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番外編
番外編 百合の日の私たち
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今日は6月25日。百合の日と呼ばれていて、私たちが通う学校の創立記念日でもある。
「萌恵ちゃん、今日はたくさんイチャイチャしようねっ」
「んふふっ、もちろんだよ~!」
常日頃から仲睦まじく暮らしているけど、百合の日にあやかるのもまた一興。
率直に言えば、朝から晩までイチャイチャしたい!
現在時刻は午前八時。今日という日はまだまだ始まったばかりだ。
そして朝食。対面ではなく隣に座り、口の中の物を同じタイミングで飲み込んだらキスをするというルールで食べ進める。
実家だったら行儀が悪いと怒られるかもしれないけど、この家にいるのは私と萌恵ちゃんだけ。文句を言われる心配は無用だ。
「ちゅっ」
食器を置いて顔を見合わせ、二人の唇が重なる。
おはようのキスも含めれば、本日九度目のキス。
食事中ということもあって短めに済ませるけど、間にキスを挟むことで、萌恵ちゃん特製のご飯がさらにおいしく感じる。ただでさえ世界一おいしいのだから、これ以上の美食は存在しない。
私好みの甘い玉子焼きを口に運び、よく味わってから飲み込む。
すると、再び萌恵ちゃんと嚥下のタイミングが重なった。
「んむっ」
今度はさっきよりも少し大人のキス。
お互いに相手の口腔に舌を入れ、これも食事の一環であるかのように味覚と触覚を働かせる。
「萌恵ちゃん、あーん」
「あ~ん」
炊き込みご飯を一口分、萌恵ちゃんの口に運ぶ。
萌恵ちゃんはパクッと食べつつ、私にも同じことをしてくれた。
間髪入れずにお返ししてくれた意味が分からないほど、私は鈍感ではない。
おこげの香ばしさと具材の旨味を存分に堪能し、萌恵ちゃんとタイミングを合わせて飲み込む。
もはや主旨が変わっている気もするけど、細かいことは気にしない。
「んっ」
私たちは再び口付けを交わす。
萌恵ちゃんお手製のご飯に舌鼓を打ちつつ萌恵ちゃんとのキスを楽しめるなんて、最高の贅沢だ。
今日は私も食器洗いを手伝い、萌恵ちゃんには洗濯を手伝ってもらうことにした。
少しでも一緒にいられる時間を増やすため――というより、可能な限り離れ離れになる時間を減らすために。
トイレの中まではさすがに入れないけど、それ以外はずっと一緒。移動中は恋人つなぎで手を握り、隙があれば密着する。
昼食にも朝と同じルールが適用され、食後のデザートを食べる頃にはキスの回数が百回に届こうとしていた。
昼過ぎになるとさすがに蒸し暑く、常に密着していることもあって二人とも全身にじっとりと汗をかいてしまう。
とはいえ、それぐらいで距離を取るわけがない。
制汗シートを取り出して二人とも下着姿になり、お互いに相手の体を隅々まで念入りに拭く。
背中を拭いているときに不意打ちで首筋にキスをすると、萌恵ちゃんが「ひぁんっ」とかわいらしい嬌声を上げた。
仕返しとばかりに押し倒されて顔中にキスされたので、私も負けじと萌恵ちゃんを抱き寄せて濃厚な口付けを強行する。
始まったばかりだと思っていた一日も、残る時間は決して長くない。
布団に入り、後は眠りに就くだけだ。
入浴時に洗いっこしたり湯船の中で触り合ったりしたのを思い出し、興奮のあまり眠気が覚める。
「萌恵ちゃん、どうしよう。ムラムラしすぎて眠れない」
事実とはいえ、いくらなんでも正直に言いすぎただろうか。
萌恵ちゃんを困らせてしまったかもしれないと思って隣を見ると、同じくこちらに顔を向けた萌恵ちゃんと視線が重なる。
「んふふっ、実はあたしも。明日は学校だけど、我慢は体によくないよね~」
二人の意見が一致した以上、もはや悩む余地はない。
もう間もなく日付は変わってしまうけど、陽が昇るまでは百合の日ということで。
今日一番の濃厚なキスを合図に、愛の営みが始まるのだった。
「萌恵ちゃん、今日はたくさんイチャイチャしようねっ」
「んふふっ、もちろんだよ~!」
常日頃から仲睦まじく暮らしているけど、百合の日にあやかるのもまた一興。
率直に言えば、朝から晩までイチャイチャしたい!
現在時刻は午前八時。今日という日はまだまだ始まったばかりだ。
そして朝食。対面ではなく隣に座り、口の中の物を同じタイミングで飲み込んだらキスをするというルールで食べ進める。
実家だったら行儀が悪いと怒られるかもしれないけど、この家にいるのは私と萌恵ちゃんだけ。文句を言われる心配は無用だ。
「ちゅっ」
食器を置いて顔を見合わせ、二人の唇が重なる。
おはようのキスも含めれば、本日九度目のキス。
食事中ということもあって短めに済ませるけど、間にキスを挟むことで、萌恵ちゃん特製のご飯がさらにおいしく感じる。ただでさえ世界一おいしいのだから、これ以上の美食は存在しない。
私好みの甘い玉子焼きを口に運び、よく味わってから飲み込む。
すると、再び萌恵ちゃんと嚥下のタイミングが重なった。
「んむっ」
今度はさっきよりも少し大人のキス。
お互いに相手の口腔に舌を入れ、これも食事の一環であるかのように味覚と触覚を働かせる。
「萌恵ちゃん、あーん」
「あ~ん」
炊き込みご飯を一口分、萌恵ちゃんの口に運ぶ。
萌恵ちゃんはパクッと食べつつ、私にも同じことをしてくれた。
間髪入れずにお返ししてくれた意味が分からないほど、私は鈍感ではない。
おこげの香ばしさと具材の旨味を存分に堪能し、萌恵ちゃんとタイミングを合わせて飲み込む。
もはや主旨が変わっている気もするけど、細かいことは気にしない。
「んっ」
私たちは再び口付けを交わす。
萌恵ちゃんお手製のご飯に舌鼓を打ちつつ萌恵ちゃんとのキスを楽しめるなんて、最高の贅沢だ。
今日は私も食器洗いを手伝い、萌恵ちゃんには洗濯を手伝ってもらうことにした。
少しでも一緒にいられる時間を増やすため――というより、可能な限り離れ離れになる時間を減らすために。
トイレの中まではさすがに入れないけど、それ以外はずっと一緒。移動中は恋人つなぎで手を握り、隙があれば密着する。
昼食にも朝と同じルールが適用され、食後のデザートを食べる頃にはキスの回数が百回に届こうとしていた。
昼過ぎになるとさすがに蒸し暑く、常に密着していることもあって二人とも全身にじっとりと汗をかいてしまう。
とはいえ、それぐらいで距離を取るわけがない。
制汗シートを取り出して二人とも下着姿になり、お互いに相手の体を隅々まで念入りに拭く。
背中を拭いているときに不意打ちで首筋にキスをすると、萌恵ちゃんが「ひぁんっ」とかわいらしい嬌声を上げた。
仕返しとばかりに押し倒されて顔中にキスされたので、私も負けじと萌恵ちゃんを抱き寄せて濃厚な口付けを強行する。
始まったばかりだと思っていた一日も、残る時間は決して長くない。
布団に入り、後は眠りに就くだけだ。
入浴時に洗いっこしたり湯船の中で触り合ったりしたのを思い出し、興奮のあまり眠気が覚める。
「萌恵ちゃん、どうしよう。ムラムラしすぎて眠れない」
事実とはいえ、いくらなんでも正直に言いすぎただろうか。
萌恵ちゃんを困らせてしまったかもしれないと思って隣を見ると、同じくこちらに顔を向けた萌恵ちゃんと視線が重なる。
「んふふっ、実はあたしも。明日は学校だけど、我慢は体によくないよね~」
二人の意見が一致した以上、もはや悩む余地はない。
もう間もなく日付は変わってしまうけど、陽が昇るまでは百合の日ということで。
今日一番の濃厚なキスを合図に、愛の営みが始まるのだった。
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