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第92話 厳しすぎる罰

5時限目が終わるとすぐ授業に遅れた末明たち4人を教室の後ろへ立たせた影薄先生は、
「さぁて、4人にはどんな罰を受けてもらおうかしら？」
全員の顔を覗き込んでにんまり。

何をさせられるんだろう…？
今日は5時限目までの授業で、ホームルームもなしという嬉しい時間割なのに居残りとかツラすぎるんですけど…。

みんな嬉しそうに授業が終わるとすぐに教室を飛び出して、気がつくと5分も経たないうちに末明たち4人だけ。

ドキドキしながら身構えていると、
「今日から毎日、1時間かけて教室を雑巾がけすること。わかったわね？期限は2週間。この私が自ら監視してあげます。私がきちんとできていないと判断した場合は連帯責任。全員の期限を2週間延長します」
なんて言いはじめた。

学校では自我の柚吏と落ち着いて話せないから、1分1秒でも早く帰りたいのに！

「え～っ？！」
もちろん、全員が大ブーイング。

「遅刻はもちろん悪いことだけど、毎日1時間もかけて2週間も雑巾がけってちょっと厳しすぎない？それに俺、まだ足、治ってないし」
まず文句を言ったのは扇。

「そうだよ。ちょっと厳しすぎだよ。せめて反省文ぐらいじゃん？」
紗里もあとに続いた。

でも影薄先生は譲らない。

「文句があるなら学園を通して抗議しなさい」

そう言うと、
「あ、それから。使っていいのは雑巾だけ。雑巾を挟んでモップみたいに使う雑巾ワイパーは使用禁止だからね」
追加で厳しい条件を付け足すと、ポイポイっと雑巾を投げてきた。

全員がそれに気づいてサッと身をかわす。

「なにすんだよ。汚ねぇなぁ！」
ブチ切れたのは扇。

「ふっ、もしその雑巾も避けられないようなら、私がその顔面に雑巾を擦りつけてあげる予定だったわ」
影薄先生はそう言ったかと思うと、大きく息を吸い込んで手を交差させはじめた。