新•ニューハーフ極道

フロイライン

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龍の血

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「おはようございます」

綺世は、いつものように職場である、ニューハーフのクラブに出勤してきた。


「おはよう、アヤちゃん

?」



「えっ、ママ

何ですか?

ワタシの化粧ヘンです?」


「ううん。

ごめん、気のせいだわ。

一瞬、あなたの顔が誰かに似てるって、そう思っただけなの。」


「えーっ、何か気になるっ

誰に似てるんだろ、ワタシ」


「そんな事より、アヤちゃんにも話しとかなきゃならない事があってね。」


「はい。

何ですか」



「ヤクザの話」



「ヤクザ?」



「もう二十年以上も前の話だから、アヤちゃんは当然知らない話なんだけど、この辺りでヤクザ同士の激しい抗争があってね。

ちょうどこの辺がその舞台となっていたのよ」


「えっ、そうなんですか…」


「ワタシも、まだそのときは二十代前半でね。

怖い思いを沢山したわ。」


「ホントに怖いですよね…」


「でね、何が言いたいかっていうと、その抗争をしてて、負けた方のヤクザがまたこの辺りで暴れ出すかもしれないって事なの。」


「えっ…」


「実はね、あなたには話してなかったけど、ここの前身は、bigっていうお店だったんだけど、その抗争に少しばかり関わっていてね。」


「えっ、えっ

話が見えません。

前もニューハーフのお店だったんですよね?

なんでヤクザの抗争に関係あるんですか?」


「もう一方の抗争の相手の垂水組の組長の奥さんていうのが、ここで働いてたの。

ワタシの先輩に当たる方も、過去に働いてて、抗争の巻き添えで旦那さんを亡くしたの。

そして、ワタシもね。」



「えっ?」


「ワタシも結婚を約束していた人がいたんだけど、その抗争で殺されてしまったの。」


「じゃあ、被害者じゃないですか。」



「まあ、そうなんだけど。

その後、その組長の奥さんと、先輩が相手の組に乗り込んでいって、実質的に壊滅に追い込んだのよ。
だから、殺された被害者ではあるけど、相手にとっては憎き敵。
加害者ってわけ。」


「ちょっと待って下さい。

ニューハーフ二人でヤクザの組に乗り込んでいったって?

そんなのあり得るんですか」


「もう一人いたわ。

協力してくれた人が…

たしか、松山亮輔さんていう人」



「えっ…」


店のママであるユウから、自分の父親の名前を聞かされた綺世は、一瞬にして固まってしまった。
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