20 / 169
第1章
第20話《義弟になるかもしれない男》
しおりを挟む
いや流石に見間違いだよな?寝てないから目がかすんでいたのかも…。
だってあいつの歴代の彼氏は皆イケメンのαだったし、好きなアイドルも鷲田タクトという王子系の正統派イケメンだ。目の前にいる彼は断じて妹のタイプではない。
「いや、重ね重ね申し訳ない!!俺は相田長介!20歳βだ!」
数分後、電話を終えたらしい彼がまた無許可で俺の隣にドカッと座る。
「…あの、うちの妹、霧下つばめって言うんだけど…もしかして君達付き合ってるの…?」
違うとは思うけど、念のために聞いてみる。
(どうか、否定してくれ…。)
だが、無慈悲にも彼は最悪のワードで肯定してきた。
「なんと!義兄さんでしたか!!妹さんを俺にください!!」
「あっ、はい…」
完璧なお辞儀で頭を下げてくる丸坊主でサングラスな全身ヒョウ柄服の何もかもがデカい男…。
これが俺の義弟になるかもってこと…?
「いやぁ、先程は義兄さんとは知らず、失礼しました!!実は俺、明日のミスターコンに出場するんですが、片っ端から男性Ωに花嫁役を頼んでまわるも全滅で!それでちょうどいい所に義兄さんがいらっしゃったんですよ!」
色々と情報量が多い。話の全部が気になる…。
とりあえず一つ一つ気になるところから聞いていこう。
「聞きたい事は色々あるけど…まず、君ミスターコンの出場者なんだ?」
「はい!サイトに載ってますよ!ほら!」
信じられない気持ちでいる俺に相田くんはヒョウ柄カバーのスマホを取り出し、俺にミスターコン出場者の一覧を見せつける。
「ほんとだ…。自分で立候補したの?」
「はい!実は俺、妹さんに条件を出されたんです!『私、今まで男運が悪すぎて周りに心配をかけちゃって、兄達を心から安心させたい。だからいつか結婚するなら何らかの形で信頼できる男だって示してほしい。』って!」
あの彼氏以外眼中に無い妹が、そこまで俺たちの事も考えてるなんて予想外だ…。
「それがミスターコン優勝ってこと?」
「そうっす!ミスターコンで優勝すれば就職でも有利になるし、こんな俺でも妹さんのためにここまで頑張れるってところを見せたいっす。」
確かに昔、妹がαにヤリ捨てされた時は兄だけじゃなく俺も心配した。
毎日のように部屋に籠ってすすり泣く妹の姿に、兄はちょっとしたトラウマになっていた。
それからというもの、妹が選ぶ彼氏はいつも性格がヤバい奴ばかりで、そこに中身はともかく見た目がヤバすぎる相田くんを今の彼氏として紹介されたら、兄はひっくり返るだろう。
(でもそんな妹や俺たちのために、ミスターコンという大きい大会に挑戦する事で覚悟を示そうとする相田君は相当良い奴なんじゃないか…?)
多分妹も兄を文化祭に誘ったのはコンテストを通して相田くんの人となりを見せたかったからなんだろう。
それはそれとして鷲田タクト君のことは大はしゃぎで見に行くだろうけど。
「でもなんで一次審査の相手男性Ω限定で声かけてるの?別に女性でもいいんじゃない?」
「あ!俺、妹さんに私以外の女と密着したら殺すって釘刺されてるんで!!」
「…そっか…。それは大変だね…。」
(コンテストには優勝してほしいけど、それはそれなんだな…。)
つばめは彼氏に一途だが、その分束縛癖が激しい所があるからな。
「でも俺流石にドレスは着たくないな…。一応男だし…。」
「そんなぁ!あ!じゃあ俺紋付き袴で行くんで、義兄さんは白無垢で行きましょう!!」
審査内容『タキシード』なのに…??本当に優勝する気ある…?
いや、待てよ。こういう奴は女性には振り向かれなくても、同性受けは絶対いいよな。
文化祭なんだからお祭り気分でなんとなくコンテストを見に来る男性客も多いはずだ。
丸坊主でひげ面でガタイが良くて元気溌剌、気も良さそうで気取らない破天荒な性格。
さらにミスターコンで唯一のβだというところもやり方によっては逆転優勝への一抹の可能性を感じる。
世界のバース性の割合は9割以上がβ性だ。
ただ、スペック的にどうしてもこういう大会で優勝したりするのはα。
どこのコンテストでも、βが活躍することはない。
そこをなんとなく面白くないと思っているβ男性の客の心理を利用できないか…?
