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3章 公爵令嬢の救い方 編
ハーレムキングの完璧計画
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書状を封じたその日の午後。
手紙が向こうに届くのは五日程度は必要だろう。
ん? イエスかノーの返事を待たなくていいのかって? 無論! 王が行くと言ったら行く! 今を生きる王にとって待つことなど億劫なのだ!
というわけで、オレはルシアに信頼できる使用人がいるのかと尋ねた。
すると彼女は、慎重に言葉を選びながら、三人の名前を挙げた。
「幼い頃から仕えてくれている侍女のベル。あとは、厩舎番の老使用人レオン、それと……キッチンで料理番をしているハンナという女性です。三人だけは私にいつも優しくしてくれていました……」
過去形。つまり、今は疎遠になっているわけだ。
ただ、きちんと話をすれば理解してくれる可能性が高い。
「よし。その三人はオレが密かに連れてくる。サラ、オレがいない間の周囲の見張りを頼む。この部屋には誰も入れるなよ?」
「了解です!」
サラがピリッとした顔で頷くと、オレはすぐに次の行動へ移った。
夜になってから行動するのでは遅い。王は既に先を行く! あらかじめ三人がいるとされる各所に顔を出し、頭の中で綿密な計画を練り上げる。
乱暴な扱いをしてしまうのは悪いが、未来の幸せを掴むためのやむを得ない行為だ。そこだけは目を瞑ってもらおう。
「王が参った! 問答無用で攫わせてもらう!」
こうして、オレは三人の意識を刈り取って強引に連れ去った。
場所は変わって館の一角。ここは、ほとんど使われていないという書庫の裏手にある空き部屋。
そこが密談の場となった。
部屋にはサラを残している。
目の前にある埃を被ったベンチには、オレが連れてきた、もとい拉致してきた三人の使用人が横たえている。もちろん三人とも苦しそうな顔で気絶している。
「起きろ。時間がない」
オレは三人の頬をぺちぺちと叩いた。
「んぅ……え!」
「は?」
「……む? な、なぜ?」
三人はもぞもぞと目を覚ますと、その場にいたルシアを見て驚愕していた。
しかし、すぐに我に返って静かに膝をつく。
「お嬢様……お会いしとうございました。長い間、意図的に距離を取らされていたので、なかなかお顔を拝見する機会もなく申し訳なく存じます」
レオンを始めとして、三人が深く項垂れた。
オレのことも一瞥していたが、何よりも真っ先にルシアへの忠誠心を露わにしていた。彼らなら問題ないだろう。信用における。
「三人とも頭をあげてください。そして、これから説明することを心して聞いてください」
ルシアは至極冷静な口振りで淡々と訳を説明した。
それを聞いた三人はごくりと唾を呑むと、覚悟を決めた表情に変わる。
「やはり、危険が迫っていたのですね……」
「ええ。けれどもう、大丈夫。これから、私はこの屋敷を出ることにしました」
そう告げると、ベルという侍女が目を潤ませた。
「……あの、どこへ行かれるのですか?」
「セイクリールです。デイビッドさんが道を開いてくださいました。私はそこで、神官として生き直します」
その言葉に、三人は目を見合わせ、やがて深く頷いた。
「わかりました。私たちも、あなたのお供をいたします。……いえ、側にいたいのです。どうか、私たちを連れて行ってください」
「もちろんです。あなたたちが影から支えてくれたおかげで、私はここまで耐えられたのですから」
ルシアの言葉に、三人の顔に安堵の色が広がった。
密談は短く、的確に終えた。
しかし、ここにきて三人はオレのことが気になった様子で、仕切りに視線を向けてきた。
だから、簡潔に教えた。
「オレは王だ。ハーレムキング・デイビッドだ。幸運を祈っている。出発は三日後の夜だ。異論は受け付けん」
出発は三日後の夜に決まった、今決めた。
オレとサラはそれより一日早く館を出る。義兄に怪しまれないために、あえて堂々と正面玄関から旅立つことにした。
その後、夜の陰に紛れてルシアたち四人が館を抜け出し、館の外れにある馬車小屋から、厩舎番をしている老使用人レオンが用意した荷馬車に乗って北へ向かう。
そのままセイクリールへ。
完璧な段取りだった。
「あの、なぜ三日後なのですか? 今夜ではダメなのでしょうか?」
「理由は簡単だ。やられたままではオレの気が収まらんからな! とことん王の力を誇示して、徹底的に力の差を見せつけてから退散することにした! なぁに、君たちに危害が及ぶ心配はない! 安心して平穏を満喫するがいい!」
あとは三日間を平穏に過ごすだけだ!
