泥々の川

フロイライン

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親友

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お互いにライバル視していた感のある久美子と友美子だが、互いの話を聞いて、共感と同情の両方の感情を持つに至った。

それ以後の二人は、周囲が驚くほどの仲良しになり、プライベートの時間も一緒に遊んだり食事をしたりする仲になったという。


しかし、世間では久美子対友美子の構図にしたい向きも見られ、誤解が解けることはなかった。

事務所やテレビ局も、いがみ合っていた方が面白いとの考えから、二人が出る番組ではわざとケンカさせるような内容の台本を手渡し、他の出演者も煽り役に徹した。

後年、久美子が雑誌のインタビューに答え、全てがヤラセだったと告白、ようやく世間も認知した。

友美子は、三年後に芸能界を突然辞めてしまい、その後は消息不明で、どこで何をしているのか誰も知らない。

当時の回顧話については、全て久美子の口から語られたものであり、友美子発信のものは何も存在しない。



久美子にとって、まさに激動であった70年代は幕を閉じ、いよいよ80年代に突入した。

久美子は二十一歳となり、一時の人気は無くなったが、まだレギュラーを多数抱えるニューハーフタレントの頂点を極める存在には変わりなく、友美子と共に芸能界を突っ走った。


久美子の周りの人たちも、それぞれが人生を前向きに生きており、変化が見られた。

久美子の父、誠は、久美子の援助した金を元手に、車を改造し、移動式ホットドッグ屋を開いた。

なぜ、ホットドッグ屋なのかはわからないが、誠はやたらと張り切っており、今日も大阪港や南港にある魚釣り公園に現れ、大して美味しくもないホットドッグを釣り人達に高く売りつけている。

母の恵理子とは、再会して以来交流を深め、久美子は、春には休みを利用して、姫路まで遊びに行き、恵理子の夫や妹、弟と親しくなった。

恭子に別れ話を持ち出した久美子だったが、一向に取り合わず、諦めず、現状維持を継続中。

恋人の樹陽介との関係は順調であったが、二人の仲がメニー喜多村にバレたのか、陽介は、最近になって干され始め、事務所内での地位を失った。
さらに、メニーの秘蔵っ子である頭中将(とうのちゅうじょう)がデビュー、メニーの寵愛をその一身に受け始めた。

京活は、一時は一世を風靡した京活ロマンポルノの制作を中止し、映画業界からの撤退を決めた。

京活プロの方は順調に利益を出し、久美子を含めて15名のタレントが所属するに至った。
所属タレントのうち、八名はお笑い芸人で、その年に始まった漫才ブームの影響を受けての事だった。

それでも、まだまだ自分が頑張らなければならないと、久美子は気合を入れ直した。
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