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フロイライン

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Lesson45

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激しいセックスの後、優斗は香菜子を腕枕しながら、ピロートークを展開していた。

「今度の休みさあ、二人でどっか行かない?」


「うん。

いいわね。
優斗クンとだったらどこでも行くよ。」



「ありがとう。
どこに行くかなあ。」


「あの…

優斗クン」


「ん?

どうしたの」


「こんな事聞いていいかよくわかんないんだけど…

前のカノジョとのデートってどんな感じだったの?」


「えっ、俺?

もう結構前の事だからなあ。

まだ二十歳の学生でお金もなかったから、何するでもなくサイゼとかで時間潰したり…かなあ。」


「サイゼかあ

私、行ったことないんだ。」


「そりゃ、あんな高い店に行ってたら、全く別次元の話だよ、俺が行ってた店なんて。」



「えーっ
行きたいよ、サイゼ」


「うん
わかった。

そっち系は俺に任せて。」

優斗はニコッと笑って言った。


「ごめんね。ワガママ言って。

お金は私が出すから」



香菜子がそう言うと、優斗はベッドから身を起こし、隣で仰向けに寝ていた香菜子の方を見つめて言った。


「香菜ちゃん

俺、言おう言おうと思ってたんだけど…」


「えっ、何?」


「歳が離れてて、経済的な格差もあるのは当然わかってるんだ。

でも、香菜ちゃんとの付き合いはなるべく対等でありたいと思ってるんだよね。

だから、デートで使うお金は俺も出すし、割り勘をお願いするときもあると思う。

一方的に香菜ちゃんに出してもらうのは、俺的にはちょっと違うかなって。」




「優斗クン…」

香菜子は後頭部を何かで殴られたような衝撃を受けた。

歳が倍離れてて、常に引け目を感じて生きていかなければならない自分にとって、唯一勝るものがあるとすれば…
それはお金である。

これだけは明らかに自分の方が沢山持っている。

だから、お金を出すのは当たり前と思っていた。

なのに、この青年はそれを拒絶し、男としての矜持を見せつけた。

これが惚れずにいられるだろうか。

香菜子は既に優斗によって骨抜きにされていたが、この言葉によって、さらに愛情の底なし沼に沈んでいった。

もうその沼から這い出ることは不可能だと、香菜子は悟った。

もし、この先捨てられたら生きていく自信がなくなるほどに…

だが、不思議と香菜子に悲壮感はなかった。
何故なら、優斗との間にはこの短い期間に、既に信頼関係が構築されていて、優斗が裏切ったり、自分を捨てたりするような未来予想図は、どう考えても浮かんでこなかった。
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