私がガチなのは内緒である

ありきた

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4章 高校最初の夏休み

1話 おそろいのベビードール

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 いよいよ今日から夏休み!
 同棲を始めてから初の長期休暇、いろいろと期待せずにはいられない。
 昨日は終業式の後にショッピングモールへ寄り、夏用のパジャマとしてワンピースタイプの白いベビードールを購入した。
 二人ともテンションが上がってしまい、シースルーかつ胸元が大きく開いた大胆なデザインを選んでしまった。
 家に帰って袋から出したときに二人そろって赤面してしまったけど、反省も後悔もしていない。

***

「萌恵ちゃん、おはよう」

 先に起床した特権として、隣で眠る最愛の恋人にキスをする。
 ちゅっと軽く頬に口付けすると、萌恵ちゃんはうっすらと目を開けて緩く微笑んでくれた。

「まにゃ、おはよ~」

 まだ完全には目が覚めていない。むしろほとんど眠っている状態に近い。

「寝ぼけてる萌恵ちゃんもかわいいっ。ちゅっ」

 露出した肩に手を添えてそっと抱き寄せ、今度は唇同士のキスをする。
 今日は平日だけど、朝から時間を気にせず布団の中でイチャイチャできる。これぞ夏休みの醍醐味。
 しばらくキスを続けていると、次第に萌恵ちゃんの意識がハッキリとしてきた。

「んふふっ。真菜ってば、朝から激しいよ~」

 互いの唇を結ぶ唾液の糸が切れ、雫となったそれを萌恵ちゃんがペロッと舐め取る。
 明るい声音や陽気な笑顔と比べ、舌の動きはこの上なく色っぽい。このギャップが、私の興奮をさらに強めた。

「萌恵ちゃんが嫌って言うまで、ひたすらキスしちゃおうかな」

 冗談半分でそんなことを言うと――

「ということは、夏休みが終わっても止められないね!」

 萌恵ちゃんはニコッと笑いながら、楽しそうに告げた。
 確かに、と私も笑顔で返す。
 夏休み初日の早朝。私と萌恵ちゃんには、二度寝するという選択肢なんて存在しない。
 開け放たれた窓から入ったそよ風がカーテンを揺らし、真夏の日差しが室温を上げる中、私たちは汗をかくのも気にせず、熱い抱擁を交わしながら唇を重ねるのだった。
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