悪役だから仕方がないなんて言わせない!

音無砂月

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21.シャルロッテside

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 まずい。非常にまずいことになった。
 私はそこでだらしなく伸びている男を見つめた。
 こんな情けない男に手を貸してくれる国が現れるわけないし。なのにジョセフはあっさりガルムの言うことを受け入れてるし。
 馬鹿じゃない。もう、本当に最悪。
 ガルムに気に入られた時には王妃になれるって本気で喜んだし、王女として幸せな暮らししかしたことのない女が転落していく様を見るのはとても楽しかった。
 でも、それも潮時。
 私はクレバーとガルムを見た。容姿はもちろん、ガルムの方が上ね。それに、オレストも大国だし。彼は第一王子だからガルムについても私は王妃になれるのか。
 クレバーとの出会いは偶然だった。いつものように花を売っていたらお忍びで王都をうろついていたクレバーと出会って、一目惚れされた。そこで王妃になれるんだと私は思った。
 同じことがもう一度起きても問題はないはず。なら、クレバーは見捨ててガルムに乗り換えるのはありか。
 「では、三日後までに俺が用意した兵力の倍は用意してみろ」
 「待ってください」
 私は駆け出し、ガルムの腕に抱き着いた。
 ガルムの騎士が駆け寄る私からガルムを守ろうとしていた。でも、その騎士をガルムが制した。
 やった!私にも脈がある。やっぱり、私は王妃になるべくして生まれたのね。
 次はオレスト国の王妃の座を頂ね。
 「私、王妃様がそんな目に合っているなんて知らなかったんです」
 目を潤ませて上目遣いで私はガルムを見た。
 「ごめんなさい。王妃様も言ってくれれば私がクレバーに止めさせたのに。一人で耐えるなんて水臭いわ。
 ガルム様。私、私、あなたのことが好きなの」
 頬を染めて上目遣いで言った。でも、ガルムは反応をしない。何で?男ってこれで落ちるんじゃないの?
 クレバーはこれで落ちたわよ。
 「私があなたの国に行くから。それで許して。ね。いいでしょう」
 「シャ、シャルロッテ、何を言っているんだ」
 「そいつは友好国でありながら我が国に土足で踏み込んだ野蛮人だぞ」
 「そ、そうだよ。それに、俺達の愛は永遠だって」
 「それ、俺にも言った」
 「俺にも」
 「俺にも」
 と、側近が騒ぎ出したが無視だ。こんな馬鹿に付き合ってもお先真っ暗だし。
 今は兎に角ガルムの気を惹いて、私は陛下の言うことを聞くしかなかった哀れな平民を演じればいい。
 そうすれば罰が下るのはクレバー達だけですむ。
 そもそもこれは王族の問題で、平民の私には関係ないし。
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