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第3章第五話 勇者の魂は死なず
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第3章第五話 勇者の魂は死なず
叫んだ。雷姫が。
「千人隊長!」
すぐに立ち上がり、駆け寄った。雷姫が。倒れたアサレウスに。
炎姫が叫んだ。
「ヒーラー! 早く治癒を!」
北校の女生徒五名が、すぐに駆け寄った。アサレウスに。
声を絞り出した。アサレウスが。
「ワシのことは、いい。それより、戦え。諦めるな、絶対に。人間の自由と未来のために……」
そこで、力を失った。アサレウスの身体が。
絶叫した。雷姫が。
「千人隊長!」
兵士たちも、泣き叫んだ。アサレウスの名を呼んで。持ち場からは、離れなかったが。
動揺が、広がった。兵士たちに。小声で、ささやきあう声が聞こえた。絶望の言葉を。打ちひしがれ、うなだれて。
「もうだめだ」
「もう無理だ」
「勝てっこない」
「自分たちだけでは、戦えない」
「死にたくない」
「もう、降伏するしか……」
砦屋上の兵士百名のうち、半分は十六歳前後の少年兵だ。入隊二年目の訓練兵だ。本来ならば、前線で戦うことはない。戦力が欠乏したため、最前線に投入されたのだ。
彼らにとって、衝撃的だった。歴戦の勇士であるアサレウスの死は。
そのときだった。
声を張りあげた。氷姫が。
「英雄は死すとも、その魂は死なぬ!」
言葉を続けた。大声で。
「歴戦の勇者、千人隊長アサレウスの魂は、我々が受け継ぐ!」
さらに、声を張りあげた。氷姫が。
「我々が、次の勇者だ!」
炎姫が、大声で問いかけた。
「次の勇者は、誰か?」
泣きながら叫んだ。雷姫が。
「我々だ! 我々だ! 我々だ!」
もう一度、問いかけた。大声で。炎姫が。
「歴戦の勇者アサレウスの魂を受け継ぐ、次の勇者は誰か?」
いっせいに叫んだ。雷姫と氷姫が。続いて、兵士たちと北校の女生徒たちが。
「我々だ! 我々だ! 我々だ!」
折れかかっていた心に、勇気の灯火が灯った。
氷姫が叫んだ。
「我々は、あきらめない。絶対に。なぜなら、我々こそが、次の勇者だからだ!」
雄叫びをあげた。兵士たちが。
ふたたび、戦う決意をみなぎらせた。兵士たちの心の中に。
氷姫も炎姫も、たいしたものだ。兵士たちを鼓舞する能力は。
そう思いながらトッキロは、視線を炎龍王女たちに向けた。
炎龍王女は、魔族語で何やらつぶやきながら、右腕を高く上げている。
人差し指を、頭上で回しているようだ。
上空の空は、急速に暗くなってきた。
雲が集まってきたのだ。
どうやら、大規模な天候魔法を実施するようだ。
他の女魔族三名は、炎龍王女を守るように、それぞれ距離を保って立っている。
天候魔法が終了するまで、炎龍王女が無防備になるからだろう。
まずい状況だ。
トッキロが、そう思った直後だった。
炎龍王女が、右腕を振り下ろした。炎姫に向かって。魔族語で、なにかを叫びながら。
叫んだ。雷姫が。
「千人隊長!」
すぐに立ち上がり、駆け寄った。雷姫が。倒れたアサレウスに。
炎姫が叫んだ。
「ヒーラー! 早く治癒を!」
北校の女生徒五名が、すぐに駆け寄った。アサレウスに。
声を絞り出した。アサレウスが。
「ワシのことは、いい。それより、戦え。諦めるな、絶対に。人間の自由と未来のために……」
そこで、力を失った。アサレウスの身体が。
絶叫した。雷姫が。
「千人隊長!」
兵士たちも、泣き叫んだ。アサレウスの名を呼んで。持ち場からは、離れなかったが。
動揺が、広がった。兵士たちに。小声で、ささやきあう声が聞こえた。絶望の言葉を。打ちひしがれ、うなだれて。
「もうだめだ」
「もう無理だ」
「勝てっこない」
「自分たちだけでは、戦えない」
「死にたくない」
「もう、降伏するしか……」
砦屋上の兵士百名のうち、半分は十六歳前後の少年兵だ。入隊二年目の訓練兵だ。本来ならば、前線で戦うことはない。戦力が欠乏したため、最前線に投入されたのだ。
彼らにとって、衝撃的だった。歴戦の勇士であるアサレウスの死は。
そのときだった。
声を張りあげた。氷姫が。
「英雄は死すとも、その魂は死なぬ!」
言葉を続けた。大声で。
「歴戦の勇者、千人隊長アサレウスの魂は、我々が受け継ぐ!」
さらに、声を張りあげた。氷姫が。
「我々が、次の勇者だ!」
炎姫が、大声で問いかけた。
「次の勇者は、誰か?」
泣きながら叫んだ。雷姫が。
「我々だ! 我々だ! 我々だ!」
もう一度、問いかけた。大声で。炎姫が。
「歴戦の勇者アサレウスの魂を受け継ぐ、次の勇者は誰か?」
いっせいに叫んだ。雷姫と氷姫が。続いて、兵士たちと北校の女生徒たちが。
「我々だ! 我々だ! 我々だ!」
折れかかっていた心に、勇気の灯火が灯った。
氷姫が叫んだ。
「我々は、あきらめない。絶対に。なぜなら、我々こそが、次の勇者だからだ!」
雄叫びをあげた。兵士たちが。
ふたたび、戦う決意をみなぎらせた。兵士たちの心の中に。
氷姫も炎姫も、たいしたものだ。兵士たちを鼓舞する能力は。
そう思いながらトッキロは、視線を炎龍王女たちに向けた。
炎龍王女は、魔族語で何やらつぶやきながら、右腕を高く上げている。
人差し指を、頭上で回しているようだ。
上空の空は、急速に暗くなってきた。
雲が集まってきたのだ。
どうやら、大規模な天候魔法を実施するようだ。
他の女魔族三名は、炎龍王女を守るように、それぞれ距離を保って立っている。
天候魔法が終了するまで、炎龍王女が無防備になるからだろう。
まずい状況だ。
トッキロが、そう思った直後だった。
炎龍王女が、右腕を振り下ろした。炎姫に向かって。魔族語で、なにかを叫びながら。
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