イジメられっ子は悪役令嬢( ; ; )イジメっ子はヒロイン∑(゚Д゚)じゃあ仕方がないっ!性格が悪くても(⌒▽⌒)

音無砂月

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オードブル

Ⅰ.面倒なのですっ飛ばします

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 長々と幼少期を語っても仕方がないので全てすっ飛ばします。

 さて、すっ飛ばした結果私は六歳になりました。
 今年から学校に通うことになります。
 その為に必要な物を揃えなければいけない。
 まぁ、貴族なら本来は邸に商人を真似ていて自分の好みに合わせて筆記用具や学校用の少し質素なドレスを選ぶ。
 でも、私はちょっとだけお父様に我儘を言ってお兄様と何故かデュークも一緒に王都で学校に必要なものを選ぶことにした。

 「デューク、ごめんね。忙しいのに付き合わせちゃって」
 デュークは一六歳。
 騎士学校は卒業し、今年から騎士として働くことになる。
 騎士学生時代から既に頭角を現し、伯父様に気に入られて散々扱かれたおかげで同期の中でも一目を置かれている。

 「いい気分転換になるよ。
 俺もレイラと買い物出来て嬉しいし」
 「そうだよ、レイラ。こんな奴、好きに使えばいいんだ。
 荷物持ちとか、荷物持ちとか」
 「お前なぁ」
 「私は元々、レイラと二人きりでデートのつもりだったのに。
 私一人じゃ不安だからって、父上がお前にも頼むから」

 私と兄の友人であるデュークは平民だけどよく公爵家に出入りしており、私の父と母もデュークのことを信頼している。
 それに伯父様に扱かれているのでそこら辺の護衛よりも腕が立つのだ。

 「それにしても、レイラは変わっているな。
 普通は平民が居る場所に行って買い物をしようとは思わないよ」

 まぁ、そうだろう。
 でも、私は前世の記憶があるから邸に籠るよりもショッピングをしたいという気持ちがどんどん膨らんでいき、今回お父様にお願いしたのだ。

 「邸に商人を呼ぶのもいいけど、何か味気ないし。
 あ、ここ入ってみたい」

 私が入った店は女の子向けの店なので可愛いものがたくさん棚に並べられていた。
 お兄様とデュークは入りにくそうにしていたが店の中とはいえ私を一人にはできないのだろう。
 人ごみに紛れて少女を誘拐する方法はよく使われる手なので。

 「うわー、これ可愛い」

 私が手にしたのは鳥の形をしたインク瓶だ。
 中には青い液体が入っていた。
 その他にもウサギ、花、星など様々な形をしたインク瓶があった。
 中に入っているインクの色は青、赤、黒の三色だ。

 私は青い鳥のインク瓶を手に取った。

 「へぇ~なかなかお洒落だね」
 「これは、ここ最近とても人気なんですよ」

 眼鏡をかけた人の好い笑みを浮かべた少しふくよかな老人が杖をつきながら教えてくれた。
 他の客に質問をされたりもしているのでこの店の主人なのだろう。

 「これ良いな」
 「青インクと黒インク二つ買えば」
 「普段の授業では青は使えないからな。
 私的な手紙を書く時ぐらいなら青インクでも問題ないし」
 「そうだね」
 私は二人の提案に乗り、青いインクが入った鳥のインク瓶と黒いインクが入ったネズミのインク瓶を選んだ。

 「ここ、可愛いものがたくさんあるね」
 「そうだね」

 インク瓶の隣には花や剣などをモチーフにしたペンがあった。
 貴族だけではない。ある程度文字の使う仕事をしている平民でもペンとして使うのは羽根だ。
 その先に私の前世の世界で言う万年筆の先がついているのだ。
 でも、ここは羽ペンはない。
 その代わり、色のついた硝子の先にペンを付けているお洒落なペンが幾つも並んでいた。
 私はその中で赤い薔薇のペンを選んだ。

 「ユニークな店だな」
 常識を一切無視したような商品が並べられている店内を見渡してデュークは感心した。
 それにギルも賛同した。
 「そうだね。それに値段も平民向けだし、いい店だ」
 「気に入って頂けたら何よりです」

 店主はいろんな人の対応をしながらニコニコと店を褒めてくれたギルとデュークを見ている。

 「文字を書けない子もインテリアとして購入される方もいます」
 「そうだろね。でも、これなら貴族向けにしても売れそうだな。
 そっち方面には売らないのか?」
 「お貴族様を相手にするのには骨が折れますから。
 最も、皆さまがどうでないことは知っているのですが」
 ニコニコと笑いながら遠回しに傲慢な貴族の相手はしたくないという店主
 普通なら怒ってもいいかもしれない、というか普通の貴族なら怒る場面だろうが、質素な服を着ていても身のこなしから自分達がかなりの上流流貴族であると見抜きながらもいけしゃあしゃあとそんなことを言ってのけた店主をギルは気に入り、デュークは感心した。

 「妹が気に入ったみたいだからまた来ます」
 「はい。またのご来店をお待ちしております」
 「レイラ、行くよ」
 「はい」

 私はこの店でインク瓶二つとペンを一つ、それにレターセットを購入した。

 「次はどこに行くんだ?」
 「お父様がね、私用のドレスを勝手に頼んだみたいなの。
 だから、服飾店に行って、採寸を測るの」
 「レイラが行くのか?」
 「うん。そうだよ。
 王都に行くなら丁度いいでしょう。
 二度手間にならずにすむし」

 普通はそれでも店の方から来て採寸をするものだ。
 それに貴族は手間を惜しまないものだ。
 デュークがレイラと出会ったのは三年前だが、その三年間でレイラの貴族令嬢らしからぬ考えは慣れた。


 お父様は学校用のドレスを二〇着、お茶会用のドレスを一五着購入していた。
 既にデザインは決まっているらしく後は私の採寸を測って作るだけのようだ。

 「・・・・そんなに要らないと思う」
 私はお父様が頼んでいた数を聞いて絶句した。

 「そうかな?
 学校は毎日行くんだからこれぐらい普通でしょう」

 それに対し、しれっとお父様に賛成するお兄様
 平民であるデュークは貴族の感覚についていけないとばかりにだんまりを決め込む。

 「でも、私まだ成長期だし、直ぐに着れなくなってしまから少な目でいいと思うよ。
 こんなのはお金の無駄遣いだよ」
 元平民の私にはせめて数はこの半分でいいと思ってしまう。

 「相変わらずだね。無駄遣いなんて言うのはレイラだけだと思うよ」
 「普通の貴族はお金のことなんか気にしないからな」
 「それと無駄じゃないよ。成長したレイラは勿論可愛いと思うよ。
 私の妹なんだし。
 でも、今のレイラも可愛いから。ちゃんと着飾って、この目に焼き付けておかないと直ぐに見れなくなってしまうからね」

 呆れながら私はデュークに助けを求めると、言葉にこそしなかったが「諦めろ」と目が言っている。
 目は口程に物を言うとはよく言ったものだ。
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