鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン

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光と影

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新田まどかはアイドルと見紛うほどの美少女であり、学校内はもとより、SNS上で無断でその姿をupする者が絶えず、全国的にもその名が知られている。
本人は地区大会を突破出来ないにも関わらず、バレーとは関係ないところで注目されるのは不本意で、とても恥ずかしいことだと思っていた。

対する紅陽学院の古川恵美梨は、その圧倒的な実力から、マスコミに超高校級選手として度々紹介され、まどか同様に全国的な知名度を誇っているが、その容姿は決して可愛いと言えず、人気という面ではまどかの後塵を拝している状況であった。

恵美梨自体、その事については中学時代からの扱いで、とうに慣れており、気にする素振りを見せたことはなかった。

しかし、恵美梨はバレーボールだけは絶対に負けない自信を持っており、厳しい練習にも音を上げずにここまでやってきた。

ストイックな努力家 古川恵美梨
天才肌の美少女 新田まどか  

この二人の関係性が、謎の薬のために微妙なズレが生じてくるとは、この時点では誰も知る由もなかった。





県内では紅陽に敵う相手は存在せず、唯一善戦するのが鐘ケ岡であった為、両校は定期的に練習試合を組んでいたのだが、まどかが例の薬を服用してからちょうど一ヶ月が経過したこの日、久々の試合が紅陽の体育館で行われる事になっていた。

紅陽へ向かうバスに乗り込む前、木本はまどかを呼び出し、次のように伝えた。


「決して全力で試合に臨まないこと。」


これは、手の内を見せたくないという木本の思惑があり、まどかにもそれはよく理解できた。

しかし、どの程度手を抜くのかがイマイチわからなかった。
常に全力プレイを信条としていたまどかだったから、尚更…

ならば、まどかを試合に出さないという手もあったが、選手層の薄い鐘ケ岡はまどか無しではチームが成り立たず、チャンピオンの紅陽に対し、そのような振る舞いは失礼な事になる。

まどかは第一セットから出場したが、紅陽は古川恵美梨をベンチスタートとした。
そのような布陣でも、これまで余裕で勝ってきたのが紅陽であり、その辺りはまさに王者の風格であった。
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