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第173話 九字護身法と不動の金縛り
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血が流れた指をぷっくりとした艶のある唇へと運んでペロリと舐めた帆喜美はフフフと末明に嗤いかけたかと思うと柚吏のそばへ。
さっき自分が舐めた指をゆっくりと柚吏の口元まで持っていき、にっこりと微笑んだ。
完全なる挑発。
さらに帆喜美は
「ケガしたところ、柚吏にキスしてほしいな」
甘えた声で柚吏にお願いし、余裕の表情で煽ってくる。
末明が我に返ったことで消滅した結晶が再び姿を現して電気を放ちはじめた。
バチバチと音を立てる無数の結晶が危険なモノだということだけは末明にもわかる。
それを目の前にしても動じていない帆喜美には何か策があるのだろう。
けれど教室には帆喜美だけじゃない。
ほかのクライスメイトたちを傷つけてしまう。
どうすればこの力を抑えられる…?
末明の思いとは裏腹に蠢きはじめる無数の結晶。
9つの咒文を唱えて印を結び終えた影薄は
「白波末明!」
もういちど名前を叫んで気を逸らす。
そしてあっという間にクラスメイトたちを水のように不安定な何かで覆い、包み込んでいった。
「九字護身法…!」
影薄の忍術を目の前にして少しは冷静になった末明だったけれど、無数の結晶は光を放ったまま。
いまにも攻撃を開始しそうな状態で待機している。
「これだけの人数を守りながら結晶をどうにかするには無理があるわ…」
困った表情で影薄が末明のほうを見つめたとき
「あらぁ…。本当にまた白波末明に苦戦しているじゃないの。なかなか厄介ね」
教室へ入ってくるなり皇帝は溜め息をついたかと思うと咒文を唱えて不動の金縛りを発動した。
さっき自分が舐めた指をゆっくりと柚吏の口元まで持っていき、にっこりと微笑んだ。
完全なる挑発。
さらに帆喜美は
「ケガしたところ、柚吏にキスしてほしいな」
甘えた声で柚吏にお願いし、余裕の表情で煽ってくる。
末明が我に返ったことで消滅した結晶が再び姿を現して電気を放ちはじめた。
バチバチと音を立てる無数の結晶が危険なモノだということだけは末明にもわかる。
それを目の前にしても動じていない帆喜美には何か策があるのだろう。
けれど教室には帆喜美だけじゃない。
ほかのクライスメイトたちを傷つけてしまう。
どうすればこの力を抑えられる…?
末明の思いとは裏腹に蠢きはじめる無数の結晶。
9つの咒文を唱えて印を結び終えた影薄は
「白波末明!」
もういちど名前を叫んで気を逸らす。
そしてあっという間にクラスメイトたちを水のように不安定な何かで覆い、包み込んでいった。
「九字護身法…!」
影薄の忍術を目の前にして少しは冷静になった末明だったけれど、無数の結晶は光を放ったまま。
いまにも攻撃を開始しそうな状態で待機している。
「これだけの人数を守りながら結晶をどうにかするには無理があるわ…」
困った表情で影薄が末明のほうを見つめたとき
「あらぁ…。本当にまた白波末明に苦戦しているじゃないの。なかなか厄介ね」
教室へ入ってくるなり皇帝は溜め息をついたかと思うと咒文を唱えて不動の金縛りを発動した。
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