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4章 論理と感情を合わせる方法 編
ハーレムキングは新たな道を切り開く
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イデアに残っていた“闇”は、すべて白日の下に曝された。
黒ずくめの組織ヴェス=アークは王の手によって殲滅され、その後、イデアの中央議会によって厳正に裁かれることとなった。
禁呪研究の痕跡も没収され、同時に、死者蘇生に関する魔法技術には新たな法的制限がかけられることとなる。
そして——セレナ・アル=リュグナス。
彼女は研究者としての功績こそ評価されたものの、禁忌に踏み込んだ責任は問われた。
その判決は、国外追放。
だが、王にとっては好都合だった。
「ふはははははっ! これで君は“自由の身”だ! 王の旅に同行することに何の障壁もない! むしろ王が拾ってやったことにしてやろう!」
「それって、保護じゃなくて……所有物みたい」
「違いはあるか? ヒロインは王の一部であり、王はヒロインの一部である!」
これがオレなりの理論である!
それはともかく、アレッタは正式な命令により、セイクリール神殿へ帰還することとなった。
短い間だったが、共に戦った記憶は色褪せることはない。
「ってわけで、あとはよろしく。王様、色々とありがとね」
「デレた?」
「デレてないから! 感謝を伝えただけだから!」
アレッタは剣を抜き払って威嚇してきたが、そんな姿すらも愛おしい! 全然本気ではなく剣がプルプル震えているところもな!
「ふはははははっ! 素直じゃないところも大好きだぞ! もう既に立派なハーレム構成員だ!」
「うぅっ! もう、帰る! サラ、セレナ、あんたらで王様のことを見張ってなさいよ!」
顔を真っ赤にして背を向けた。ハーレム構成員になることを否定はしなかった。
「わかってます。まあ……どうせ見張っていても無駄だと思いますけど……」
「ハーレムを作ったほうが男の魅力が磨かれるから効率的……違う?」
呆れ笑いを浮かべるサラと、髪を耳にかけて微笑むセレナ。禁呪の実験を通して少しの確執が生まれたかとほんの少し不安だったが、二人の関係は何ら問題なさそうだ。王として喜ばしい!
「……む? そういえば、ルシアを除くヒロインが揃い踏みではないか! 眼福ッ!」
右から順に、初期ヒロイン、騎士系もとい幼馴染系ヒロイン、頭脳系ヒロイン! あとは貴族系ヒロインのルシアがいれば完璧だったのだが……! 悔しい!
「ルシア……あーっ! あんた、そうだ思い出した! 大司祭のおっさんに変な手紙送ったでしょ! こっちが返信する前にルシアたちがやってきて後処理に手間取ったんだからね!」
アレッタはびしっと指をさしてきた。その表情は心底不満そうにしている。
オレは言われてから思い出した。そういえば、そんなこともあったな……。
「すまんすまん。だが、ルシアは優秀だったろう?」
「まあ……超優秀よ。それはそれとして、もうおかしな無茶振りはやめてよね? あんたと知り合いってだけでおっさんは全部あたしに丸投げしてくるんだから!」
「知り合いではなくハーレム構成員だ! 王の庇護下なのだから、知り合いという柔な絆では片付けられんぞ! ふはははははっ!」
とまあ、オレが一人で悦に浸っていると、アレッタはため息を吐きながら踵を返して立ち去った。
最後に見たその横顔は凛としていて美しかった!
こうして、彼女が振り返らずに手を振る姿を見届けたあと、オレたちもまた出発の準備を始めたのだった。
「今更ですけど、ヒロインって呼ばれるたびに恥ずかしくなりますよね。……王様のことだから、もう止めても無駄なんでしょうけど」
「……呼び方には意味がある。肩書きではなく、定義。キングはキングの価値観でわたしたちを見ている。……なら、それは喜び」
「セレナさんはポジティブですね……」
「わたしはキングを否定しない。理論では測れないとわかったから」
「ほう! つまりはオレのことを認めたということだな!」
「……そういうこと」
「セレナ、君ももうハーレム構成員の一員だろう! 違うか?」
「違わない」
「うむ……あとはルシアだけだな」
「ルシアさんは多分もう堕ちてますよ?」
「それは周知だ。しかし、ルシア自身の意志をまだ聞けていない。今度会う時は真っ先に聞かせてもらうぞ!」
ルシアは気持ちが昂った状態でオレへの想いを伝えてくれた。しかし、あの局面に立たされていた彼女は平常ではなかった。
王は真に相手が王を想うまで、曖昧な感情は認めない!
「では、王のハーレム構成員第一号・サラ! 第四号・セレナ! 第三号のアレッタはセイクリールへと帰還してしまったが、本日をもって、三人で再び新たな旅路を進もうではないか!」
「なんか番号ついてるのも妙に腹立つ!? けど、うん、行きましょう! なんか三人になったら気分が違って楽しいですね!」
「目的地は?」
セレナがこてっと首を傾げた。相変わらず表情のレパートリーは少ない気がするが、それでも口調や言動がわかりやすくなった。感情に素直に向き合ったことで、頭脳系ヒロインが更なる進化を遂げることは間違いない。
「目的地については、まだ決めていない! 旅とは、即興の詩のようなものだからな!」
「……非効率。でも、悪くない」
オレたちは並んで歩き出す。
晴れ渡る空。風は心地よく、太陽は希望のように眩しい。
これが“冒険の匂い”というやつだ!
王は歩く。
ヒロインと共に、笑いと涙と、ときどきハーレムを連れて!