だってあいつの歴代の彼氏は皆イケメンのαだったし、好きなアイドルも鷲田タクトという王子系の正統派イケメンだ。目の前にいる彼は断じて妹のタイプではない。
「いや、重ね重ね申し訳ない!!俺は相田長介!20歳βだ!」
数分後、電話を終えたらしい彼がまた無許可で俺の隣にドカッと座る。
「…あの、うちの妹、霧下つばめって言うんだけど…もしかして君達付き合ってるの…?」
違うとは思うけど、念のために聞いてみる。
(どうか、否定してくれ…。)
だが、無慈悲にも彼は最悪のワードで肯定してきた。
「なんと!義兄さんでしたか!!妹さんを俺にください!!」
「あっ、はい…」
完璧なお辞儀で頭を下げてくる丸坊主でサングラスな全身ヒョウ柄服の何もかもがデカい男…。
これが俺の義弟になるかもってこと…?
「いやぁ、先程は義兄さんとは知らず、失礼しました!!実は俺、明日のミスターコンに出場するんですが、片っ端から男性Ωに花嫁役を頼んでまわるも全滅で!それでちょうどいい所に義兄さんがいらっしゃったんですよ!」
色々と情報量が多い。話の全部が気になる…。
とりあえず一つ一つ気になるところから聞いていこう。
「聞きたい事は色々あるけど…まず、君ミスターコンの出場者なんだ?」
「はい!サイトに載ってますよ!ほら!」
信じられない気持ちでいる俺に相田くんはヒョウ柄カバーのスマホを取り出し、俺にミスターコン出場者の一覧を見せつける。
「ほんとだ…。自分で立候補したの?」
「はい!実は俺、妹さんに条件を出されたんです!『私、今まで男運が悪すぎて周りに心配をかけちゃって、兄達を心から安心させたい。だからいつか結婚するなら何らかの形で信頼できる男だって示してほしい。』って!」
あの彼氏以外眼中に無い妹が、そこまで俺たちの事も考えてるなんて予想外だ…。
「それがミスターコン優勝ってこと?」
「そうっす!ミスターコンで優勝すれば就職でも有利になるし、こんな俺でも妹さんのためにここまで頑張れるってところを見せたいっす。」
確かに昔、妹がαにヤリ捨てされた時は兄だけじゃなく俺も心配した。
毎日のように部屋に籠ってすすり泣く妹の姿に、兄はちょっとしたトラウマになっていた。
それからというもの、妹が選ぶ彼氏はいつも性格がヤバい奴ばかりで、そこに中身はともかく見た目がヤバすぎる相田くんを今の彼氏として紹介されたら、兄はひっくり返るだろう。
(でもそんな妹や俺たちのために、ミスターコンという大きい大会に挑戦する事で覚悟を示そうとする相田君は相当良い奴なんじゃないか…?)
多分妹も兄を文化祭に誘ったのはコンテストを通して相田くんの人となりを見せたかったからなんだろう。
それはそれとして鷲田タクト君のことは大はしゃぎで見に行くだろうけど。
「でもなんで一次審査の相手男性Ω限定で声かけてるの?別に女性でもいいんじゃない?」
「あ!俺、妹さんに私以外の女と密着したら殺すって釘刺されてるんで!!」
「…そっか…。それは大変だね…。」
(コンテストには優勝してほしいけど、それはそれなんだな…。)
つばめは彼氏に一途だが、その分束縛癖が激しい所があるからな。
「でも俺流石にドレスは着たくないな…。一応男だし…。」
「そんなぁ!あ!じゃあ俺紋付き袴で行くんで、義兄さんは白無垢で行きましょう!!」
審査内容『タキシード』なのに…??本当に優勝する気ある…?
いや、待てよ。こういう奴は女性には振り向かれなくても、同性受けは絶対いいよな。
文化祭なんだからお祭り気分でなんとなくコンテストを見に来る男性客も多いはずだ。
丸坊主でひげ面でガタイが良くて元気溌剌、気も良さそうで気取らない破天荒な性格。
さらにミスターコンで唯一のβだというところもやり方によっては逆転優勝への一抹の可能性を感じる。
世界のバース性の割合は9割以上がβ性だ。
ただ、スペック的にどうしてもこういう大会で優勝したりするのはα。
どこのコンテストでも、βが活躍することはない。
そこをなんとなく面白くないと思っているβ男性の客の心理を利用できないか…?
1,503
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する
子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき
「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。
そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。
背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。
結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。
「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」
誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。
叶わない恋だってわかってる。
それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。
君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
【完結】留学先から戻って来た婚約者に存在を忘れられていました
山葵
恋愛
国王陛下の命により帝国に留学していた王太子に付いて行っていた婚約者のレイモンド様が帰国された。
王家主催で王太子達の帰国パーティーが執り行われる事が決まる。
レイモンド様の婚約者の私も勿論、従兄にエスコートされ出席させて頂きますわ。
3年ぶりに見るレイモンド様は、幼さもすっかり消え、美丈夫になっておりました。
将来の宰相の座も約束されており、婚約者の私も鼻高々ですわ!
「レイモンド様、お帰りなさいませ。留学中は、1度もお戻りにならず、便りも来ずで心配しておりましたのよ。元気そうで何よりで御座います」
ん?誰だっけ?みたいな顔をレイモンド様がされている?
婚約し顔を合わせでしか会っていませんけれど、まさか私を忘れているとかでは無いですよね!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる