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Lesson43
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激しく愛し合った後、香菜子と優斗は体を密着させ、お互いの話や質問をし合ったりして、互いの理解を深めるのが二人の楽しみにとなっていた。
「ねえねえ、優斗クン」
「ん?どうしたの」
「引越しっていつする?
このゴールデンウィークにしちゃう??」
「そうだなあ
単身者向けのやつを運送屋で頼もうと思ってんだけど、値段も高くなるし、平日に休み取ってやった方がいいかなって。」
「それもそうね。
さすが、優斗はしっかりしてるわ。
ところで、ゴールデンウィークって何か予定入ってる?」
「いや、何もないよ。
大学の時のツレとタイミングが合えば飲みに行こうかなって考えてたくらいで、あとは何も」
「よかった。
私ね、毎年一人で旅行に行ってるの。
最初はね、仲のいい友達三、四人で行ってたのよ。
でも、みんな結婚して家庭が出来て、途中からは一人で行くようになったんだよね。
今年も予約してたんだけど…
自分に恋人なんて出来るわけないって思ってたから。
優斗が予定の入っていない日は全部会いたいの。
だからキャンセルするよ。」
「香菜子の気持ちは嬉しいけど、ゴールデンウィークは来週だよ。
もうすぐじゃん。
今さらキャンセルできないっしょ?
行ってくればいいじゃん
こっちはいつでも会えるんだし。」
「ヤダよ。
お互い休みなのに離れ離れになるなんて、考えられないよ。」
「でも、もったいないよ」
「うーん…
あ、そうだ!
優斗クンも一緒に行かない?」
「えっ、行くって?
旅行に?」
「そうそう。
だったらキャンセルせずに済むし、一緒にいられるし、一石二鳥じゃない?」
「まあ、それは…
でも…」
「お金の事なら心配しないで。
私が出すし。
元々私のワガママでお願いしてる事なんだから。」
「そういうわけには…
それに、今さら一人増やすなんてできないよ。」
「その点は大丈夫。
私、二人部屋に一人で泊まる形だったから、増やす分には問題ないと思うよ。
それと、優斗クン
私がお金を出す事に対して抵抗あるのはよくわかるし、そうやって思ってくれてることはすごくありがたいんだけど、私としては甘えられるところは甘えて欲しいな。」
「香菜子…」
「私の方がめちゃくちゃ年上なんだし、多少なりともお金があるのは当たり前の事。
私も優斗クンの若さに甘えることもあると思うし、いや、もういっぱい甘えてるよね。
だから、優斗クンもワタシが出来ることは甘えて欲しいの。
いいかな?」
「香菜子…
ありがとう。」
優斗は頷き、香菜子の頬にキスをした。
「じゃあ、決まりだね。
さっそく手続きしてみるね。」
香菜子は胸を隠しながら起き上がると、携帯を取り出し操作を始めた。
「うん。
大丈夫みたい。」
香菜子はニコッと笑い、優斗の方を見つめた。
「おーっ…
ところでどこに行くの?」
「伊勢よ。」
「伊勢!?」
「そう、伊勢」
「また遠いところを選んだんだね。」
「伊勢神宮に行きたくてね。
オバサンの独り身の行き先なんてそんなものよ。」
香菜子は自虐的に言い、笑った。
「ねえねえ、優斗クン」
「ん?どうしたの」
「引越しっていつする?
このゴールデンウィークにしちゃう??」
「そうだなあ
単身者向けのやつを運送屋で頼もうと思ってんだけど、値段も高くなるし、平日に休み取ってやった方がいいかなって。」
「それもそうね。
さすが、優斗はしっかりしてるわ。
ところで、ゴールデンウィークって何か予定入ってる?」
「いや、何もないよ。
大学の時のツレとタイミングが合えば飲みに行こうかなって考えてたくらいで、あとは何も」
「よかった。
私ね、毎年一人で旅行に行ってるの。
最初はね、仲のいい友達三、四人で行ってたのよ。
でも、みんな結婚して家庭が出来て、途中からは一人で行くようになったんだよね。
今年も予約してたんだけど…
自分に恋人なんて出来るわけないって思ってたから。
優斗が予定の入っていない日は全部会いたいの。
だからキャンセルするよ。」
「香菜子の気持ちは嬉しいけど、ゴールデンウィークは来週だよ。
もうすぐじゃん。
今さらキャンセルできないっしょ?
行ってくればいいじゃん
こっちはいつでも会えるんだし。」
「ヤダよ。
お互い休みなのに離れ離れになるなんて、考えられないよ。」
「でも、もったいないよ」
「うーん…
あ、そうだ!
優斗クンも一緒に行かない?」
「えっ、行くって?
旅行に?」
「そうそう。
だったらキャンセルせずに済むし、一緒にいられるし、一石二鳥じゃない?」
「まあ、それは…
でも…」
「お金の事なら心配しないで。
私が出すし。
元々私のワガママでお願いしてる事なんだから。」
「そういうわけには…
それに、今さら一人増やすなんてできないよ。」
「その点は大丈夫。
私、二人部屋に一人で泊まる形だったから、増やす分には問題ないと思うよ。
それと、優斗クン
私がお金を出す事に対して抵抗あるのはよくわかるし、そうやって思ってくれてることはすごくありがたいんだけど、私としては甘えられるところは甘えて欲しいな。」
「香菜子…」
「私の方がめちゃくちゃ年上なんだし、多少なりともお金があるのは当たり前の事。
私も優斗クンの若さに甘えることもあると思うし、いや、もういっぱい甘えてるよね。
だから、優斗クンもワタシが出来ることは甘えて欲しいの。
いいかな?」
「香菜子…
ありがとう。」
優斗は頷き、香菜子の頬にキスをした。
「じゃあ、決まりだね。
さっそく手続きしてみるね。」
香菜子は胸を隠しながら起き上がると、携帯を取り出し操作を始めた。
「うん。
大丈夫みたい。」
香菜子はニコッと笑い、優斗の方を見つめた。
「おーっ…
ところでどこに行くの?」
「伊勢よ。」
「伊勢!?」
「そう、伊勢」
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香菜子は自虐的に言い、笑った。
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