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ミサトは二段ベッドの下段に腰掛けると、珀を見つめながら言った。
「ねえ、珀クンて新東京プロレスに入りたくて東京に出てきたんだよね?」
「うん。
結局は入れなかったけどね。」
「ワタシは、女子プロレスが好きだったの。
なんかかっこいいなあって。ワタシもああなりたいなあってね。
でも、男の子じゃムリだし、見に行くだけで満足してたのね。
そんなある日、前座でNPWが興行打ってて、ミカさんの試合を見たの。
ワタシにとって、衝撃だったわ。
ミカさんの強さ、美しさ、カッコ良さが、突き抜けてて…
ワタシが求めているのはコレだ!って、確信したの。」
「それでここへ?」
「うん。
ワタシもニューハーフになりたかったし、もう、ここしかないっ!って。
それで入門したの。」
「へえ、そうだったんだ」
「珀クンもそうなんでしょ?」
「えっ、何が?」
「心は女子なのよね?」
「あ、それは…
うん…」
珀は、久美子に続いて、ミサトにもカミングアウトしてしまった。
「珀クン、何もしてないのに顔も綺麗だし、すぐに美人レスラーとしてやっていけるよ。」
「でも、そんな勇気なかったから、プロレスに没頭する事によって、そういう気持ちをなくそうと思ったんだ…」
「そんなのムリに決まってるよ。」
「うーん…
新東京プロレスに入れたら、そういうのを忘れて、プロレスに集中して生きていけると思ったんだよね。」
「なるほどね。
ねえ、ワタシ
珀クンと一緒にここで頑張りたい。
NPWに入ってくれないかな?」
「…
正直言って、ミカさんの事、ワタシもカッコいいなあって思って…
それでもう一度見学にする事にしたんだよ。」
「あ、今、自分のことをワタシって言った」
ミサトは嬉しそうな顔で笑った。
「カミングアウトしたし、もういいかなって。」
「だったら、一緒に頑張ろうよ!
ね?」
「でも、ここでレスラーするには性転換手術してないとダメなんでしょ?」
「あー、その事ね。
一応レギュレーションがあって、細かく決められてるの。
ワタシの場合は、今ホルモン注射してて、タマは一ヶ月前に取っちゃった。」
「えーっ!ホントに?」
「うん。
女の子っぽくなりたいし、ワタシには別に必要ないし。
でも、そこまでしなくても、ホルモン治療だけでも、試合には出れるわよ。
女性ホルモンの血中濃度とか、色々調べる基準があるけどね。」
ミサトは屈託のない笑みを浮かべて言った。
「ねえ、珀クンて新東京プロレスに入りたくて東京に出てきたんだよね?」
「うん。
結局は入れなかったけどね。」
「ワタシは、女子プロレスが好きだったの。
なんかかっこいいなあって。ワタシもああなりたいなあってね。
でも、男の子じゃムリだし、見に行くだけで満足してたのね。
そんなある日、前座でNPWが興行打ってて、ミカさんの試合を見たの。
ワタシにとって、衝撃だったわ。
ミカさんの強さ、美しさ、カッコ良さが、突き抜けてて…
ワタシが求めているのはコレだ!って、確信したの。」
「それでここへ?」
「うん。
ワタシもニューハーフになりたかったし、もう、ここしかないっ!って。
それで入門したの。」
「へえ、そうだったんだ」
「珀クンもそうなんでしょ?」
「えっ、何が?」
「心は女子なのよね?」
「あ、それは…
うん…」
珀は、久美子に続いて、ミサトにもカミングアウトしてしまった。
「珀クン、何もしてないのに顔も綺麗だし、すぐに美人レスラーとしてやっていけるよ。」
「でも、そんな勇気なかったから、プロレスに没頭する事によって、そういう気持ちをなくそうと思ったんだ…」
「そんなのムリに決まってるよ。」
「うーん…
新東京プロレスに入れたら、そういうのを忘れて、プロレスに集中して生きていけると思ったんだよね。」
「なるほどね。
ねえ、ワタシ
珀クンと一緒にここで頑張りたい。
NPWに入ってくれないかな?」
「…
正直言って、ミカさんの事、ワタシもカッコいいなあって思って…
それでもう一度見学にする事にしたんだよ。」
「あ、今、自分のことをワタシって言った」
ミサトは嬉しそうな顔で笑った。
「カミングアウトしたし、もういいかなって。」
「だったら、一緒に頑張ろうよ!
ね?」
「でも、ここでレスラーするには性転換手術してないとダメなんでしょ?」
「あー、その事ね。
一応レギュレーションがあって、細かく決められてるの。
ワタシの場合は、今ホルモン注射してて、タマは一ヶ月前に取っちゃった。」
「えーっ!ホントに?」
「うん。
女の子っぽくなりたいし、ワタシには別に必要ないし。
でも、そこまでしなくても、ホルモン治療だけでも、試合には出れるわよ。
女性ホルモンの血中濃度とか、色々調べる基準があるけどね。」
ミサトは屈託のない笑みを浮かべて言った。
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