◇◆◇◆◇
旅立ちの日を決めた次の日。
思いのほか、義兄の察知は早く、オレたちが動き出していることを何となく勘づいたらしい。
使用人を装って近づいてきた刺客が一人、夜中にルシアの部屋へ忍び込んだ。だが——
「寝室への侵入? ハーレムキングには百年前から見え透いているッ!」
オレは刺客を扉の上で待ち伏せ、忍び込んできた男を逆に叩き伏せた。音も立てずに絞め落とし、夜明けとともに屋敷の外に返送してやった。
他にも、ルシアが階段で足を滑らせるように仕掛けられたワックス、サラの食器に細工された細かいガラス粉。
それらすべてを、オレは見るより先に“察して”防いだ。
「ふはははははっ! 影の刺客も罠の刃も、王の前では全て無意味!」
その度に使用人たちは沈黙し、義兄の手先どもは後退るしかなかった。
わずか三日間で圧倒的なまでの格の違いを見せつけ、オレが王であるという共通認識を植え付けることに成功していた。
あっけない。実にあっけない!
一方、ルシア自身もまた、義兄やその取り巻きからの冷遇に何度も晒された。
だが、ルシアは乱れなかった。未来へのステップアップだと自らに言い聞かせ、生まれて初めて彼らに抗っていた。オレの手を借りず、自立した言葉を吐き出した。
「幼稚な真似はおやめなさい! 私は程度の低い嫌がらせに屈するほどやわではありません!」
そう口にしたルシアの瞳には、確かに“未来”が映っていた。
彼女は知っていたのだ。
自分には、もう“行く先”があるということを。
そして、その道を照らしてくれた王であるオレの姿が、少しずつ確かな支えになっていた。オレにはそんな確信があった!
オレとサラが出発する前日になると、湖畔の庭でルシアはオレに問いかけた。
「デイビッドさん……どうして、こんなにも何もかも見抜いてしまえるんですか?」
風が頬を撫でた。夜の湖面が、揺れる月を映していた。
オレは堂々と、そして少しだけ芝居がかった口調で答えた。
「簡単な話だ」
肩で風を受けるように振り向き、堂々と胸を張る。
「この世界には、強いだけでは届かぬ、知り得ぬ“痛み”がある。そして、痛みに気づかぬ者には、誰もついてこない。オレは気づく力を備えている。それだけだ」
事実だ。だからこそオレは王を名乗る。
「……痛み、ですか」
ルシアの目が大きく揺らいだのがわかった。
その目が表すのは、畏怖ではない。
そして、ただの感謝や尊敬ではない。
そこにあったのは、明らかな迷いと高鳴りの混在だった。
まるで自分でも気づいていないように、彼女はふと笑った。
心の奥からこぼれた、少女の笑顔だった。わずかなこぼれや片鱗などではない。完全なるルシアの本当の笑顔だった。
美しい。妖艶だ。見惚れてしまいそうなほど……綺麗だ。
オレは内心、愉快に笑いそうになるのを堪えた。
だが、ルシアのその笑顔はどこか戸惑いが混じっていた。おそらく彼女自身、感情の名をまだ把握できていないのだろう。
無理もない。
相手はハーレム目的で近づいてきたおかしな男だ。
だがそれでも、こんなふうに傷を知り、痛みを代わりに受け止め、未来を拓いてくれる人間をどうして、好きにならずにいられる?
