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第3章第八話 おかねの力?
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第3章第八話 おかねの力?
「魔法攻撃では、ありませんよ」
飄々とした口調で、トッキロが答えた。
「強いて言うなら、魔族が大嫌いな、おかねの力かな? 違うか」
そう言って笑いながら、左のポケットから取り出した。青銅貨を一枚、左手で。
五百円玉よりも、少し大きい。
五ブロンズ硬貨だ。
日本円で、五百円くらいの価値だ。
わざと、よく見えるように青銅貨を高く掲げて、見せつけた。
「この青銅貨を、心臓に埋め込みました。角の小さい方の女デーモン・チーフに」
炎龍姫が叫んだ。驚愕して。
「埋め込むだと! 心臓に! どうやってだ!」
「投げつけたんですよ。心臓を貫通しない程度の威力で」
「バカな……」
もちろん、人間の腕力だけでは、青銅貨を人体に埋め込むことは困難だ。もちろん、魔族の身体でも、同様だ。
そこで、風魔法を使った。
風魔法、正確には、空気中に充満する魔法エネルギーのエーテルを動かし、圧縮空気のかたまりをつくった。その圧縮空気のかたまりを、一カ所だけエーテルの蓋をはずして膨張させた。その勢いで、飛翔させた。すさまじい速度で。フリスビーのように空中に投げた青銅貨を。
女魔族の左胸にあたった青銅貨は、皮膚や脂肪を引き裂き、体内に、めり込んだ。
その直後、皮膚の傷が再生した。
一瞬だけ出た出血は、激しい雨で、洗い流された。
そのため、なにが起きたのか、わからなかったのだ。
飄々と、トッキロが説明を続けた。
「魔族は驚異的な再生能力を持つため、心臓に小さな穴が空いた程度では、殺すことはできないのではないか。ならば、心臓に金属を埋め込んでしまえば、心臓の動きを止めることが、できるかもしれない」
さらに、説明を続けた。
「あるいは、心臓の動きが悪くなり、血流が減少すれば、驚異的な再生能力も低下するかもしれない」
そこで、トッキロが声を張りあげた。後方にいる兵士たちにも聞こえるように。
「魔族が弱った今なら、兵士の槍でも、魔族を殺せるかもしれない!」
大角魔族女も、小角魔族女も、まだ苦しみ続けている。両膝を砦の屋上についたままで。
「おのれ! 汚い手を使いおって! 爪で切り刻んでやる!」
そう吐き捨てながら、突進してきた。女デーモン・ゼネラルが、トッキロに向かって。
投げつけた。左手の青銅貨を。手首のスナップを使って。女デーモン・ゼネラルに。
「こんなもの!」
払いのけた。右手で、青銅貨を。女デーモン・ゼネラルが。
次の瞬間だった。
呻いた。女デーモン・ゼネラルが。片膝をついて。
「なにが、起きた……」
トッキロが、ポケットから五ブロンズ青銅貨を二枚取りだし、見せつけた。
「青銅貨は、二枚投げたんです。一枚目はフェイントで、二枚目が本命ですよ」
視線を向けた。トッキロが、炎龍王女に。
「あとは、あなただけですね」
投げつけた。青銅貨を。トッキロが、炎龍王女に。
その瞬間だった。
立ちふさがった。女デーモン・ゼネラルが。トッキロと炎龍王女の間に。
絶叫した。炎龍王女が。
女デーモン・ゼネラルが振り返った。
「王女殿下!」
炎龍王女の両腕に、二枚の青銅貨が突き刺さっていた。
彼女は、自分の胸を守ろうと、両腕でガードしていた。そのため、青銅貨は、腕の骨で止まったのだ。
「なぜだ! なぜ王女殿下にあたるのか?」
驚愕する女デーモン・ゼネラルに、トッキロが答えた。
「あなたの身体を、貫通したんですよ。二枚の青銅貨が」
女デーモン・ゼネラルの身体についた傷は、すでにふさがっていた。
銃弾の場合でもそうだが、銃弾が体内に留まると、内臓等が激しく破壊され、ダメージが大きい。一方、貫通した場合は、人体に穴が空くだけなので、重要な臓器や太い血管が無事ならば、現代の戦場で戦う兵士たちは、応急処置だけで、すぐに活動可能となる。
トッキロが、ふたたびポケットから青銅貨を二枚取りだした。
