち上がった。
「よし!次行って見ましょう!」
リリアが剣を収め、皆を見渡した。
ロイスは静かに仲間たちを見渡し、頷いた。
「……よし!今度も絶対に、負けない。」
ロイスたちは内部を慎重に探索しながら進んでいった。
ロイスは常に先頭に立ち、現れる魔物を次々と斬り伏せる。
その背中には、これまでになかった決意が宿っていた。
「ロイスさん、この先に地下への入り口がありそうです。」
リリアが索敵魔法で周囲を探りながら告げる。
「ロイス、あまり無理しないでね。
今日は気合い入ってるみたいだけど……。」
サーシャが心配そうに声をかける。
「大丈夫だ。
先を急ごう。」
ロイスは短く答え、迷わず進む。
やがて地下へと続く階段を見つけ、さらに奥へ。
出現する魔物はさほど強くなく、ここまでは順調そのものだった。
「奥に扉があります。
怪しいですね。
悪魔の気配は……今のところ感じません。」
リリアが指差した先に、重厚な扉が鎮座していた。
「リリア、調べてくれ。」
ロイスの指示に、リリアは頷き扉へと手を伸ばす。
「……解除しました。」
封印が解け、扉が軋む音を立てて開き、内部の灯りがぼんやりと点った。
「……クリストナ遺跡と同じ仕掛けか。」
ロイスが低く呟いた、その時。
「ロイスさん!」
リリアの声に振り返る。
黒い影が床を走り、祭壇へと伸びると――そこから人影が立ち上がった。
「ご苦労さまでした。」
現れたのは黒尽くめの男。
「誰だ?」
ロイスは剣を構え、睨みをきかせる。
「勇者ロイスですね。
私は悪魔王ディアボロス様の側近、マシュロフ。
アルビゲイツがお世話になったとか。
あの様子では暫く動けませんので、代わりに私が来ました。」
不敵な笑みを浮かべるその姿から、重苦しい魔力が漂っていた。
「闇の宝玉を渡すわけにはいかない。」
ロイスは構えをさらに強める。
「ロイス!
無理するな、皆で倒すぞ。」
オースティンが横に並び、サーシャも杖を構えた。
「魔法の援護は任せて!」
「悪魔には神聖魔法が有効だからね。」
ディックも詠唱を始め、リリアはロイスの背に寄り添うように剣を握る。
「行くぞ!」
ロイスが一気に踏み込み、マシュロフへ斬りかかる。
しかし手応えはない。
黒い霧となって剣は空を切った。
「ふふふ……面白くなってきましたね。」
瞬間、地面から何体ものマシュロフが現れる。
「任せろ!」
ディックの神聖魔法が発動し、部屋全体を光が満たした。
その光に霧の分身は次々と掻き消えるが、マシュロフ本体は祭壇の向こうに姿を現し、黒い霧を一気に充満させていく。
「プロテクション!」
リリアが叫び、全員を包み込むような魔法防御シールドを展開した。
「ふぅ……助かるわ。」
サーシャが安堵の息を漏らす。
「早い対応ですね。
ですが、守っているだけで大丈夫ですか?」
マシュロフの雷撃と黒炎がシールドを叩く。
「この程度なら壊れません。
でも……あいつを倒す方法を考えないと。」
リリアは冷静に状況を見極めていた。
「リリア、みんなを頼む!
俺があいつを倒す。」
ロイスが決意を込めて言い放つ。
「……わかりました。
剣に聖属性を付与します。」
リリアが祈りを込め、ロイスの剣が神々しい光を帯びた。
「ちょっと、大丈夫なの?」
サーシャが不安を滲ませる。
「大丈夫だ。」
ロイスは短く答え、再び飛び出す。
斬撃は何度もマシュロフを捉えるが、その体は霧となり、決して届かない。
「さて、勇者ロイス。
どう出る?」
祭壇の影から覗くマシュロフの顔が、不気味に嗤った。
(師匠ならどうする……。
師匠なら間違いなく、………こうする!)
ロイスは剣を左側後方に引きながら、最大級の魔力を込める。
「出ますよ!ギガントスラッシュ!」
リリアが腕を上げて叫ぶ。
剣を後ろに目一杯引き終わると右足を前に出して地面にうちつけると全身から金色のオーラが迸る。
「ギガントスラッシュッ!」
渾身の一撃が祭壇の闇の宝玉に向けて放たれた。
「な、何を――!」
マシュロフが駆け寄ろうとした瞬間、聖なる斬撃が宝玉とその周囲を粉砕。
轟音とともに爆光が広がり、片腕をも巻き込まれたマシュロフは悲鳴を上げた。
「ぐっ……!!」
次の瞬間、地下の天井ごと城の半分が吹き飛び、夜空が覗いた。
「ロイスさん、やりましたね!