だから、オレはわざとその話題を振った。
「もしもオレに惚れたのなら、君はもう正真正銘の王の女だ! その気持ちに嘘はなく、その事実に揺らぎはない! 以降もそれは同様だ!」
「これが人を好きになる、惚れたという感情なのでしょうか? ……私はずっと、誰かの顔色を窺う道具のように生きてきました。ほんの少し自由を求めることもありましたが、結局は公爵家の養女という立場に縛り付けられていました。でも、その時とはまるで違います。心臓が痛いんです……びっくりするくらいドキドキしていて、デイビッドさんの顔を見るだけでおかしくなりそうなんです!」
ルシアが小さく息を吸った。
そして、目を上げる。
その目に宿るのは、戸惑いでも、諦めでも、諦観でもない。明らかな情動の色だった。
「ふははははっ! 気持ちの昂りが収まったその時、改めてその言葉を吐けたのなら、君が持つその想いは真実だろう! オレはそれまで待っている! だから、またいつか助けが欲しい時はオレを呼べ! 王が全てを解決しよう!」
「……デイビッドさん、ありがとうございました……私は、私は、他の人に指図されない自分だけの未来を歩みます!」
頭を下げたルシアのラベンダー色のポニーテルが軽やかに揺れた。地面にはポタポタと涙がこぼれ落ちている。
やっと、感情をむき出しにできたようだ。素晴らしい! 綺麗な涙がよく似合う!
「それでいい! それこそが人生! 王は迷い人に道を指し示すために存在している! ふははははっ! 王とは、そういうものだろう?」
ルシアはもう、何も言わなかった。
ただ静かに——その夜、月の光を受けながら、オレの背中に視線を向けていた。
堕ちた心は、もう戻らない。
そしてそれは、悪いことではなかった。
また会おう。その時は一時的な感情の昂りからくる情動ではなく、冷静沈着な心から放たれる愛の言葉を期待している!!
手紙が向こうに届くのは五日程度は必要だろう。
ん? イエスかノーの返事を待たなくていいのかって? 無論! 王が行くと言ったら行く! 今を生きる王にとって待つことなど億劫なのだ!
というわけで、オレはルシアに信頼できる使用人がいるのかと尋ねた。
すると彼女は、慎重に言葉を選びながら、三人の名前を挙げた。
「幼い頃から仕えてくれている侍女のベル。あとは、厩舎番の老使用人レオン、それと……キッチンで料理番をしているハンナという女性です。三人だけは私にいつも優しくしてくれていました……」
過去形。つまり、今は疎遠になっているわけだ。
ただ、きちんと話をすれば理解してくれる可能性が高い。
「よし。その三人はオレが密かに連れてくる。サラ、オレがいない間の周囲の見張りを頼む。この部屋には誰も入れるなよ?」
「了解です!」
サラがピリッとした顔で頷くと、オレはすぐに次の行動へ移った。
夜になってから行動するのでは遅い。王は既に先を行く! あらかじめ三人がいるとされる各所に顔を出し、頭の中で綿密な計画を練り上げる。
乱暴な扱いをしてしまうのは悪いが、未来の幸せを掴むためのやむを得ない行為だ。そこだけは目を瞑ってもらおう。
「王が参った! 問答無用で攫わせてもらう!」
こうして、オレは三人の意識を刈り取って強引に連れ去った。
場所は変わって館の一角。ここは、ほとんど使われていないという書庫の裏手にある空き部屋。
そこが密談の場となった。
部屋にはサラを残している。
目の前にある埃を被ったベンチには、オレが連れてきた、もとい拉致してきた三人の使用人が横たえている。もちろん三人とも苦しそうな顔で気絶している。
「起きろ。時間がない」
オレは三人の頬をぺちぺちと叩いた。
「んぅ……え!」
「は?」
「……む? な、なぜ?」
三人はもぞもぞと目を覚ますと、その場にいたルシアを見て驚愕していた。
しかし、すぐに我に返って静かに膝をつく。
「お嬢様……お会いしとうございました。長い間、意図的に距離を取らされていたので、なかなかお顔を拝見する機会もなく申し訳なく存じます」
レオンを始めとして、三人が深く項垂れた。
オレのことも一瞥していたが、何よりも真っ先にルシアへの忠誠心を露わにしていた。彼らなら問題ないだろう。信用における。
「三人とも頭をあげてください。そして、これから説明することを心して聞いてください」
ルシアは至極冷静な口振りで淡々と訳を説明した。
それを聞いた三人はごくりと唾を呑むと、覚悟を決めた表情に変わる。
「やはり、危険が迫っていたのですね……」
「ええ。けれどもう、大丈夫。これから、私はこの屋敷を出ることにしました」
そう告げると、ベルという侍女が目を潤ませた。
「……あの、どこへ行かれるのですか?」
「セイクリールです。デイビッドさんが道を開いてくださいました。私はそこで、神官として生き直します」
その言葉に、三人は目を見合わせ、やがて深く頷いた。
「わかりました。私たちも、あなたのお供をいたします。……いえ、側にいたいのです。どうか、私たちを連れて行ってください」
「もちろんです。あなたたちが影から支えてくれたおかげで、私はここまで耐えられたのですから」
ルシアの言葉に、三人の顔に安堵の色が広がった。
密談は短く、的確に終えた。
しかし、ここにきて三人はオレのことが気になった様子で、仕切りに視線を向けてきた。
だから、簡潔に教えた。
「オレは王だ。ハーレムキング・デイビッドだ。幸運を祈っている。出発は三日後の夜だ。異論は受け付けん」
出発は三日後の夜に決まった、今決めた。
オレとサラはそれより一日早く館を出る。義兄に怪しまれないために、あえて堂々と正面玄関から旅立つことにした。
その後、夜の陰に紛れてルシアたち四人が館を抜け出し、館の外れにある馬車小屋から、厩舎番をしている老使用人レオンが用意した荷馬車に乗って北へ向かう。
そのままセイクリールへ。
完璧な段取りだった。
「あの、なぜ三日後なのですか? 今夜ではダメなのでしょうか?」
「理由は簡単だ。やられたままではオレの気が収まらんからな! とことん王の力を誇示して、徹底的に力の差を見せつけてから退散することにした! なぁに、君たちに危害が及ぶ心配はない! 安心して平穏を満喫するがいい!」
あとは三日間を平穏に過ごすだけだ!
◇◆◇◆◇
旅立ちの日を決めた次の日。
思いのほか、義兄の察知は早く、オレたちが動き出していることを何となく勘づいたらしい。
使用人を装って近づいてきた刺客が一人、夜中にルシアの部屋へ忍び込んだ。だが——
「寝室への侵入? ハーレムキングには百年前から見え透いているッ!」
オレは刺客を扉の上で待ち伏せ、忍び込んできた男を逆に叩き伏せた。音も立てずに絞め落とし、夜明けとともに屋敷の外に返送してやった。
他にも、ルシアが階段で足を滑らせるように仕掛けられたワックス、サラの食器に細工された細かいガラス粉。
それらすべてを、オレは見るより先に“察して”防いだ。
「ふはははははっ! 影の刺客も罠の刃も、王の前では全て無意味!」
その度に使用人たちは沈黙し、義兄の手先どもは後退るしかなかった。
わずか三日間で圧倒的なまでの格の違いを見せつけ、オレが王であるという共通認識を植え付けることに成功していた。
あっけない。実にあっけない!