そして、その旅路の果てに何が待ち受けていようとも、王の選ぶ道に、悔いはない!
「さあ行こう! 王の物語は、まだ序章にすぎんのだからな!!」
黒ずくめの組織ヴェス=アークは王の手によって殲滅され、その後、イデアの中央議会によって厳正に裁かれることとなった。
禁呪研究の痕跡も没収され、同時に、死者蘇生に関する魔法技術には新たな法的制限がかけられることとなる。
そして——セレナ・アル=リュグナス。
彼女は研究者としての功績こそ評価されたものの、禁忌に踏み込んだ責任は問われた。
その判決は、国外追放。
だが、王にとっては好都合だった。
「ふはははははっ! これで君は“自由の身”だ! 王の旅に同行することに何の障壁もない! むしろ王が拾ってやったことにしてやろう!」
「それって、保護じゃなくて……所有物みたい」
「違いはあるか? ヒロインは王の一部であり、王はヒロインの一部である!」
これがオレなりの理論である!
それはともかく、アレッタは正式な命令により、セイクリール神殿へ帰還することとなった。
短い間だったが、共に戦った記憶は色褪せることはない。
「ってわけで、あとはよろしく。王様、色々とありがとね」
「デレた?」
「デレてないから! 感謝を伝えただけだから!」
アレッタは剣を抜き払って威嚇してきたが、そんな姿すらも愛おしい! 全然本気ではなく剣がプルプル震えているところもな!
「ふはははははっ! 素直じゃないところも大好きだぞ! もう既に立派なハーレム構成員だ!」
「うぅっ! もう、帰る! サラ、セレナ、あんたらで王様のことを見張ってなさいよ!」
顔を真っ赤にして背を向けた。ハーレム構成員になることを否定はしなかった。
「わかってます。まあ……どうせ見張っていても無駄だと思いますけど……」
「ハーレムを作ったほうが男の魅力が磨かれるから効率的……違う?」
呆れ笑いを浮かべるサラと、髪を耳にかけて微笑むセレナ。禁呪の実験を通して少しの確執が生まれたかとほんの少し不安だったが、二人の関係は何ら問題なさそうだ。王として喜ばしい!
「……む? そういえば、ルシアを除くヒロインが揃い踏みではないか! 眼福ッ!」
右から順に、初期ヒロイン、騎士系もとい幼馴染系ヒロイン、頭脳系ヒロイン! あとは貴族系ヒロインのルシアがいれば完璧だったのだが……! 悔しい!
「ルシア……あーっ! あんた、そうだ思い出した! 大司祭のおっさんに変な手紙送ったでしょ! こっちが返信する前にルシアたちがやってきて後処理に手間取ったんだからね!」
アレッタはびしっと指をさしてきた。その表情は心底不満そうにしている。
オレは言われてから思い出した。そういえば、そんなこともあったな……。
「すまんすまん。だが、ルシアは優秀だったろう?」
「まあ……超優秀よ。それはそれとして、もうおかしな無茶振りはやめてよね? あんたと知り合いってだけでおっさんは全部あたしに丸投げしてくるんだから!」
「知り合いではなくハーレム構成員だ! 王の庇護下なのだから、知り合いという柔な絆では片付けられんぞ! ふはははははっ!」
とまあ、オレが一人で悦に浸っていると、アレッタはため息を吐きながら踵を返して立ち去った。
最後に見たその横顔は凛としていて美しかった!
こうして、彼女が振り返らずに手を振る姿を見届けたあと、オレたちもまた出発の準備を始めたのだった。
「今更ですけど、ヒロインって呼ばれるたびに恥ずかしくなりますよね。……王様のことだから、もう止めても無駄なんでしょうけど」
「……呼び方には意味がある。肩書きではなく、定義。キングはキングの価値観でわたしたちを見ている。……なら、それは喜び」
「セレナさんはポジティブですね……」
「わたしはキングを否定しない。理論では測れないとわかったから」
「ほう! つまりはオレのことを認めたということだな!」
「……そういうこと」
「セレナ、君ももうハーレム構成員の一員だろう! 違うか?」
「違わない」
「うむ……あとはルシアだけだな」
「ルシアさんは多分もう堕ちてますよ?」
「それは周知だ。しかし、ルシア自身の意志をまだ聞けていない。今度会う時は真っ先に聞かせてもらうぞ!」
ルシアは気持ちが昂った状態でオレへの想いを伝えてくれた。しかし、あの局面に立たされていた彼女は平常ではなかった。
王は真に相手が王を想うまで、曖昧な感情は認めない!
「では、王のハーレム構成員第一号・サラ! 第四号・セレナ! 第三号のアレッタはセイクリールへと帰還してしまったが、本日をもって、三人で再び新たな旅路を進もうではないか!」
「なんか番号ついてるのも妙に腹立つ!? けど、うん、行きましょう! なんか三人になったら気分が違って楽しいですね!」
「目的地は?」
セレナがこてっと首を傾げた。相変わらず表情のレパートリーは少ない気がするが、それでも口調や言動がわかりやすくなった。感情に素直に向き合ったことで、頭脳系ヒロインが更なる進化を遂げることは間違いない。
「目的地については、まだ決めていない! 旅とは、即興の詩のようなものだからな!」
「……非効率。でも、悪くない」
オレたちは並んで歩き出す。
晴れ渡る空。風は心地よく、太陽は希望のように眩しい。
これが“冒険の匂い”というやつだ!
王は歩く。
ヒロインと共に、笑いと涙と、ときどきハーレムを連れて!
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