聖属性のギガントスラッシュなら宝玉ごと破壊できますもん。
よく思いつきました!」
リリアが笑顔で駆け寄る。
「師匠なら、間違いなく宝玉を狙ったはずだ……。」
ロイスは肩で息をしながら答えた。
「ありゃ~、城が半分吹き飛んでるわね。」
サーシャは崩れ落ちた壁越しに夜空を見上げて呟いた。
「マシュロフは?」
オースティンが周囲を警戒する。
「……逃げましたね。
でも、腕を失っている。
かなり致命的な傷です。」
リリアが静かに告げた。
「派手にやってくれたな!」
オースティンがロイスの肩を叩き、笑う。
「……城の弁償、言われたりしないよね?」
サーシャは真剣な顔で呟き、皆は思わず吹き出した。
地獄界の王城――玉座の間。
黒き炎に照らされた大広間は、不気味な静寂に包まれていた。
その中央に、片腕を失い膝をつく影が一つ。
マシュロフだった。
「……戻りました、ディアボロス様。」
声は掠れ、深い傷の苦痛を隠せない。
玉座に腰掛ける巨影が、ゆるりと身じろぎした。
黄金の瞳が暗闇を切り裂き、マシュロフを見下ろす。
「随分と……無様な姿で戻ったものだな、マシュロフ。」
低く響く声は、刃のような威圧感を帯びていた。
「お許しを……勇者ロイス。
奴の一撃により、闇の宝玉は破壊され……この腕も……」
マシュロフは深々と頭を垂れ、震える声で報告した。
「……宝玉が失われた、か。」
ディアボロスはゆるりと立ち上がる。背後に広がる黒き翼が、圧倒的な存在感を放つ。
「愚か者よ。
――勇者を見くびったか?」
その言葉に、マシュロフの背筋が凍りつく。
「申し訳ございません。」
「もう良い!下がれ!」
ディアボロスの声が一閃した。
途端に、玉座の間の空気が凍りつき、マシュロフの心臓を冷たい手が掴むような圧迫感が襲う。
「はっ……!」
マシュロフは額を床に擦りつけた。
静かにその場から消えた。
ディアボロスは静かに笑う。
「面白い。勇者ロイス……。
我が宝玉を砕き、我が眷属を退けたか。
よかろう――暫しの勝利に酔いしれるが良い。」
闇の炎が轟と燃え上がり、玉座の間に黒き咆哮が響き渡った。
吹き飛んだ魔王城の広間――。
瓦礫の山の中、辛うじて残った壁にもたれながら、ロイスたちは息を整えていた。
「はぁ……やっと終わったと思ったら、城まで半壊とはね。」
サーシャは苦笑しつつ、瓦礫の隙間から覗く青空を見上げた。
「でも、闇の宝玉を破壊できたのは大きい。」
オースティンが真剣な表情で続ける。
「悪魔王の力の源を一つ潰したのは間違いなく前進だ。」
「そうだな。」
ロイスは剣を鞘に収めながら、深く息を吐いた。
「……ただ、あいつ。マシュロフはまだ生きてる。しかも、背後にはディアボロスって悪魔王が控えている。」
その名が出た途端、一同に緊張が走る。
「ロイスさん……さっきのギガントスラッシュ凄かったです。
勇者ロイスを勇者と知らしめた最大の剣技。
見れてよかった~。」
リリアは緊張感なく喜んでいる。
「……、とりあえず凌げて良かったよ。」
ロイスは苦笑いしている。
「今日のロイスはカッコよかったわね。」
サーシャは思わず声を上げた。
「ロイスのおかげで勝てたのは事実。」
ディックが微笑みながら杖を支えに立ち上がる。
ロイスは少し俯き、拳を握った。
「師匠なら……もっと上手くやってたはずだ。俺にはまだ足りない。」
リリアがすかさず言葉を返す。
「ロイスさん。
よく頑張りました。」
「……あぁ。」
ロイスは小さく頷いた。
その時、遠くで雷鳴のような轟音が響いた。
大地を震わせるその音に、全員が顔を見合わせる。
「まだ戦いは終わってない。」
ロイスが立ち上がった。
「よし!次行って見ましょう!」
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