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移籍
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「市橋さん、リングネームをエミリにしたのね。
その名前にしたのって、何か理由があるの?」
NPWに移籍を果たし、練習に参加を始めたエミリに、サオリが質問した。
「あ、いえ…
小学校のときに、すごく可愛い女子がいて、その子の名前がエミリだったんです。
勿論、恋愛感情を抱くって事はなかったんですけど、ずっと憧れの存在だったっていうか、彼女のようになりたいなって思ってて…」
「それでエミリって名前にしたのね。
その気持ち、よくわかるわ。」
「サオリさんは?」
「あ、ワタシの名前?
あんまり今っぽくないでしょ。」
サオリは口に手を当てて笑って言い、続けて理由を話し始めた。
「サオリって亡くなったお母さんの名前なの。
すごく美人で、大好きだったんだけど、ワタシが小学生のときに病気で亡くなってしまったの。」
「そうだったんですか…」
「ワタシも、エミリちゃんと一緒で、母のようになりたいっていう気持ちがずっとあって、リングネームっていうか、普段の自分の名前にしたの。」
「すごく素敵な名前だと思います。
サオリさんてすごく可愛いし、よく似合ってます。」
「ありがとう。」
「あの…
ワタシ…
みんなと違って可愛くないし、男丸出しだし、髪も長くないし…
こんなのでニューハーフレスラーになれるんでしょうか。」
「エミリちゃん
めっちゃ可愛いよ。
ワタシらは女ホルを打ってて、去勢もしてるから、ある程度体が女性化してるっていうのがあるからね。
エミリちゃんも、すぐにそうなるわ。
久美子社長の目は確かなのよ。
エミリちゃんというダイヤモンドの原石を見つけて、将来的にどうなっていくかがビジョンとして見えたから、スカウトしたんだと思うよ。
それに、男子のメジャー団体出身ていう肩書は何にも変え難いものよ。
NPWは強くて美しいっていうのがモットーだから。」
「いえ、サオリさんやミカさんの練習風景を見させていただいて、ワタシなんかよりはるかに強いって、心から思いました。
女性の体をしていて華奢なのに…」
「一応、女子プロレスより可愛く、男子プロレスよりも強くっていうのを目標にして頑張ってるから。」
「なるほど…
皆さんを見てたら、本当にそうだなって、よくわかります。」
「ねえ、エミリちゃん
こうして一緒にやることになったんだし、頑張ろうね。」
サオリがニコッと笑って言うと、エミリは顔を真っ赤にして、ぎこちなく頷いた。
その名前にしたのって、何か理由があるの?」
NPWに移籍を果たし、練習に参加を始めたエミリに、サオリが質問した。
「あ、いえ…
小学校のときに、すごく可愛い女子がいて、その子の名前がエミリだったんです。
勿論、恋愛感情を抱くって事はなかったんですけど、ずっと憧れの存在だったっていうか、彼女のようになりたいなって思ってて…」
「それでエミリって名前にしたのね。
その気持ち、よくわかるわ。」
「サオリさんは?」
「あ、ワタシの名前?
あんまり今っぽくないでしょ。」
サオリは口に手を当てて笑って言い、続けて理由を話し始めた。
「サオリって亡くなったお母さんの名前なの。
すごく美人で、大好きだったんだけど、ワタシが小学生のときに病気で亡くなってしまったの。」
「そうだったんですか…」
「ワタシも、エミリちゃんと一緒で、母のようになりたいっていう気持ちがずっとあって、リングネームっていうか、普段の自分の名前にしたの。」
「すごく素敵な名前だと思います。
サオリさんてすごく可愛いし、よく似合ってます。」
「ありがとう。」
「あの…
ワタシ…
みんなと違って可愛くないし、男丸出しだし、髪も長くないし…
こんなのでニューハーフレスラーになれるんでしょうか。」
「エミリちゃん
めっちゃ可愛いよ。
ワタシらは女ホルを打ってて、去勢もしてるから、ある程度体が女性化してるっていうのがあるからね。
エミリちゃんも、すぐにそうなるわ。
久美子社長の目は確かなのよ。
エミリちゃんというダイヤモンドの原石を見つけて、将来的にどうなっていくかがビジョンとして見えたから、スカウトしたんだと思うよ。
それに、男子のメジャー団体出身ていう肩書は何にも変え難いものよ。
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「いえ、サオリさんやミカさんの練習風景を見させていただいて、ワタシなんかよりはるかに強いって、心から思いました。
女性の体をしていて華奢なのに…」
「一応、女子プロレスより可愛く、男子プロレスよりも強くっていうのを目標にして頑張ってるから。」
「なるほど…
皆さんを見てたら、本当にそうだなって、よくわかります。」
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こうして一緒にやることになったんだし、頑張ろうね。」
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