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第55話 和解
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結香が泣き止んで落ち着くまで待っていたら、あっという間に通学時間が過ぎていて凹む。
また反省文だ…。
溜め息をついた和馬に
「…和馬くんって、本当にやさしいんだね…」
結香がボソリ。
「普通は、自分に机やイスを投げつけたり刃物で傷つけようとしたりしたヤツなんか、こんな相手してくれないよね?泣き止むまでいっしょにいてくれたりとか」
「…逆に邪魔だった…?」
苦笑いする和馬に首を振って否定する結香。
そして
「実は私…、性格悪いから結構みんなから嫌われててね。あ、とくに女子」
ポツリポツリと話しはじめた。
「ひとりになるのが怖くてあっちにもこっちにもいい顔したり、ひとりの子に執着していっしょにいてもらえるように工作したりしてたら友だちがいなくなっちゃったんだよね。だから中学から遠く離れたこの高校を受験したんだけど、みんな結構知っててさ」
結香は恥ずかしそうにチラチラと和馬の顔色を窺いながら続ける。
「入学してもひとりぼっちだった私に声をかけてくれたのが、水島くん。『本、よく読んでるね?同じクラスだから、面白そうなやつあったら今度おしえて』って、別に大したことない会話だったんだけど嬉しくて…。ちょっとずつだけど話せるようになったんだよね」
「そっか」
「水島くんはいつも女子に囲まれてたから、1人のときにほんのちょっとの時間だったんだけど、それがいつの間にか学校に来る意味になってた。いろんな人に好かれてて、いろんな人にやさしい水島くんだったからよかったのに、特定の人が好きとか、どうしても許せなくて」
そう言って唇を強く噛む。
さらに
「殺してやりたいぐらいムカついたけど…。でも、水島くんが和馬くんを好きになった理由がちょっとだけわかったかも…」
ポロポリとさっきとは違う涙を流した結香に和馬が口を開く。
「友だちがいないなら、俺らと仲良くしねぇ?」
「…へ?」
「大和もそうだけど、俺に二羽に洸紀。みんな仲良くしてくれると思う」
和馬が言ったとき、
「お前、まだ話してんの?」
学校から抜け出してきたのか、大和に二羽、洸紀の姿も遠くに見えた。
また反省文だ…。
溜め息をついた和馬に
「…和馬くんって、本当にやさしいんだね…」
結香がボソリ。
「普通は、自分に机やイスを投げつけたり刃物で傷つけようとしたりしたヤツなんか、こんな相手してくれないよね?泣き止むまでいっしょにいてくれたりとか」
「…逆に邪魔だった…?」
苦笑いする和馬に首を振って否定する結香。
そして
「実は私…、性格悪いから結構みんなから嫌われててね。あ、とくに女子」
ポツリポツリと話しはじめた。
「ひとりになるのが怖くてあっちにもこっちにもいい顔したり、ひとりの子に執着していっしょにいてもらえるように工作したりしてたら友だちがいなくなっちゃったんだよね。だから中学から遠く離れたこの高校を受験したんだけど、みんな結構知っててさ」
結香は恥ずかしそうにチラチラと和馬の顔色を窺いながら続ける。
「入学してもひとりぼっちだった私に声をかけてくれたのが、水島くん。『本、よく読んでるね?同じクラスだから、面白そうなやつあったら今度おしえて』って、別に大したことない会話だったんだけど嬉しくて…。ちょっとずつだけど話せるようになったんだよね」
「そっか」
「水島くんはいつも女子に囲まれてたから、1人のときにほんのちょっとの時間だったんだけど、それがいつの間にか学校に来る意味になってた。いろんな人に好かれてて、いろんな人にやさしい水島くんだったからよかったのに、特定の人が好きとか、どうしても許せなくて」
そう言って唇を強く噛む。
さらに
「殺してやりたいぐらいムカついたけど…。でも、水島くんが和馬くんを好きになった理由がちょっとだけわかったかも…」
ポロポリとさっきとは違う涙を流した結香に和馬が口を開く。
「友だちがいないなら、俺らと仲良くしねぇ?」
「…へ?」
「大和もそうだけど、俺に二羽に洸紀。みんな仲良くしてくれると思う」
和馬が言ったとき、
「お前、まだ話してんの?」
学校から抜け出してきたのか、大和に二羽、洸紀の姿も遠くに見えた。
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