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第4章第十二話 迎撃作戦
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第4章第十二話 迎撃作戦
毒で戦闘不能にした魔族のうち、手近にいた二名の首を、切り落とした。ウオーター・カッターで。
そのあと、その死体の陰に隠れて地面に伏せた。
サソリ姫が小声で尋ねた。
「壺の中の水、もうわずかだろ」
「だいじょうぶです。今、満たします」
そう言ってから、小声でつぶやいた。水魔法の詠唱を。
すぐに、バレーボールくらいの大きさのウオーター・ボールが、空中に形成された。
水壺を満たした。魔法で形成した水で。
魔族たちの集団が、駆け寄ってきた。
「もう、近いよ。バレるよ。このままじゃ」
あせりの色が、にじんでいた。サソリ姫の声には。
「だいじょうぶですよ。地面に伏せていれば。暗いですから」
「月明かりが、あるだろ」
「動いたほうが、バレますよ」
水壺を、ななめに傾けた。水が、こぼれる寸前まで。壺の口を、駆け寄ってくる魔族の集団に向けて。
接近した。魔族の集団が。
先頭の列が、十メートルほどの距離まで。
その瞬間だった。
小声で、つぶやいた。
「ウオーター・カッター」
ほとばしった。一筋の高圧水が。左から右へと、なぎ払うように。
絶叫した。魔族の先頭集団が。
先頭集団の十数名が、胴体を上下に切り裂かれた。ちょうど、ヘソの上下あたりで。
切断された上半身が、地面に直撃した。走ってきた勢いがあまって、空中を二メートルほど飛んだあと。
下半身も、地面に倒れた。次々と。十数名分。
それでも、魔族たちは死なない。胴体を上下に、切断されたくらいでは。
だが、絶叫している。切断された魔族たちは。思いもよらない状況に。
その直後、ふたたび、つぶやいた。トッキロが。
一閃した。右から左へと。ウオーター・カッターが。
切り裂いた。ふたたび。魔族たちの胴体を。一本の高圧水で、一度に十数名を。
すぐさま、三本目のウオーター・カッターを放った。左から右へと、なぎ払うように。
みたび、新たな十数名の胴体が、上下に切断された。
これで、五十名ほどの魔族が、胴体を上下に切断され、戦闘不能となった。
一時的に、だが。
切断された胴体をつなげれば、魔族は戦闘可能となる。
魔族の後方集団が、足を止めた。
それ以上、前進を止めた。
距離は、三十メートルほど。
攻撃は、もう少し接近してからのほうが良い。
トッキロは地面に伏せたまま、待った。
しかし、魔族の後方集団は、それ以上接近しない。
そのときだった。
大男の魔族が、後方集団をかき分け、現れた。
超がつくほど、巨大な魔族の男だった。
身長は、三メートル近くあるのではないか。
大男というより、巨人といったほうが良いほどの大きさだ。
しかも、肩幅も広く、胸板も厚い。腕の太さも、丸太のようだ。
サソリ姫が、ささやいた。恐怖で、半分声が裏返って。
「あのデカブツ、角もデカいよ。しかも二本もある」
言葉を続けた。サソリ姫が。
「マジでヤバい予感するよ。早く逃げないと」
「立ち上がって逃げると、背後からファイアー・ボールが飛んで来ますよ」
「だけど……」
トッキロが、攻撃した。距離が、十五メートルを切ったあたりで。
なぎ払った。ウオーター・カッターで、左から右へ。巨人魔族のヘソのあたりを。
同時だった。ウオーター・カッターの攻撃と。
盾で防いだ。巨人魔族が。
長方形の盾を横に構えて、自分の腹を守った。
その盾は、長さは二メートル、幅は一メートルはある。
巨人魔族が、ガハハ、と笑った。
「鋼鉄の盾は、切り裂けなかったようだな」
そう、話した。王国共通語で、巨人魔族が。
さらに、近づいてきた。巨人魔族が。ゆっくりと歩きながら。
月明かりに、照らし出された。巨人魔族が持つ盾が。
白銀色に輝く盾だった。
金色で、家紋が描かれていた。その盾には。
王国騎士の家紋だ。
鹵獲品だ。
王国騎士を殺して奪ったのだ。
盾の大きさからすると、討ち死にした王国騎士も、かなりの大男だったはずだ。
巨人魔族が、大声で名乗りを上げた。
「我が名は、人間どもの言葉に訳するなら、鉄龍将軍だ!」
鉄龍将軍が怒鳴った。
「隠れてないで、出てこい! 炎龍王女を苦しめた黒髪の人間よ!」
サソリ姫が、小声でぼやいた。
「マジかよ。バレてんじゃん。隠れてんの」
