151 / 190
君色想い
しおりを挟む
「申し訳ないですけど、本当に知らないんですよ。」
久美子の三度目の訪問を受け、望月は困ったような表情で答えた。
「望月ちゃん
別にあなたにどうこう言うつもりはないの。
ワタシは、ただ、高井さんとコンタクトを取りたいって言ってるだけなのよ。」
「高井さん、久しぶりにまとまった休みが取れたって言ってて、しばらくは収録もないから…」
「その高井さんのところに行くって言って出てったきり、もう何日もウチのエースの子が帰ってこないのよ。」
「本当に高井さんのとこなんですか?
ミカちゃんの行った先って。」
「どういうこと?」
「別にニューハーフを差別するつもりはありませんが、高井さんといえば芸能界でも絶大な人気を誇り、寄ってくる女性も後をたちません。
わざわざニューハーフを相手にしますかね。」
「それならそれでいいの。
でも、高井さんのところに行くってハッキリと本人は言ってたし…
心当たりっていうのがそれしかなくて…」
「まあ、僕も本気で恋した事がありますからね…
ニューハーフに…」
望月は、久美子を見つめてそう言うと、すぐに目を伏せた。
「望月ちゃん
ワタシもあなたを本気で愛してたわ。
今となってはいい思い出よ。」
「フフッ、フラれたのは僕の方ですけどね…」
望月は、そう言うと、少しだけ間を置き、持っていた台本の後ろのページを破き、何やら書いて、久美子に渡した。
「高井さんの住所です。
もちろん、セキュリティがしっかりしたマンションなので、中には入れませんが。」
「ありがとう、望月ちゃん
恩に着るわ。」
久美子はその紙を受け取ると、深く頭を下げた。
久美子の三度目の訪問を受け、望月は困ったような表情で答えた。
「望月ちゃん
別にあなたにどうこう言うつもりはないの。
ワタシは、ただ、高井さんとコンタクトを取りたいって言ってるだけなのよ。」
「高井さん、久しぶりにまとまった休みが取れたって言ってて、しばらくは収録もないから…」
「その高井さんのところに行くって言って出てったきり、もう何日もウチのエースの子が帰ってこないのよ。」
「本当に高井さんのとこなんですか?
ミカちゃんの行った先って。」
「どういうこと?」
「別にニューハーフを差別するつもりはありませんが、高井さんといえば芸能界でも絶大な人気を誇り、寄ってくる女性も後をたちません。
わざわざニューハーフを相手にしますかね。」
「それならそれでいいの。
でも、高井さんのところに行くってハッキリと本人は言ってたし…
心当たりっていうのがそれしかなくて…」
「まあ、僕も本気で恋した事がありますからね…
ニューハーフに…」
望月は、久美子を見つめてそう言うと、すぐに目を伏せた。
「望月ちゃん
ワタシもあなたを本気で愛してたわ。
今となってはいい思い出よ。」
「フフッ、フラれたのは僕の方ですけどね…」
望月は、そう言うと、少しだけ間を置き、持っていた台本の後ろのページを破き、何やら書いて、久美子に渡した。
「高井さんの住所です。
もちろん、セキュリティがしっかりしたマンションなので、中には入れませんが。」
「ありがとう、望月ちゃん
恩に着るわ。」
久美子はその紙を受け取ると、深く頭を下げた。
3
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
女帝の遺志(第二部)-篠崎沙也加と女子プロレスラーたちの物語
kazu106
大衆娯楽
勢いを増す、ブレバリーズ女子部と、直美。
率いる沙也加は、自信の夢であった帝プロマット参戦を直美に託し、本格的に動き出す。
一方、不振にあえぐ男子部にあって唯一、気を吐こうとする修平。
己を見つめ直すために、女子部への入部を決意する。
が、そこでは現実を知らされ、苦難の道を歩むことになる。
志桜里らの励ましを受けつつ、ひたすら練習をつづける。
遂に直美の帝プロ参戦が、現実なものとなる。
その壮行試合、沙也加はなんと、直美の相手に修平を選んだのであった。
しかし同時に、ブレバリーズには暗い影もまた、歩み寄って来ていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる