鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

恐れていたこと

「お嬢さんの体についてですが、最近になって体の他の部分にも変化が見られるようになってきました。」

高山は、依然として淡々とした口調で説明をした。


「それは、どういう事でしょうか。」


武裕がそう言うと、高山は頷き


「全くもって想定外の出来事でした。すぐに元に戻す薬を服用していただきましたが、男性化を止める事が出来ませんでした。」


そう言ってのけた


「そんな無責任な。」



「ですからお嬢さんの状態を確認するために来たのです。

会わせていただけますか。

まどかさんに。」



「ですから、部屋に鍵をかけて出てこないんですよ。
私や妻がいくら呼びかけても…」



「私と木本監督で説得してみますので。
案内をお願いします。」

高山はそう言うと、木本に目配せして立ち上がった。


まどかの両親も仕方なく立ち上がり、二階のまどかの部屋まで二人を案内した。





二階に上がってきた四人は、まどかの部屋の前に来ると、母の理世がドアをノックし

「まどか

高山さんと木本監督が来てらっしゃるわよ。

出てきて。」


部屋の中に聞こえるように大きな声で言ったが…


全く反応がなかった。


すると、高山が理世を下がらせ、部屋の前に立つと



「新田さん、高山です。

ようやくできましたよ！

新田さんを女性に戻す薬が！」


と、大木な声で呼びかけた。


しかし、何の反応もなく、高山と木本は顔を見合わせた。


そして、暫くの沈黙のあと、ドアが徐に開いた。