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第49話 脱出の作戦
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「良かった、トムハット帰って来た!!」
外の偵察を終えて戻って来たトムハットに、ディーノは満面の笑みで近づき抱きついた。
元々予定していた倍近くの時間を置いての帰還で、若しかすると本当にトムハットが殺されてしまったのではと心配していたのだろう。
「ああ、済まない遅くなった。だがしっかりと脱出の計画を立ててきたぞ」
少し元気が無い表情で、トムハットは真っ直ぐにディーノを見詰めながら言う。
ディーノもその表情に違和感は感じたようだが、その違和感の正体が何なのか自分でも分からず特に詮索はしなかった。
「……じゃあ具体的に、どんな計画?」
「ああ、その前にお前に言っておかなくては成らない事が有る」
首を傾げながら質問してくるディーノに、トムハットは屈んで視線を合わせながら笑っている様な困っている様な表情で言った。
その口調にディーノは嫌な物を感じ取って表情を硬くした。
「私がお前と一緒に行動してやれるのは此処までだ、お前は一人で船に乗りッ一人で表社会をめざすんだ」
「えッ?」
突然の別れを宣言され、ディーノは車にひかれたカエルの様な声を上げた。
自分に向けて放たれた言葉が自分に染み込んでいくのと反比例して、段々と涙が溢れ出して瞳に溜まっていく。
「ディーノ、泣きながらで良いから聞いてくれ。私からお前に話せる最後の言葉なんだ、本当はずっと話していたいけどッもう時間が無いんだ」
トムハットはディーノの腕を取った。
ディーノは涙でビシャビシャに成った表情で、真っ直ぐ前を向いてトムハットの顔を見上げる。
幼い身体と幼い心でも理解しているのだ、自らがどれだけ足掻いても大好きな父同然のトムハットとは此処で分かれなくては成らないという事を。
「良いかディーノ、良く聞いて耳と頭と心に刻み込むんだ。お前は私が出てから15分後にこのマンホールを出て、近くに有る布の掛ったボートを運河に移動させ其れに乗るんだ」
ディーノは小さな嗚咽を上げながら数度コクコクと頷いた。
「ボートでは身体をギリギリまで屈めて小さく成れ。そして私が爆発を発生させるからその光と音に紛れて一気にオールを使って速度を上げ、一気に水門を超えるんだ!! 水門を超えれば水の流れは急激に早くなる、充分追っ手を引き離せる筈だ」
「と、トムハットは?? トムハットはどうやって逃げるのッ??」
ディーノの発言にトムハットは一瞬黙って、其れから思い付いたように口を開く。
「じ、実は此処を巡回している兵士の中に昔の知り合いが居てな。私だけであれば見つかっても少し注意される位で済むんだよ! だから私はこの場所でお前の帰りを待っている!!」
トムハットは硬い笑顔を作る。
しかしその目だけは上手く笑えておらず、少し悲しげであった。
「本当? 本当にいつか帰って来たら会える??」
「ああ本当だ。お前が無事この場所から脱出して、修業を終えて付くなって戻って来たら又会える!
だから安心して船を漕げッ前だけ向いて船を漕ぐんだ!!」
ディーノは静かに頷いた。
その表情を見て今度はトムハットの方が涙を零しそうに成ったが、バレない様に奥歯を噛み締めて堪える。
そしてすっかり大きく成ったディーノの姿をその目に焼き付けたのだった。
「ディーノ、怖くても振り返るなよ。私は何時もお前の側にいる、辛い時も悲しいときも自分が嫌になった時だってお前の事をずっと愛している。コレだけは覚えておいてくれ、お前は多くの人に望まれて生まれ、本当に皆お前の事が大好きなんだ」
外の偵察を終えて戻って来たトムハットに、ディーノは満面の笑みで近づき抱きついた。
元々予定していた倍近くの時間を置いての帰還で、若しかすると本当にトムハットが殺されてしまったのではと心配していたのだろう。
「ああ、済まない遅くなった。だがしっかりと脱出の計画を立ててきたぞ」
少し元気が無い表情で、トムハットは真っ直ぐにディーノを見詰めながら言う。
ディーノもその表情に違和感は感じたようだが、その違和感の正体が何なのか自分でも分からず特に詮索はしなかった。
「……じゃあ具体的に、どんな計画?」
「ああ、その前にお前に言っておかなくては成らない事が有る」
首を傾げながら質問してくるディーノに、トムハットは屈んで視線を合わせながら笑っている様な困っている様な表情で言った。
その口調にディーノは嫌な物を感じ取って表情を硬くした。
「私がお前と一緒に行動してやれるのは此処までだ、お前は一人で船に乗りッ一人で表社会をめざすんだ」
「えッ?」
突然の別れを宣言され、ディーノは車にひかれたカエルの様な声を上げた。
自分に向けて放たれた言葉が自分に染み込んでいくのと反比例して、段々と涙が溢れ出して瞳に溜まっていく。
「ディーノ、泣きながらで良いから聞いてくれ。私からお前に話せる最後の言葉なんだ、本当はずっと話していたいけどッもう時間が無いんだ」
トムハットはディーノの腕を取った。
ディーノは涙でビシャビシャに成った表情で、真っ直ぐ前を向いてトムハットの顔を見上げる。
幼い身体と幼い心でも理解しているのだ、自らがどれだけ足掻いても大好きな父同然のトムハットとは此処で分かれなくては成らないという事を。
「良いかディーノ、良く聞いて耳と頭と心に刻み込むんだ。お前は私が出てから15分後にこのマンホールを出て、近くに有る布の掛ったボートを運河に移動させ其れに乗るんだ」
ディーノは小さな嗚咽を上げながら数度コクコクと頷いた。
「ボートでは身体をギリギリまで屈めて小さく成れ。そして私が爆発を発生させるからその光と音に紛れて一気にオールを使って速度を上げ、一気に水門を超えるんだ!! 水門を超えれば水の流れは急激に早くなる、充分追っ手を引き離せる筈だ」
「と、トムハットは?? トムハットはどうやって逃げるのッ??」
ディーノの発言にトムハットは一瞬黙って、其れから思い付いたように口を開く。
「じ、実は此処を巡回している兵士の中に昔の知り合いが居てな。私だけであれば見つかっても少し注意される位で済むんだよ! だから私はこの場所でお前の帰りを待っている!!」
トムハットは硬い笑顔を作る。
しかしその目だけは上手く笑えておらず、少し悲しげであった。
「本当? 本当にいつか帰って来たら会える??」
「ああ本当だ。お前が無事この場所から脱出して、修業を終えて付くなって戻って来たら又会える!
だから安心して船を漕げッ前だけ向いて船を漕ぐんだ!!」
ディーノは静かに頷いた。
その表情を見て今度はトムハットの方が涙を零しそうに成ったが、バレない様に奥歯を噛み締めて堪える。
そしてすっかり大きく成ったディーノの姿をその目に焼き付けたのだった。
「ディーノ、怖くても振り返るなよ。私は何時もお前の側にいる、辛い時も悲しいときも自分が嫌になった時だってお前の事をずっと愛している。コレだけは覚えておいてくれ、お前は多くの人に望まれて生まれ、本当に皆お前の事が大好きなんだ」
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