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第3章第九話 人間の攻勢
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第3章第九話 人間の攻勢
吼えるように、叫んだ。女デーモン・ゼネラルが。
「こしゃくな人間めが!」
次々に投げつけた。トッキロが。五ブロンズ青銅貨を。
たたき落とした。左右の手で。女デーモン・ゼネラルが。五ブロンズ青銅貨を。次々に。
だが、三個目の青銅貨が貫通した。女デーモン・ゼネラルの脇腹を。
絶叫した。炎龍王女が。青銅貨が腹に、めり込んで。
ちょうど、両腕に突き刺さった青銅貨二枚を、取り除いて捨てた直後だった。
そのため、両腕のガードが緩んでいたのだ。
女デーモン・ゼネラルは、両腕で胸と腹をガードする戦略に転じた。
腕の骨で、青銅貨を止めるつもりなのだ。
トッキロが、投げつけた。青銅貨二枚を。
絶叫した。女デーモン・ゼネラルが。
二枚の青銅貨が、めり込んだ。女デーモン・ゼネラルの左右の足の太ももに。やや内側、人間ならば、太い動脈がある部分に。
貫通しなかった。二枚の青銅貨は。女デーモン・ゼネラルの太ももの中に、留まった。
もちろん、わざと貫通させなかった。
よろめいた。女デーモン・ゼネラルが。
ふらふらと二、三歩後退したあと、片膝をついた。
うまくいったのなら、止まったかもしれない。両足の太い動脈の血流が。
トッキロは、持ち合わせの五ブロンズ青銅貨を、すべて使い尽くした。
杖の先に、ふたたびエア・ソードを出現させた。
そのときだった。
炎姫が叫んだ。
「今がチャンスだ! 全軍、突撃用意!」
雷姫も叫んだ。
「第六から第十の十人隊は、あたしに続け! 右翼側の女魔族へ攻撃だ!」
続けて叫んだ。炎姫が。
「第一から第五の十人隊は、左翼側の女デーモン・チーフだ! 包囲殲滅せよ!」
先ほどから炎姫は、小声で雷姫に指示を出していた。部下や攻撃対象の割り振りだったようだ。
女デーモン・チーフは、左手側の大角女魔族も、右手側の小角女魔族も、まだ立ち上がることができない。
いや、立ち上がった。小角女魔族は。右手を心臓にあてながらも。
前進した雷姫が、立ち止まった。小角女魔族から、十メートルほどの距離で。
剣を上空に突き上げ、叫んだ。
「十人隊! 第六は正面、第七は左側から、第八は右側からだ! 三方を包囲してから、同時攻撃だ!」
兵士たちが、駆けつけた。雷姫の周囲に。集中豪雨によって、膝下まで溜まった雨水をかき分けて。
砦の屋上の四隅には、雨水を排出する排水口がある。
だが、その排水能力を上回る集中豪雨のため、兵士の膝下近くまで、雨水による水位が上昇したのだ。
女魔族たちは手負いで、動きが鈍くなっている。
人間の兵士たちも、膝下まで水に浸かっているため、移動が遅い。
この分では、槍で攻撃する際の踏み込みも、遅いだろう。
氷姫が、右翼側に視線を向けた。小角女魔族が、立ち上がった直後に。
叫んだ。氷姫が。
「連携だ! 雷姫!」
「了解!」
その直後、氷姫が叫んだ。
「アイス・ブレード!」
飛翔した。一メートルほどの氷の刃が。
切り裂いた。
ザックリと。小角女魔族の右の太ももを。
大量出血した。右の太ももから。
右足の骨は、切断できなかった。アイス・ブレードでは。
ガクリと、右膝を突いた。屋上に溜まった水の中に。小角女魔族が。
大量出血は、すぐには止まらなかった。
小角女魔族が、右手で傷口を押さえた。少しでも、出血量を抑えるために。
やはり、思った通りだ。
心臓に刺さった青銅貨が、心臓が送り出す血液量を減少させたのだ。
雷姫が命じた。兵士たちに。
「攻撃開始!」
駆け出した兵士たちが包囲し、槍で突いた。ほぼ同時に。片膝をついた小角女魔族を。何度も何度も。
両腕を振り回した。小角女魔族が。
鋭い鉤爪で、兵士を攻撃するためだ。
だが、あたらない。兵士の身体には。槍のほうが、リーチが長いためだ。
左手側でも、大角魔族女を包囲した。五十名の兵士が。
槍で、突き始めた。兵士たちが、大角魔族女を。
大角魔族女は、切り落とされた片腕を装着して以降、立ち上がれない。
全身に、回ったからだ。切断した片腕に注入した毒が。
トッキロが、女デーモン・チーフに向かって前進した。
氷姫が、叫んだ。右ななめ後方から。
「連携だ、トッキロ!」
「わかりました。アイス・ブレードの直後、斬りかかります」
吐き捨てた。女デーモン・チーフが。
「飛んでくる氷の刃など、よければ良いだけだ」
吼えるように、叫んだ。女デーモン・ゼネラルが。
「こしゃくな人間めが!」
次々に投げつけた。トッキロが。五ブロンズ青銅貨を。
たたき落とした。左右の手で。女デーモン・ゼネラルが。五ブロンズ青銅貨を。次々に。
だが、三個目の青銅貨が貫通した。女デーモン・ゼネラルの脇腹を。
絶叫した。炎龍王女が。青銅貨が腹に、めり込んで。
ちょうど、両腕に突き刺さった青銅貨二枚を、取り除いて捨てた直後だった。
そのため、両腕のガードが緩んでいたのだ。
女デーモン・ゼネラルは、両腕で胸と腹をガードする戦略に転じた。
腕の骨で、青銅貨を止めるつもりなのだ。
トッキロが、投げつけた。青銅貨二枚を。
絶叫した。女デーモン・ゼネラルが。
二枚の青銅貨が、めり込んだ。女デーモン・ゼネラルの左右の足の太ももに。やや内側、人間ならば、太い動脈がある部分に。
貫通しなかった。二枚の青銅貨は。女デーモン・ゼネラルの太ももの中に、留まった。
もちろん、わざと貫通させなかった。
よろめいた。女デーモン・ゼネラルが。
ふらふらと二、三歩後退したあと、片膝をついた。
うまくいったのなら、止まったかもしれない。両足の太い動脈の血流が。
トッキロは、持ち合わせの五ブロンズ青銅貨を、すべて使い尽くした。
杖の先に、ふたたびエア・ソードを出現させた。
そのときだった。
炎姫が叫んだ。
「今がチャンスだ! 全軍、突撃用意!」
雷姫も叫んだ。
「第六から第十の十人隊は、あたしに続け! 右翼側の女魔族へ攻撃だ!」
続けて叫んだ。炎姫が。
「第一から第五の十人隊は、左翼側の女デーモン・チーフだ! 包囲殲滅せよ!」
先ほどから炎姫は、小声で雷姫に指示を出していた。部下や攻撃対象の割り振りだったようだ。
女デーモン・チーフは、左手側の大角女魔族も、右手側の小角女魔族も、まだ立ち上がることができない。
いや、立ち上がった。小角女魔族は。右手を心臓にあてながらも。
前進した雷姫が、立ち止まった。小角女魔族から、十メートルほどの距離で。
剣を上空に突き上げ、叫んだ。
「十人隊! 第六は正面、第七は左側から、第八は右側からだ! 三方を包囲してから、同時攻撃だ!」
兵士たちが、駆けつけた。雷姫の周囲に。集中豪雨によって、膝下まで溜まった雨水をかき分けて。
砦の屋上の四隅には、雨水を排出する排水口がある。
だが、その排水能力を上回る集中豪雨のため、兵士の膝下近くまで、雨水による水位が上昇したのだ。
女魔族たちは手負いで、動きが鈍くなっている。
人間の兵士たちも、膝下まで水に浸かっているため、移動が遅い。
この分では、槍で攻撃する際の踏み込みも、遅いだろう。
氷姫が、右翼側に視線を向けた。小角女魔族が、立ち上がった直後に。
叫んだ。氷姫が。
「連携だ! 雷姫!」
「了解!」
その直後、氷姫が叫んだ。
「アイス・ブレード!」
飛翔した。一メートルほどの氷の刃が。
切り裂いた。
ザックリと。小角女魔族の右の太ももを。
大量出血した。右の太ももから。
右足の骨は、切断できなかった。アイス・ブレードでは。
ガクリと、右膝を突いた。屋上に溜まった水の中に。小角女魔族が。
大量出血は、すぐには止まらなかった。
小角女魔族が、右手で傷口を押さえた。少しでも、出血量を抑えるために。
やはり、思った通りだ。
心臓に刺さった青銅貨が、心臓が送り出す血液量を減少させたのだ。
雷姫が命じた。兵士たちに。
「攻撃開始!」
駆け出した兵士たちが包囲し、槍で突いた。ほぼ同時に。片膝をついた小角女魔族を。何度も何度も。
両腕を振り回した。小角女魔族が。
鋭い鉤爪で、兵士を攻撃するためだ。
だが、あたらない。兵士の身体には。槍のほうが、リーチが長いためだ。
左手側でも、大角魔族女を包囲した。五十名の兵士が。
槍で、突き始めた。兵士たちが、大角魔族女を。
大角魔族女は、切り落とされた片腕を装着して以降、立ち上がれない。
全身に、回ったからだ。切断した片腕に注入した毒が。
トッキロが、女デーモン・チーフに向かって前進した。
氷姫が、叫んだ。右ななめ後方から。
「連携だ、トッキロ!」
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