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第1章
22.善意に対する対処
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カーディル視点
「王女殿下も酷いことをなさる。公爵もさぞ無念でしょうな。あのような形で社交界デビューを台無しにされて」
遠巻きにレイファとアイルの話を聞いていた恰幅の良い男性がレイファの父にそう話しかける。
王族の悪口を言うわけにはいかず、公爵は苦笑するだけに留めていた。
「どうです?王女殿下がいらっしゃらない夜会で社交界デビューをやり直すというのは?近々、私もパーティを開く予定ですし。令嬢が始めた事業にも興味がある。ご招待をしても?」
「是非!貴殿の心遣いに感謝いたします」
恰幅の良い男性の提案に公爵は喜色を浮かべて礼を述べた。
「令嬢の聡明さは耳に入っています。あのようなドレスを贈られさぞ戸惑ったでしょうに、事態を把握し、すぐに対処する手腕は見事でした。あのようなできた娘こそ我が息子の嫁にと思います」
「おおっ!」
「おやおや、伯爵。抜け駆けはいけませんよ。公爵、私の息子も是非」
「いやいや、私の息子も」
公爵の周囲に息子を持った親たちがひしめき合っていた。
「この事態まであいつの予想範囲内か。恐ろしい奴」
俺は壁に寄りかかりながら公爵の周囲とレイファの周囲を観察していた。
「女性に使う言葉じゃないよ、カーディル」
アシュベルから飲み物を受け取り、一口飲む。アシュベルも俺の横に寄りかかり、レイファの様子を見ていた。
「お前の父親があの中にいるな」
俺は公爵の方を顎で示すとアシュベルは苦笑した。
「レイファは優秀だからね。それに女性でも飲める果実酒というのは魅力的だ」
「まさに金の生る木、か」
「事業が成功するにせよ、失敗するにせよ、ここまで自分優位に持ち込んだ手腕は本当に見事だと思うよ。通常の令嬢なら泣き寝入りして笑いものになるか仮病を使ってデビューを諦めるかだ」
アイルが嬉しそうにレイファにドレスを贈ったと自慢しているのを聞いた時は嫌な予感がした。さり気なくどんなドレスを贈ったのか聞いても当日のお楽しみだと言うばかりで教えてはくれない。
まさか、公爵令嬢にあそこまで酷いものを贈っていたなんて夢にも思わなかった。
「あれは天然のなせる善意だと思うか?」
俺の問いにアシュベルから笑みが消えた。
「まさか」
冷たく放たれた一言は普段のどこか気弱で頼りない男とは別人のようだった。これがこいつの本性か。初めて見たけどかなりの猫かぶり。
さすがは伯爵の地位で宰相まで上り詰めた男の息子。
「レイファは気づいていると思うか?」
「さぁ、どうだろう。彼女は令嬢の鑑のように感情を読ませないから分からない」
宰相はレイファに興味を持っているようだ。地位もあり機転もきく彼女を下手な貴族に嫁がせたくないというい思惑もあるのだろう。優秀な令嬢を王女殿下の遊びで潰される前に確保したいとも考えているのか公爵にアピールをしている。
もしかしたらアシュベルとレイファが婚約することになるかもしれない。
アシュベルはレイファのことをどう思っているのだろうか。
「そう言えば、カーディル。レイファに謝っときなよ」
「?」
「メロディのことで突っかかってたでしょう」
「‥…気づいてたのか」
「君の行動予測は簡単だよ。長い付き合いだからね」
「王女殿下も酷いことをなさる。公爵もさぞ無念でしょうな。あのような形で社交界デビューを台無しにされて」
遠巻きにレイファとアイルの話を聞いていた恰幅の良い男性がレイファの父にそう話しかける。
王族の悪口を言うわけにはいかず、公爵は苦笑するだけに留めていた。
「どうです?王女殿下がいらっしゃらない夜会で社交界デビューをやり直すというのは?近々、私もパーティを開く予定ですし。令嬢が始めた事業にも興味がある。ご招待をしても?」
「是非!貴殿の心遣いに感謝いたします」
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「令嬢の聡明さは耳に入っています。あのようなドレスを贈られさぞ戸惑ったでしょうに、事態を把握し、すぐに対処する手腕は見事でした。あのようなできた娘こそ我が息子の嫁にと思います」
「おおっ!」
「おやおや、伯爵。抜け駆けはいけませんよ。公爵、私の息子も是非」
「いやいや、私の息子も」
公爵の周囲に息子を持った親たちがひしめき合っていた。
「この事態まであいつの予想範囲内か。恐ろしい奴」
俺は壁に寄りかかりながら公爵の周囲とレイファの周囲を観察していた。
「女性に使う言葉じゃないよ、カーディル」
アシュベルから飲み物を受け取り、一口飲む。アシュベルも俺の横に寄りかかり、レイファの様子を見ていた。
「お前の父親があの中にいるな」
俺は公爵の方を顎で示すとアシュベルは苦笑した。
「レイファは優秀だからね。それに女性でも飲める果実酒というのは魅力的だ」
「まさに金の生る木、か」
「事業が成功するにせよ、失敗するにせよ、ここまで自分優位に持ち込んだ手腕は本当に見事だと思うよ。通常の令嬢なら泣き寝入りして笑いものになるか仮病を使ってデビューを諦めるかだ」
アイルが嬉しそうにレイファにドレスを贈ったと自慢しているのを聞いた時は嫌な予感がした。さり気なくどんなドレスを贈ったのか聞いても当日のお楽しみだと言うばかりで教えてはくれない。
まさか、公爵令嬢にあそこまで酷いものを贈っていたなんて夢にも思わなかった。
「あれは天然のなせる善意だと思うか?」
俺の問いにアシュベルから笑みが消えた。
「まさか」
冷たく放たれた一言は普段のどこか気弱で頼りない男とは別人のようだった。これがこいつの本性か。初めて見たけどかなりの猫かぶり。
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「レイファは気づいていると思うか?」
「さぁ、どうだろう。彼女は令嬢の鑑のように感情を読ませないから分からない」
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もしかしたらアシュベルとレイファが婚約することになるかもしれない。
アシュベルはレイファのことをどう思っているのだろうか。
「そう言えば、カーディル。レイファに謝っときなよ」
「?」
「メロディのことで突っかかってたでしょう」
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