N -Revolution

フロイライン

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天賦の才

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佐倉ミカは、幼少期から運動神経が抜群で、スポーツに関する事は、何をやらせてもそつなくこなした。
特に球技をやらせると突出して上手く、本人も気に入った野球は、高校の途中まで続けていた。


自身の性の事で悩み、野球を断念したミカは、偶然出会った久美子の強い勧めで、プロレスを始めるが、ずぶの素人のミカにとって、他のスポーツとは、また違った大変さがあった。

それでも天賦の才に恵まれたミカは、プロレスというものをどんどん吸収して強くなっていくが、そんな中で行った性転換手術により、これまでのようにはいかなくなってしまった。

健康そのもので、手術などした事のなかったミカは、死ぬかと思うくらい辛い体験をする事になった。
それくらい性転換手術というものは大変だったのだ。

手術の直接的痛みに加え、ホルモンバランスの変化は、ミカの体と精神を蝕み、思うように動けなくなってしまった。
また、急激に体が変化し、乳房の発育、全身の皮下脂肪の増加など、女性化した体でプロレスを一からやっていくのは、まさに至難の業であった。

そんなミカだったが、サオリをはじめとする仲間達のバックアップもあり、徐々に力をつけ始め、今やこのNPWの看板選手となり、メインの試合を務める看板選手となった。

美貌、セクシーな肉体、秀でたプロレスの才能、カリスマ性
ミカは、それら全てを兼ね備えていた。

ニューハーフプロレスなどというニッチな団体をここまで大きくしたのも、ミカの功績である。

さらには、ライバル団体のENWと積極的に交流をし、ニューハーフプロレス全体を盛り上げようとする久美子の考えにも強く賛同していた。


しかし、二団体による対抗戦をして盛り上げていこうとしたNPWの意向は完全に無視され、ブックなしのガチンコ試合に引き摺り込まれた。

対戦相手の熊子は、髪を伸ばし真っ赤な口紅を塗っただけで、その他全ては男そのもので、男子選手と互角の実力の持ち主であるからタチが悪い。



熊子はゆっくりと間合いを詰め、ミカの動揺を誘った。


不本意ながら、ここは打撃技で様子を見る…

ミカは、如恵留と理亜夢に叩き込まれた回し蹴りを、熊子の脇腹目掛けて打ち込んだが…

熊子は太い腕でミカの蹴りを受け止めて、そのままリング中央に押し倒した。
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