さらに、言葉を続けた。
「どうすんだよ」
即答した。トッキロが。
「戦いましょう」
毒で戦闘不能にした魔族のうち、手近にいた二名の首を、切り落とした。ウオーター・カッターで。
そのあと、その死体の陰に隠れて地面に伏せた。
サソリ姫が小声で尋ねた。
「壺の中の水、もうわずかだろ」
「だいじょうぶです。今、満たします」
そう言ってから、小声でつぶやいた。水魔法の詠唱を。
すぐに、バレーボールくらいの大きさのウオーター・ボールが、空中に形成された。
水壺を満たした。魔法で形成した水で。
魔族たちの集団が、駆け寄ってきた。
「もう、近いよ。バレるよ。このままじゃ」
あせりの色が、にじんでいた。サソリ姫の声には。
「だいじょうぶですよ。地面に伏せていれば。暗いですから」
「月明かりが、あるだろ」
「動いたほうが、バレますよ」
水壺を、ななめに傾けた。水が、こぼれる寸前まで。壺の口を、駆け寄ってくる魔族の集団に向けて。
接近した。魔族の集団が。
先頭の列が、十メートルほどの距離まで。
その瞬間だった。
小声で、つぶやいた。
「ウオーター・カッター」
ほとばしった。一筋の高圧水が。左から右へと、なぎ払うように。
絶叫した。魔族の先頭集団が。
先頭集団の十数名が、胴体を上下に切り裂かれた。ちょうど、ヘソの上下あたりで。
切断された上半身が、地面に直撃した。走ってきた勢いがあまって、空中を二メートルほど飛んだあと。
下半身も、地面に倒れた。次々と。十数名分。
それでも、魔族たちは死なない。胴体を上下に、切断されたくらいでは。
だが、絶叫している。切断された魔族たちは。思いもよらない状況に。
その直後、ふたたび、つぶやいた。トッキロが。
一閃した。右から左へと。ウオーター・カッターが。
切り裂いた。ふたたび。魔族たちの胴体を。一本の高圧水で、一度に十数名を。
すぐさま、三本目のウオーター・カッターを放った。左から右へと、なぎ払うように。
みたび、新たな十数名の胴体が、上下に切断された。
これで、五十名ほどの魔族が、胴体を上下に切断され、戦闘不能となった。
一時的に、だが。
切断された胴体をつなげれば、魔族は戦闘可能となる。
魔族の後方集団が、足を止めた。
それ以上、前進を止めた。
距離は、三十メートルほど。
攻撃は、もう少し接近してからのほうが良い。
トッキロは地面に伏せたまま、待った。
しかし、魔族の後方集団は、それ以上接近しない。
そのときだった。
大男の魔族が、後方集団をかき分け、現れた。
超がつくほど、巨大な魔族の男だった。
身長は、三メートル近くあるのではないか。
大男というより、巨人といったほうが良いほどの大きさだ。
しかも、肩幅も広く、胸板も厚い。腕の太さも、丸太のようだ。
サソリ姫が、ささやいた。恐怖で、半分声が裏返って。
「あのデカブツ、角もデカいよ。しかも二本もある」
言葉を続けた。サソリ姫が。
「マジでヤバい予感するよ。早く逃げないと」
「立ち上がって逃げると、背後からファイアー・ボールが飛んで来ますよ」
「だけど……」
トッキロが、攻撃した。距離が、十五メートルを切ったあたりで。
なぎ払った。ウオーター・カッターで、左から右へ。巨人魔族のヘソのあたりを。
同時だった。ウオーター・カッターの攻撃と。
盾で防いだ。巨人魔族が。
長方形の盾を横に構えて、自分の腹を守った。
その盾は、長さは二メートル、幅は一メートルはある。
巨人魔族が、ガハハ、と笑った。
「鋼鉄の盾は、切り裂けなかったようだな」
そう、話した。王国共通語で、巨人魔族が。
さらに、近づいてきた。巨人魔族が。ゆっくりと歩きながら。
月明かりに、照らし出された。巨人魔族が持つ盾が。
白銀色に輝く盾だった。
金色で、家紋が描かれていた。その盾には。
王国騎士の家紋だ。
鹵獲品だ。
王国騎士を殺して奪ったのだ。
盾の大きさからすると、討ち死にした王国騎士も、かなりの大男だったはずだ。
巨人魔族が、大声で名乗りを上げた。
「我が名は、人間どもの言葉に訳するなら、鉄龍将軍だ!」
鉄龍将軍が怒鳴った。
「隠れてないで、出てこい! 炎龍王女を苦しめた黒髪の人間よ!」
サソリ姫が、小声でぼやいた。
「マジかよ。バレてんじゃん。隠れてんの」
さらに、言葉を続けた。
「どうすんだよ」
即答した。トッキロが。
「戦いましょう」
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