「五ブロンズ青銅貨は、まだまだありますよ。なぜなら今朝、クラスメイトたちに両替してもらったんです。私が持っていた、すべての十ブロンズ銅貨を」
「魔法攻撃では、ありませんよ」
飄々とした口調で、トッキロが答えた。
「強いて言うなら、魔族が大嫌いな、おかねの力かな? 違うか」
そう言って笑いながら、左のポケットから取り出した。青銅貨を一枚、左手で。
五百円玉よりも、少し大きい。
五ブロンズ硬貨だ。
日本円で、五百円くらいの価値だ。
わざと、よく見えるように青銅貨を高く掲げて、見せつけた。
「この青銅貨を、心臓に埋め込みました。角の小さい方の女デーモン・チーフに」
炎龍姫が叫んだ。驚愕して。
「埋め込むだと! 心臓に! どうやってだ!」
「投げつけたんですよ。心臓を貫通しない程度の威力で」
「バカな……」
もちろん、人間の腕力だけでは、青銅貨を人体に埋め込むことは困難だ。もちろん、魔族の身体でも、同様だ。
そこで、風魔法を使った。
風魔法、正確には、空気中に充満する魔法エネルギーのエーテルを動かし、圧縮空気のかたまりをつくった。その圧縮空気のかたまりを、一カ所だけエーテルの蓋をはずして膨張させた。その勢いで、飛翔させた。すさまじい速度で。フリスビーのように空中に投げた青銅貨を。
女魔族の左胸にあたった青銅貨は、皮膚や脂肪を引き裂き、体内に、めり込んだ。
その直後、皮膚の傷が再生した。
一瞬だけ出た出血は、激しい雨で、洗い流された。
そのため、なにが起きたのか、わからなかったのだ。
飄々と、トッキロが説明を続けた。
「魔族は驚異的な再生能力を持つため、心臓に小さな穴が空いた程度では、殺すことはできないのではないか。ならば、心臓に金属を埋め込んでしまえば、心臓の動きを止めることが、できるかもしれない」
さらに、説明を続けた。
「あるいは、心臓の動きが悪くなり、血流が減少すれば、驚異的な再生能力も低下するかもしれない」
そこで、トッキロが声を張りあげた。後方にいる兵士たちにも聞こえるように。
「魔族が弱った今なら、兵士の槍でも、魔族を殺せるかもしれない!」
大角魔族女も、小角魔族女も、まだ苦しみ続けている。両膝を砦の屋上についたままで。
「おのれ! 汚い手を使いおって! 爪で切り刻んでやる!」
そう吐き捨てながら、突進してきた。女デーモン・ゼネラルが、トッキロに向かって。
投げつけた。左手の青銅貨を。手首のスナップを使って。女デーモン・ゼネラルに。
「こんなもの!」
払いのけた。右手で、青銅貨を。女デーモン・ゼネラルが。
次の瞬間だった。
呻いた。女デーモン・ゼネラルが。片膝をついて。
「なにが、起きた……」
トッキロが、ポケットから五ブロンズ青銅貨を二枚取りだし、見せつけた。
「青銅貨は、二枚投げたんです。一枚目はフェイントで、二枚目が本命ですよ」
視線を向けた。トッキロが、炎龍王女に。
「あとは、あなただけですね」
投げつけた。青銅貨を。トッキロが、炎龍王女に。
その瞬間だった。
立ちふさがった。女デーモン・ゼネラルが。トッキロと炎龍王女の間に。
絶叫した。炎龍王女が。
女デーモン・ゼネラルが振り返った。
「王女殿下!」
炎龍王女の両腕に、二枚の青銅貨が突き刺さっていた。
彼女は、自分の胸を守ろうと、両腕でガードしていた。そのため、青銅貨は、腕の骨で止まったのだ。
「なぜだ! なぜ王女殿下にあたるのか?」
驚愕する女デーモン・ゼネラルに、トッキロが答えた。
「あなたの身体を、貫通したんですよ。二枚の青銅貨が」
女デーモン・ゼネラルの身体についた傷は、すでにふさがっていた。
銃弾の場合でもそうだが、銃弾が体内に留まると、内臓等が激しく破壊され、ダメージが大きい。一方、貫通した場合は、人体に穴が空くだけなので、重要な臓器や太い血管が無事ならば、現代の戦場で戦う兵士たちは、応急処置だけで、すぐに活動可能となる。
トッキロが、ふたたびポケットから青銅貨を二枚取りだした。
「五ブロンズ青銅貨は、まだまだありますよ。なぜなら今朝、クラスメイトたちに両替してもらったんです。私が持っていた、すべての十ブロンズ銅貨を」
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