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第十三話 魔族に質問してみた
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第十三話 魔族に質問してみた
大声で答えた。デーモン・チーフが。
「言ってみろ! 答えられる質問なら、答えてやろう」
そこで、質問してみた。
「なぜ魔族は、人間の国を侵略するのか? その理由を答えよ!」
激昂した。その瞬間に。デーモン・チーフが。
「あたりまえだろ!」
「なにが、あたりまえなのか?」
「おまえら人間が、なにをしたか分かってるのか?」
「なにをしたのか?」
「おまえら人間どもは、山を荒らし、川を汚し、森を殺し、大地を穢した! それに対する懲罰だ!」
「南方山岳地帯の鉱山開発のことか?」
「そうだ! きまってるだろ!」
南方山岳地帯には、金山、銀山、銅山などがあり、鉱物資源の宝庫だ。
北方山岳地帯にも鉱山はあるが、鉄鉱石などのベース・メタルが多い。金山もあるにはあるが、産出量では、南方山岳地帯が圧倒的だ。
つまり、中央王国の金貨、銀貨、銅貨の大半は、南方山岳地帯から産出される金銀銅が原料だ。
鉱山開発の際に、鉱毒を川に垂れ流しているのだろう。
まるで、明治時代の足尾鉱毒事件のようだ。
それにより、川が汚染され、森林が荒廃する。汚染された川の水により、畑の作物も汚染される。
かつての南方帝国の主食は、小麦と米だったようだ。
現在でも水田稲作をしていれば、稲も鉱毒により枯れてしまう。
魔王軍の侵攻は、人間による環境破壊が原因か。
ちなみに、足尾鉱毒事件の解決方法は、技術的には簡単だ。
鉱毒で汚染された水を、川に垂れ流さずに、途中に造った遊水池に流せば良い。
鉱毒は水よりも重いので、遊水池の底に沈む。
遊水池を設ければ、鉱毒が除去された、きれいな水だけが川に流れ込む。
江戸時代には、鉱毒事件は起こらなかった。
明治時代になって突然、鉱毒事件が起きた。
理由は、簡単だ。
江戸幕府は本百姓主義のため、年貢負担者の農民を大切にしていた。
だから、鉱毒事件など、起こさせなかった。
一方、明治政府は、農民に冷たかった。癒着している財閥の利益を優先した。
財閥としては、公害対策費用よりも、政治家への利益供与のほうが、安くついた。
だから、鉱毒事件が発生した。
そのときだった。毒薔薇姫が口を挟んだ。大声で。
「取引しましょう!」
「取引だと?」
デーモン・チーフのその声は、少し驚いたようだった。
毒薔薇姫が、言葉を続けた。
「ええ、そうよ。わたくしは、なにも悪いことをしていないけれど、人間が魔族に悪いことをしたというのならば、慰謝料を払いましょう」
「慰謝料って、なんだ?」
「慰謝料として、金貨、百枚を払うわ! そのかわり、もう帰ってちょうだい!」
中央王国の小金貨は十二金、つまり純度五十%ほどだ。一枚あたり、日本円で十万円くらいの価値だ。百枚ならば、日本円で一千万円ほどだ。
大金貨は純度がほぼ百%に近く、日本円で一枚百万円ほどの価値だ。百枚なら一億円だ。
「金貨だと!」
デーモン・チーフが激昂した。
「ふざけるな! おまえら人間どもの金銀への欲望によって、我々の大地が穢されているというのに!」
毒薔薇姫も大声で反論した。
「なに言ってるか分からないわ! お金があれば、なんでも買えるのよ! あなたには、欲しいものが、ないの?」
「欲しいものは、すべて、母なる大地と偉大なる川、それに神聖なる森が、与えてくれる。それなのに、おまえら人間どもは、われらの森を殺し、大地を穢しているのだ!」
「わたくしは、なにも悪いことをしていないわ! それなのに、あなたはなぜ、そんなに怒っているの?」
「おまえの持っている金貨のせいで、山が破壊され、われらの大地が穢されているからだ!」
「なんのことか、さっぱり分からないわ!」
「もう、いい! おまえ、ぶっ殺す!」
そう言うやいなや、デーモン・チーフがファイアー・ボールを投げつけてきた。
バレーボールくらいの大きさのファイアー・ボールを。
毒薔薇姫に向かって。
彼女は交渉に夢中になっていたせいか、無意識のうちに前進し、すでにトッキロのすぐ隣にまで移動していた。
悲鳴をあげた。毒薔薇姫が。ファイアー・ボールが間近に迫って。
大声で答えた。デーモン・チーフが。
「言ってみろ! 答えられる質問なら、答えてやろう」
そこで、質問してみた。
「なぜ魔族は、人間の国を侵略するのか? その理由を答えよ!」
激昂した。その瞬間に。デーモン・チーフが。
「あたりまえだろ!」
「なにが、あたりまえなのか?」
「おまえら人間が、なにをしたか分かってるのか?」
「なにをしたのか?」
「おまえら人間どもは、山を荒らし、川を汚し、森を殺し、大地を穢した! それに対する懲罰だ!」
「南方山岳地帯の鉱山開発のことか?」
「そうだ! きまってるだろ!」
南方山岳地帯には、金山、銀山、銅山などがあり、鉱物資源の宝庫だ。
北方山岳地帯にも鉱山はあるが、鉄鉱石などのベース・メタルが多い。金山もあるにはあるが、産出量では、南方山岳地帯が圧倒的だ。
つまり、中央王国の金貨、銀貨、銅貨の大半は、南方山岳地帯から産出される金銀銅が原料だ。
鉱山開発の際に、鉱毒を川に垂れ流しているのだろう。
まるで、明治時代の足尾鉱毒事件のようだ。
それにより、川が汚染され、森林が荒廃する。汚染された川の水により、畑の作物も汚染される。
かつての南方帝国の主食は、小麦と米だったようだ。
現在でも水田稲作をしていれば、稲も鉱毒により枯れてしまう。
魔王軍の侵攻は、人間による環境破壊が原因か。
ちなみに、足尾鉱毒事件の解決方法は、技術的には簡単だ。
鉱毒で汚染された水を、川に垂れ流さずに、途中に造った遊水池に流せば良い。
鉱毒は水よりも重いので、遊水池の底に沈む。
遊水池を設ければ、鉱毒が除去された、きれいな水だけが川に流れ込む。
江戸時代には、鉱毒事件は起こらなかった。
明治時代になって突然、鉱毒事件が起きた。
理由は、簡単だ。
江戸幕府は本百姓主義のため、年貢負担者の農民を大切にしていた。
だから、鉱毒事件など、起こさせなかった。
一方、明治政府は、農民に冷たかった。癒着している財閥の利益を優先した。
財閥としては、公害対策費用よりも、政治家への利益供与のほうが、安くついた。
だから、鉱毒事件が発生した。
そのときだった。毒薔薇姫が口を挟んだ。大声で。
「取引しましょう!」
「取引だと?」
デーモン・チーフのその声は、少し驚いたようだった。
毒薔薇姫が、言葉を続けた。
「ええ、そうよ。わたくしは、なにも悪いことをしていないけれど、人間が魔族に悪いことをしたというのならば、慰謝料を払いましょう」
「慰謝料って、なんだ?」
「慰謝料として、金貨、百枚を払うわ! そのかわり、もう帰ってちょうだい!」
中央王国の小金貨は十二金、つまり純度五十%ほどだ。一枚あたり、日本円で十万円くらいの価値だ。百枚ならば、日本円で一千万円ほどだ。
大金貨は純度がほぼ百%に近く、日本円で一枚百万円ほどの価値だ。百枚なら一億円だ。
「金貨だと!」
デーモン・チーフが激昂した。
「ふざけるな! おまえら人間どもの金銀への欲望によって、我々の大地が穢されているというのに!」
毒薔薇姫も大声で反論した。
「なに言ってるか分からないわ! お金があれば、なんでも買えるのよ! あなたには、欲しいものが、ないの?」
「欲しいものは、すべて、母なる大地と偉大なる川、それに神聖なる森が、与えてくれる。それなのに、おまえら人間どもは、われらの森を殺し、大地を穢しているのだ!」
「わたくしは、なにも悪いことをしていないわ! それなのに、あなたはなぜ、そんなに怒っているの?」
「おまえの持っている金貨のせいで、山が破壊され、われらの大地が穢されているからだ!」
「なんのことか、さっぱり分からないわ!」
「もう、いい! おまえ、ぶっ殺す!」
そう言うやいなや、デーモン・チーフがファイアー・ボールを投げつけてきた。
バレーボールくらいの大きさのファイアー・ボールを。
毒薔薇姫に向かって。
彼女は交渉に夢中になっていたせいか、無意識のうちに前進し、すでにトッキロのすぐ隣にまで移動していた。
悲鳴をあげた。毒薔薇姫が。ファイアー・ボールが間近に迫って。
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