一方、ルシア自身もまた、義兄やその取り巻きからの冷遇に何度も晒された。
だが、ルシアは乱れなかった。未来へのステップアップだと自らに言い聞かせ、生まれて初めて彼らに抗っていた。オレの手を借りず、自立した言葉を吐き出した。
「幼稚な真似はおやめなさい! 私は程度の低い嫌がらせに屈するほどやわではありません!」
そう口にしたルシアの瞳には、確かに“未来”が映っていた。
彼女は知っていたのだ。
自分には、もう“行く先”があるということを。
そして、その道を照らしてくれた王であるオレの姿が、少しずつ確かな支えになっていた。オレにはそんな確信があった!
オレとサラが出発する前日になると、湖畔の庭でルシアはオレに問いかけた。
「デイビッドさん……どうして、こんなにも何もかも見抜いてしまえるんですか?」
風が頬を撫でた。夜の湖面が、揺れる月を映していた。
オレは堂々と、そして少しだけ芝居がかった口調で答えた。
「簡単な話だ」
肩で風を受けるように振り向き、堂々と胸を張る。
「この世界には、強いだけでは届かぬ、知り得ぬ“痛み”がある。そして、痛みに気づかぬ者には、誰もついてこない。オレは気づく力を備えている。それだけだ」
事実だ。だからこそオレは王を名乗る。
「……痛み、ですか」
ルシアの目が大きく揺らいだのがわかった。
その目が表すのは、畏怖ではない。
そして、ただの感謝や尊敬ではない。
そこにあったのは、明らかな迷いと高鳴りの混在だった。
まるで自分でも気づいていないように、彼女はふと笑った。
心の奥からこぼれた、少女の笑顔だった。わずかなこぼれや片鱗などではない。完全なるルシアの本当の笑顔だった。
美しい。妖艶だ。見惚れてしまいそうなほど……綺麗だ。
オレは内心、愉快に笑いそうになるのを堪えた。
だが、ルシアのその笑顔はどこか戸惑いが混じっていた。おそらく彼女自身、感情の名をまだ把握できていないのだろう。
無理もない。
相手はハーレム目的で近づいてきたおかしな男だ。
だがそれでも、こんなふうに傷を知り、痛みを代わりに受け止め、未来を拓いてくれる人間をどうして、好きにならずにいられる?
だから、オレはわざとその話題を振った。
「もしもオレに惚れたのなら、君はもう正真正銘の王の女だ! その気持ちに嘘はなく、その事実に揺らぎはない! 以降もそれは同様だ!」
「これが人を好きになる、惚れたという感情なのでしょうか? ……私はずっと、誰かの顔色を窺う道具のように生きてきました。ほんの少し自由を求めることもありましたが、結局は公爵家の養女という立場に縛り付けられていました。でも、その時とはまるで違います。心臓が痛いんです……びっくりするくらいドキドキしていて、デイビッドさんの顔を見るだけでおかしくなりそうなんです!」
ルシアが小さく息を吸った。
そして、目を上げる。
その目に宿るのは、戸惑いでも、諦めでも、諦観でもない。明らかな情動の色だった。
「ふははははっ! 気持ちの昂りが収まったその時、改めてその言葉を吐けたのなら、君が持つその想いは真実だろう! オレはそれまで待っている! だから、またいつか助けが欲しい時はオレを呼べ! 王が全てを解決しよう!」
「……デイビッドさん、ありがとうございました……私は、私は、他の人に指図されない自分だけの未来を歩みます!」
頭を下げたルシアのラベンダー色のポニーテルが軽やかに揺れた。地面にはポタポタと涙がこぼれ落ちている。
やっと、感情をむき出しにできたようだ。素晴らしい! 綺麗な涙がよく似合う!
「それでいい! それこそが人生! 王は迷い人に道を指し示すために存在している! ふははははっ! 王とは、そういうものだろう?」
ルシアはもう、何も言わなかった。
ただ静かに——その夜、月の光を受けながら、オレの背中に視線を向けていた。
堕ちた心は、もう戻らない。
そしてそれは、悪いことではなかった。
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