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Lesson10
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仕事が一段落ついた香菜子は、さっき優斗に差し入れしてもらったカフェラテとサンドイッチを口にした。
そして、優斗の事を思い出し、フッと笑った。
(なかなか可愛いとこあるじゃん)
世代間ギャップなのか、掴みどころがなく、優斗の扱いに困っていた香菜子だったが、意外な一面を垣間見る事が出来て、思わず笑みが溢れてしまう。
思えば、優斗はかなりのイケメンで、自分の好きな顔だと、あらためて思った。
しかし、やはり年齢が親子ほど離れている事と、理解し難い性格が相俟って、自然と壁を作ってしまっていた。
だが、こうして彼の今まで表に出ていない一面を目にすると、香菜子はその壁が少しだけ崩れ去ったような気がしてきたのだった。
と、同時に、優斗はちゃんと教えてやれば、やる気も出すし、仕事もちゃんとこなす人間だと思った。
そんな性格故に、誤解を生んでいるとすれば、とても勿体無い事だと、香菜子は口惜しく思った。
だからこそ、香菜子は自分の下に付け、優斗を育てようと思ったのだ。
そんな香菜子の思いを知ってか知らずか、優斗も配置転換に快く応じ、それなりに頑張ってくれている。
今のところは。
このとき、香菜子は気付いていなかった。
自分が優斗に向ける感情が何なのかを。
上司として部下を心配し、何とかしてやりたいという気持ち
この思いが自分を突き動かしている
そう信じて疑わなかったのだが、程なくしてそれが間違いであったと気付くのである。
優斗が何故、素直に自分を受け入れたのかという真相と共に。
そして、優斗の事を思い出し、フッと笑った。
(なかなか可愛いとこあるじゃん)
世代間ギャップなのか、掴みどころがなく、優斗の扱いに困っていた香菜子だったが、意外な一面を垣間見る事が出来て、思わず笑みが溢れてしまう。
思えば、優斗はかなりのイケメンで、自分の好きな顔だと、あらためて思った。
しかし、やはり年齢が親子ほど離れている事と、理解し難い性格が相俟って、自然と壁を作ってしまっていた。
だが、こうして彼の今まで表に出ていない一面を目にすると、香菜子はその壁が少しだけ崩れ去ったような気がしてきたのだった。
と、同時に、優斗はちゃんと教えてやれば、やる気も出すし、仕事もちゃんとこなす人間だと思った。
そんな性格故に、誤解を生んでいるとすれば、とても勿体無い事だと、香菜子は口惜しく思った。
だからこそ、香菜子は自分の下に付け、優斗を育てようと思ったのだ。
そんな香菜子の思いを知ってか知らずか、優斗も配置転換に快く応じ、それなりに頑張ってくれている。
今のところは。
このとき、香菜子は気付いていなかった。
自分が優斗に向ける感情が何なのかを。
上司として部下を心配し、何とかしてやりたいという気持ち
この思いが自分を突き動かしている
そう信じて疑わなかったのだが、程なくしてそれが間違いであったと気付くのである。
優斗が何故、素直に自分を受け入れたのかという真相と共に。
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