11 / 26
歓迎会4
しおりを挟む
「えっと、少し近いよ」
「ちょっと酔ってしまって~。もう、フラフラなんですぅ。帰ろうと思うんですが、タクシー呼んで……」
上目遣いで柴田さんが浮田を見た。ポッテリとした唇をペロリペロリと舐めている。ふんわりとカールされた髪型は、男受けするという感じだろうか? 香水も不快を感じさせない塩梅で、優しく香っている。
「お、お水を貰ってこようか? 取り合えずそこに座って」
浮田は柴田さんを通路の端へと座らせようとするが、柴田はしがみ付いて離れようとしない。意外と力のある彼女に驚く。
柴田が意味ありげにニヤリと笑い、浮田の手を握ってその手を自分の胸の膨らみに移動させる。
「いや、だ……だからね、そういうのは……。あっ! お、お水もらってくるから」
「課長ぅ、もう酔ってフラフラなんですぅ。歩けないからぁ、タクシーまで連れていってくださぁい~。そしてそのまま、ウフフ」
「え? あぁぁぁ!」
柴田さんはハッキリいって浮田のタイプではなかった。こんなにアピールされても、下の息子はうんともすんとも言わない無反応。しかし女性に近寄ってこられると、ドッドッドッと動悸がしだす。息も荒くなってしまい、端から見たら興奮した変態に見えるのじゃないだろうかと浮田は考える。
「柴田さん! 気分が悪いなら私が看病をするわよ。水なら、あ、店員さん~! お水一杯ください。この人が気分が悪いみたいで!」
二人の前に西浦さんが現れ大きな声を出す。店員が直ぐに水を持って現れ、「この人、タクシーに載せるので手伝ってくれませんか?」と西浦さんが告げると、柴田さんはギョッとした顔をした。
「だ、大丈夫です。もう気分は良くなったので!」
吐き捨てるように言った柴田さんは、そそくさと宴会場へと戻っていった。
その場に残された浮田と西浦さんの間に暫く沈黙が流れる。するとその沈黙を破るように浮田が口を開く。
「西浦さん、ありがとう。本当に助かったよ……」
「襲われていたのですか?」
「いや、まあ……。少し……」
浮田は顔を真っ赤にして下を向く。女性を前にすると動悸がして、顔が赤くなってしまうのだが、それをどう説明すれば良いのか分からなく、モゴモゴと口を動かしてしまう。過去の悲惨な女性経験を説明すればいいのか、いや、それは初対面ではNGだ。それとも女王様なら「女性が苦手? それは好都合! 私だけの奴隷におなり!」と言ってくれるかもと、妄想を膨らましてしまう。
――駄目だ、だめだ! また勃ってしまう……!
「浮田課長……、もしかすると女性が苦手なんですか?」
西浦さんは仁王立ちで眼鏡をクイッと上に上げる。浮田が望んでいたそのシチュエーションは、今、目前で繰り広げられている。
「え……、うん、まあ……。苦手というか、緊張して……」
――うぅぅ、ご褒美! あ、駄目だ、た……勃つ!
浮田は自然と少し前屈みになる。すると西浦さんとの顔の距離が近づいた。彼女からは自然な石鹸の匂いがする。化粧も薄めで肌のきめが細かい。
――ああ、女王様。この美しい肌に触れても宜しいでしょうか?
浮田は無意識に手を伸ばしていく。そのとき……。
「浮田課長、お任せください! 私はアシスタントとして、課長(の貞操)をお守りいたします~! 初めては大切な人に取っておくものです」
西浦さんが興奮気味に伝えてくる。意味が分からない浮田は少し混乱した。
「え? えええ? あれ? まあ、うん……、お願いします?」
使命に何故だか燃えている西浦さんは「お任せを!」と声を上げる。浮田はまだ頭に「?」が残っているが、西浦の自信に満ちた表情が下半身に刺さり、更に前屈みをすることとなった。
「ちょっと酔ってしまって~。もう、フラフラなんですぅ。帰ろうと思うんですが、タクシー呼んで……」
上目遣いで柴田さんが浮田を見た。ポッテリとした唇をペロリペロリと舐めている。ふんわりとカールされた髪型は、男受けするという感じだろうか? 香水も不快を感じさせない塩梅で、優しく香っている。
「お、お水を貰ってこようか? 取り合えずそこに座って」
浮田は柴田さんを通路の端へと座らせようとするが、柴田はしがみ付いて離れようとしない。意外と力のある彼女に驚く。
柴田が意味ありげにニヤリと笑い、浮田の手を握ってその手を自分の胸の膨らみに移動させる。
「いや、だ……だからね、そういうのは……。あっ! お、お水もらってくるから」
「課長ぅ、もう酔ってフラフラなんですぅ。歩けないからぁ、タクシーまで連れていってくださぁい~。そしてそのまま、ウフフ」
「え? あぁぁぁ!」
柴田さんはハッキリいって浮田のタイプではなかった。こんなにアピールされても、下の息子はうんともすんとも言わない無反応。しかし女性に近寄ってこられると、ドッドッドッと動悸がしだす。息も荒くなってしまい、端から見たら興奮した変態に見えるのじゃないだろうかと浮田は考える。
「柴田さん! 気分が悪いなら私が看病をするわよ。水なら、あ、店員さん~! お水一杯ください。この人が気分が悪いみたいで!」
二人の前に西浦さんが現れ大きな声を出す。店員が直ぐに水を持って現れ、「この人、タクシーに載せるので手伝ってくれませんか?」と西浦さんが告げると、柴田さんはギョッとした顔をした。
「だ、大丈夫です。もう気分は良くなったので!」
吐き捨てるように言った柴田さんは、そそくさと宴会場へと戻っていった。
その場に残された浮田と西浦さんの間に暫く沈黙が流れる。するとその沈黙を破るように浮田が口を開く。
「西浦さん、ありがとう。本当に助かったよ……」
「襲われていたのですか?」
「いや、まあ……。少し……」
浮田は顔を真っ赤にして下を向く。女性を前にすると動悸がして、顔が赤くなってしまうのだが、それをどう説明すれば良いのか分からなく、モゴモゴと口を動かしてしまう。過去の悲惨な女性経験を説明すればいいのか、いや、それは初対面ではNGだ。それとも女王様なら「女性が苦手? それは好都合! 私だけの奴隷におなり!」と言ってくれるかもと、妄想を膨らましてしまう。
――駄目だ、だめだ! また勃ってしまう……!
「浮田課長……、もしかすると女性が苦手なんですか?」
西浦さんは仁王立ちで眼鏡をクイッと上に上げる。浮田が望んでいたそのシチュエーションは、今、目前で繰り広げられている。
「え……、うん、まあ……。苦手というか、緊張して……」
――うぅぅ、ご褒美! あ、駄目だ、た……勃つ!
浮田は自然と少し前屈みになる。すると西浦さんとの顔の距離が近づいた。彼女からは自然な石鹸の匂いがする。化粧も薄めで肌のきめが細かい。
――ああ、女王様。この美しい肌に触れても宜しいでしょうか?
浮田は無意識に手を伸ばしていく。そのとき……。
「浮田課長、お任せください! 私はアシスタントとして、課長(の貞操)をお守りいたします~! 初めては大切な人に取っておくものです」
西浦さんが興奮気味に伝えてくる。意味が分からない浮田は少し混乱した。
「え? えええ? あれ? まあ、うん……、お願いします?」
使命に何故だか燃えている西浦さんは「お任せを!」と声を上げる。浮田はまだ頭に「?」が残っているが、西浦の自信に満ちた表情が下半身に刺さり、更に前屈みをすることとなった。
10
あなたにおすすめの小説
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
*全28話完結
*辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
*他誌にも掲載中です。
腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~
有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。
ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。
そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。
彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。
「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる