oh my little love

フロイライン

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心の旅

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蒼を実家に連れて帰る事は俺の悲願であり、渋々ながら了解させたのは、まあ快挙と言って良いだろう。

しかし、当の蒼は、毎日のようにネガティブな事を言い出し、挙げ句の果てに行きたくないと泣きながら言う。

その都度、俺は蒼を励まし、安心出来るように丁寧に説明している。

この繰り返しを延々とやってたんだけど、段々日が迫ってきて、もう逃げられないところまできた。

さすがの蒼も観念したのか、洋服を引っ張り出してきては着てみて、俺に質問する

「これ、着て行っても大丈夫かな?

派手じゃない??」


「うん、大丈夫
可愛いよ」


「やっぱり、ちょっと派手だと思うわ。

違うの着てみるから、ちゃんと見てくれる?」


「もう大丈夫だよー
蒼はどれ着ても可愛いよ」


「ちょっと、愁ちゃん!
真剣に見てよ、怒るよ、もう!」


うわっ、怖っ‥

蒼ってこんなに声荒げることもあるんだ‥


「わかった。ちゃんと見るから」



もう、早く決めてくれー…




そうこうしてる間に、日は流れ、実家に戻る当日の朝になった。



「愁ちゃん…
やっぱりマズイよ

ワタシここで留守番しとくし、一人で実家に帰ってきて」

おいおい、あと一時間もすれば出かけるってのに、この期に及んでまだ蒼はビビってる。



「大丈夫だよ。
親にはちゃんと伝えてあるから
付き合ってる彼女を連れて帰るって

喜んでたよ、二人とも」



「何言ってんのよ
それはフツーの女性を連れて帰るって前提があってでしょ。
オカマ連れて帰るなんて事を知ったら…」


「まあ、詳しいことは会って直接話さないと、電話やメールじゃ上手く言えないし誤解を招くのがオチだから

俺に任せておけばいいよ。」


「絶対ムリだって…」

蒼は今にも泣きそうな顔で俺に言った。


結局時間切れとなり、蒼も観念したが、出る間際まで鏡の前で化粧を直したり、髪の毛をとかしてみたりと、少しでも好印象を与えようと必死になる蒼の姿がそこにあった。



「あ、新幹線乗るの久しぶりだなあ
弁当買ってこうよ」

俺が駅弁コーナーで足を止めて振り返ると、蒼は俯いたままで何も答えない。

まあ、仕方ないか。


でも、新幹線て速いんだぜー

あっという間に着いちゃうぞ、蒼さん
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