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知って、より前へ
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しおりを挟む芦達先生が肩を落としていると。
「兄は何も悪くありません。
全ては私のために……。
全て私が悪いんです」
恐る恐る、栗原さんはそう言った。
そのため声が小さく震えていた。
それから、そのままの状態で栗原さんは話を続ける。
まずは私と隼理くんのことを学校中に広めたこと。
ある休日に学校外で私と隼理くんが会っているところを見てしまった栗原さんは何かで叩きつけられたようなショックを受けた。
隼理くんが女の子と会っているのは辛い。
そんな現実を受け止めたくない。
だから。
栗原さんは行動に出た。
まずは学校へ校長先生宛てに匿名で手紙を送る。
内容は【飛鷹先生と三年生で軽音楽部の神城夕鶴さんが恋人関係にあります。
ご対応をお願いいたします】と。
そして生徒たちには。
みんなが登校してくる前の誰もいない各クラスの教室の誰かの机にメモ用紙を置いた。
内容は【飛鷹先生と三年生で軽音楽部の神城さんは付き合っている】と。
そのことを学校中に広めれば。
私と隼理くんは別れる。
栗原さんはそう思った、と。
私と隼理くんが学校外で会っているところを見かけてから、すぐに行動に出なかったのは。
本当にこんなことをしてもいいのか。
そんな気持ちもあったから。
ものすごく葛藤した。
けれど、やっぱり私と隼理くんには別れてほしい。
その気持ちの方が勝った。
だから実行してしまった。
栗原さんが私のことを知っていたのは。
栗原さんが言うには『神城さんは軽音楽部の絶対的エース。
だから前から知っていた』と。
『絶対的エース』
本当はそんなこと全くないのに栗原さんはそう言ってくれた。
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