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第3章ゲーム開始?時期じゃないでしょう
第48話 私は勘違いをしていた
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学校には基礎科目と選択科目がある。
選択科目には騎士、魔法、淑女、教養、侍女・侍従がある。私は淑女教育に関しては父が最高の教師をつけてくれていたので履修する必要がない。
騎士については訓練を受けたので、ある程度剣を扱うことはできる。でも、騎士になるつもりはないのでパスだ。同じ理由で侍女・侍従も。一生、アイルの奴隷として王宮で暮らすなんて地獄でしかない。
残るは魔法か、教養だ。教養は主に文官を目指す人、あるいは当主になる人が履修する。
私の場合、公爵家に後継がいないので教養科目を選択するべきなのだが、魔法も捨て難い。
ずっと独学だったからちゃんと学ぶべきだろうとも思っていたから。ただアグニスのことがあったから。
しかし、彼は父親に連れて行かれて以降監視付きで魔法塔に閉じ込められているそうだ。
身を守るためなら今のうちにしっかりと学ぶべきだろう。それに選択科目は二つまでなら履修可能だから私は魔法と教養を選んだ。
「なんで、ミキちゃんが魔法の選択科目をとってるの?ミキちゃん、レイファはねゲームでは淑女科目を選択してたんだよ」
だから何?ゲーム通りに動かなきゃいけない理由が私にはない。
「殿下、以前から申し上げているように私は“ミキちゃん”ではありません。なので、選択する科目が違うのは当然かと。それに、淑女教育は幼い頃から厳しく受けているので」
主に、お前が私を専属侍女に望んだせいで。王宮に出入りするのに問題ないぐらいまで大急ぎでマナーを身につける必要があったのだ。
父もそのことを理解しているので王族を教えたこともあるという優秀な教師をつけてくれた。
「プツ」と私の言葉をアイルが笑った。
あん?っと、いけない。ここ最近のストレスで輩みたいにガラが悪くなりかけている。気をつけなければ。今の私は王族の次に地位の高い公爵令嬢なのだから。
・・・・・アイルの次ってちょっと気に入らない。
「ミキちゃん、あのね。見栄を張る必要はないんだよ。レイファってね、マナーが全然なってないの。いつもおどおどして、自分の意見を持てない、アイル(私)がいないとなぁんにもできないキャラなんだよ。だから、公爵家の跡取りなのに当主になれない残念なキャラなの」
「まぁ、その前に死んじゃうんだけどね」とボソリと呟いたアイルの言葉を私は確かに聞いた。そして、その時の彼女の表情も見逃しはしなかったのだ。
ああ、私は勘違いをしていた。
アイルがマヤだった時から。薄々感じてはいたんだけどね。でも、馬鹿さの方が目立ってたから、本当にただの世間知らずで我儘な馬鹿女かと思っていたんだ。
「どうかした?」とアイルは屈託なく笑う。
ねぇ、アイル。
あなたはいつもそうだったね。マヤとして生きてきた時から常に勝ち組だった。親が金持ちってだけで何でも手に入る。思い通りにいかないことなんて一つもなかった。
そしてあなたは無邪気に私の人生を壊していった。
そしてそれは今もそう。
アイルというこの世界のヒロインで王女。しかも、ここはあなたに惚れた神様があなたのために創った世界。まぁ、その神様は謹慎中で何もできないっぽいけど。
前世と今世では一つ違う点がある。それは、周囲もまた有力貴族が多くいること。
だからこそ、教養や仕草の優雅さ、マナーの有無、風格がものを言うのだ。それを全く分かっていない。
だから見て、廊下で堂々とそんなことを言うから周囲の人があなたを懐疑的に見ているわ。
あなたはきっと気づいているのでしょうね。でも関係ないって思っている。
だって、自分はヒロインだから。それが一番のあなたの間違いだって気づいていない。
「殿下は以前からどなたと勘違いをしていらっしゃるのですか?私は記憶力には自信があります。毎年、更新される貴族名鑑を丸暗記できるのが私の密かな自慢なのですが、その中に殿下の仰る“ミキちゃん”は載っていないんですよ」
「あの膨大な量を全て覚えているのか?」
「そんなの、嘘に決まっている」
「そんなくだらない嘘をつく理由がないだろう」と聞き耳を立てていた周囲が少しうるさいので視線で黙らせる。
みんな、しっかりと聞いていてね。そして周囲に広めてね。アイルという人物について。
「“ミキちゃん”は一般人ですか?」
ここで言う一般人は先ほどの『貴族名鑑に載っていない』から、平民という意味に解釈できる。実際、そう解釈しているのは周囲の様子を見るに、明らか。でも、今世と現世が混在しているアイルは気づかない。
「当たり前じゃない」と笑って言うから周囲がざわついた。本来、王宮の奥で守られているはずの王女が平民と接触することはない。もし、その可能性があり、あまつさえ友人になっていたのなら王宮を抜け出していたことになる。
そして、今世ではそれははしたない行為にもなるのだ。
貴族の模範でなければならない王女が堂々とそんなことをしていたなんて。誰も信じられないだろう。でも、王女があまりにも私のことを“ミキちゃん”と呼ぶから周囲も気になって“ミキちゃん”について調べていたようで「確かに貴族名鑑に載ってなかったわ」「どうやれば平民と公爵令嬢を間違えるんだ」という呆れた声が聞こえる。
加えて「まさか、公爵令嬢を専属侍女にしたのってその平民と間違えたからか?」「そう言えば、初対面の時からまるで昔から友人だったかのように殿下が仰っていたから困惑したと公爵令嬢から聞いたことがあるわ」「だが、平民を王宮にあげるなど不可能だろう。どんな連中が転がり込んでくるか分からんぞ」などと聞こえてくる。
親が王宮で働いている人も多くいる。そんな人にとって気に入ったからという理由で王宮に不審な輩を平気で上げられては、何かあった時に自分の親も巻き添えを食うかもしれないという不安を十分に煽ったことだろう。
そして、その不安を彼らは親に伝えるはずだ。公爵令嬢である私を平民と勘違いした結果、平気で無体を働こうとするようなアグニス(男)を近づけたこととも繋げて。
良かった。私が思った通りの方向に話が進んで。
私ね、あなたと今話して決めたの。回避する、遠ざけるだけじゃダメなんだって。
あなたが“レイファ”の死を願い、馬鹿さ丸出しで悪意なく貶めているように見えて本当はミキ(私)を徹底的に侮辱して貶めるのなら私も徹底的にあなたを潰そうって。
アイル、いいえ。マヤ、これからは存分に潰し(殺り)合いましょう。
あなたも、そろそろ理解するべきよ。
噂で人を殺せるのだと。これは、あなたが始めたことよ。
そして、あなたがずっと私に対してし続けたこよ。
選択科目には騎士、魔法、淑女、教養、侍女・侍従がある。私は淑女教育に関しては父が最高の教師をつけてくれていたので履修する必要がない。
騎士については訓練を受けたので、ある程度剣を扱うことはできる。でも、騎士になるつもりはないのでパスだ。同じ理由で侍女・侍従も。一生、アイルの奴隷として王宮で暮らすなんて地獄でしかない。
残るは魔法か、教養だ。教養は主に文官を目指す人、あるいは当主になる人が履修する。
私の場合、公爵家に後継がいないので教養科目を選択するべきなのだが、魔法も捨て難い。
ずっと独学だったからちゃんと学ぶべきだろうとも思っていたから。ただアグニスのことがあったから。
しかし、彼は父親に連れて行かれて以降監視付きで魔法塔に閉じ込められているそうだ。
身を守るためなら今のうちにしっかりと学ぶべきだろう。それに選択科目は二つまでなら履修可能だから私は魔法と教養を選んだ。
「なんで、ミキちゃんが魔法の選択科目をとってるの?ミキちゃん、レイファはねゲームでは淑女科目を選択してたんだよ」
だから何?ゲーム通りに動かなきゃいけない理由が私にはない。
「殿下、以前から申し上げているように私は“ミキちゃん”ではありません。なので、選択する科目が違うのは当然かと。それに、淑女教育は幼い頃から厳しく受けているので」
主に、お前が私を専属侍女に望んだせいで。王宮に出入りするのに問題ないぐらいまで大急ぎでマナーを身につける必要があったのだ。
父もそのことを理解しているので王族を教えたこともあるという優秀な教師をつけてくれた。
「プツ」と私の言葉をアイルが笑った。
あん?っと、いけない。ここ最近のストレスで輩みたいにガラが悪くなりかけている。気をつけなければ。今の私は王族の次に地位の高い公爵令嬢なのだから。
・・・・・アイルの次ってちょっと気に入らない。
「ミキちゃん、あのね。見栄を張る必要はないんだよ。レイファってね、マナーが全然なってないの。いつもおどおどして、自分の意見を持てない、アイル(私)がいないとなぁんにもできないキャラなんだよ。だから、公爵家の跡取りなのに当主になれない残念なキャラなの」
「まぁ、その前に死んじゃうんだけどね」とボソリと呟いたアイルの言葉を私は確かに聞いた。そして、その時の彼女の表情も見逃しはしなかったのだ。
ああ、私は勘違いをしていた。
アイルがマヤだった時から。薄々感じてはいたんだけどね。でも、馬鹿さの方が目立ってたから、本当にただの世間知らずで我儘な馬鹿女かと思っていたんだ。
「どうかした?」とアイルは屈託なく笑う。
ねぇ、アイル。
あなたはいつもそうだったね。マヤとして生きてきた時から常に勝ち組だった。親が金持ちってだけで何でも手に入る。思い通りにいかないことなんて一つもなかった。
そしてあなたは無邪気に私の人生を壊していった。
そしてそれは今もそう。
アイルというこの世界のヒロインで王女。しかも、ここはあなたに惚れた神様があなたのために創った世界。まぁ、その神様は謹慎中で何もできないっぽいけど。
前世と今世では一つ違う点がある。それは、周囲もまた有力貴族が多くいること。
だからこそ、教養や仕草の優雅さ、マナーの有無、風格がものを言うのだ。それを全く分かっていない。
だから見て、廊下で堂々とそんなことを言うから周囲の人があなたを懐疑的に見ているわ。
あなたはきっと気づいているのでしょうね。でも関係ないって思っている。
だって、自分はヒロインだから。それが一番のあなたの間違いだって気づいていない。
「殿下は以前からどなたと勘違いをしていらっしゃるのですか?私は記憶力には自信があります。毎年、更新される貴族名鑑を丸暗記できるのが私の密かな自慢なのですが、その中に殿下の仰る“ミキちゃん”は載っていないんですよ」
「あの膨大な量を全て覚えているのか?」
「そんなの、嘘に決まっている」
「そんなくだらない嘘をつく理由がないだろう」と聞き耳を立てていた周囲が少しうるさいので視線で黙らせる。
みんな、しっかりと聞いていてね。そして周囲に広めてね。アイルという人物について。
「“ミキちゃん”は一般人ですか?」
ここで言う一般人は先ほどの『貴族名鑑に載っていない』から、平民という意味に解釈できる。実際、そう解釈しているのは周囲の様子を見るに、明らか。でも、今世と現世が混在しているアイルは気づかない。
「当たり前じゃない」と笑って言うから周囲がざわついた。本来、王宮の奥で守られているはずの王女が平民と接触することはない。もし、その可能性があり、あまつさえ友人になっていたのなら王宮を抜け出していたことになる。
そして、今世ではそれははしたない行為にもなるのだ。
貴族の模範でなければならない王女が堂々とそんなことをしていたなんて。誰も信じられないだろう。でも、王女があまりにも私のことを“ミキちゃん”と呼ぶから周囲も気になって“ミキちゃん”について調べていたようで「確かに貴族名鑑に載ってなかったわ」「どうやれば平民と公爵令嬢を間違えるんだ」という呆れた声が聞こえる。
加えて「まさか、公爵令嬢を専属侍女にしたのってその平民と間違えたからか?」「そう言えば、初対面の時からまるで昔から友人だったかのように殿下が仰っていたから困惑したと公爵令嬢から聞いたことがあるわ」「だが、平民を王宮にあげるなど不可能だろう。どんな連中が転がり込んでくるか分からんぞ」などと聞こえてくる。
親が王宮で働いている人も多くいる。そんな人にとって気に入ったからという理由で王宮に不審な輩を平気で上げられては、何かあった時に自分の親も巻き添えを食うかもしれないという不安を十分に煽ったことだろう。
そして、その不安を彼らは親に伝えるはずだ。公爵令嬢である私を平民と勘違いした結果、平気で無体を働こうとするようなアグニス(男)を近づけたこととも繋げて。
良かった。私が思った通りの方向に話が進んで。
私ね、あなたと今話して決めたの。回避する、遠ざけるだけじゃダメなんだって。
あなたが“レイファ”の死を願い、馬鹿さ丸出しで悪意なく貶めているように見えて本当はミキ(私)を徹底的に侮辱して貶めるのなら私も徹底的にあなたを潰そうって。
アイル、いいえ。マヤ、これからは存分に潰し(殺り)合いましょう。
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