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歯車
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鐘ヶ岡女子バレーボール部のメンバーは、学校に戻ってきてから、監督の木本の周りを囲むように座り、三陽女子との試合についての反省会が行われていた。
「アンタ達、ホント真剣にやってる?
全然やる気を感じないんだよ、私は!」
木本は不機嫌な表情丸出しで、怒りを吐露した。
「今日の試合で機能してたの、新田だけじゃん。
これもいつもと同じ!
まあ、いいわ。
自分でもう一度、今日のプレイを思い出して、何が悪かったか、よく考えるように!」
木本は、そう吐き捨てるように言うと、体育館から去っていった。
後を引き継ぐように、まどかが立ち上がり、皆の真ん中に立った。
「今日は、私が空回りして、みんなの足を引っ張ったと思う。
本当に申し訳なく思ってる。
でも、ここで立ち止まる事は出来ないわ。
まだまだ厳しい戦いは続くんだから。
もう一度、それぞれが自分のやるべき事を見つけて、頑張ろう。」
まどかの言葉は木本と違って、少し穏やかで、愛があった。
「はいっ!」
メンバー全員が大きな声で返事し、コートに入り、練習を始めた。
まどかは、コート内に入らず、一人でストレッチを行いながら、部員達の動きを見つめていた。
「まどか…」
麻由香が近づいてきて、声をかけた。
「どうしたの?」
「ううん。
なんか、今日調子が悪そうだったから…
具合でも悪いのかと思って。」
「そんな事ないよ。
ちょっと今日は、自分でも噛み合ってないなって思ってたの。
どこも悪いところはないのよ、ホントに。」
「そう?
だったら、いいんだけど…」
少し前まで、まどか批判の急先鋒として、彼女を攻撃しまくっていた麻由香であったが、今は一番の理解者?として、猫撫で声で接していた。
「でも、自分でもオーバーワーク気味だったと思うし、今日は軽く調整するだけにしておくわ。」
まどかはそう言うと、ストレッチを再開した。
そして、暫くしてから一人、トイレに向かった。
部員全員にカミングアウトを済ませ、トイレも堂々と行けるようになっていたが、さすがに恥ずかしく、トイレには、必ず一人で行く事にしていた。
まどかは便器に腰掛け、ペニスを指で押さえ、排尿を行った。
女子と違い、排尿する際の音は鳴らないが、便器の水が溜まった部分に直接してしまうと音が聞こえるので、かなり慎重にする必要があった。
ホッとひと息ついて、個室から出ると、阿川陽菜が立っていた。
新田まどか、島本麻由香、阿川陽菜の三年生三人トリオは、鐘ヶ岡学園女子バレー部の中心メンバーであり、この三人が先頭に立って部全体を引っ張ってきたのだ。
「陽菜、どうしたの?」
目の前に立つ陽菜を見て、少し疑問に思ったまどかだったが…
陽菜は、周りに人がいないのを確認すると、まどかに近づき
「ちょっと話があるんだけど」
と、言った。
「アンタ達、ホント真剣にやってる?
全然やる気を感じないんだよ、私は!」
木本は不機嫌な表情丸出しで、怒りを吐露した。
「今日の試合で機能してたの、新田だけじゃん。
これもいつもと同じ!
まあ、いいわ。
自分でもう一度、今日のプレイを思い出して、何が悪かったか、よく考えるように!」
木本は、そう吐き捨てるように言うと、体育館から去っていった。
後を引き継ぐように、まどかが立ち上がり、皆の真ん中に立った。
「今日は、私が空回りして、みんなの足を引っ張ったと思う。
本当に申し訳なく思ってる。
でも、ここで立ち止まる事は出来ないわ。
まだまだ厳しい戦いは続くんだから。
もう一度、それぞれが自分のやるべき事を見つけて、頑張ろう。」
まどかの言葉は木本と違って、少し穏やかで、愛があった。
「はいっ!」
メンバー全員が大きな声で返事し、コートに入り、練習を始めた。
まどかは、コート内に入らず、一人でストレッチを行いながら、部員達の動きを見つめていた。
「まどか…」
麻由香が近づいてきて、声をかけた。
「どうしたの?」
「ううん。
なんか、今日調子が悪そうだったから…
具合でも悪いのかと思って。」
「そんな事ないよ。
ちょっと今日は、自分でも噛み合ってないなって思ってたの。
どこも悪いところはないのよ、ホントに。」
「そう?
だったら、いいんだけど…」
少し前まで、まどか批判の急先鋒として、彼女を攻撃しまくっていた麻由香であったが、今は一番の理解者?として、猫撫で声で接していた。
「でも、自分でもオーバーワーク気味だったと思うし、今日は軽く調整するだけにしておくわ。」
まどかはそう言うと、ストレッチを再開した。
そして、暫くしてから一人、トイレに向かった。
部員全員にカミングアウトを済ませ、トイレも堂々と行けるようになっていたが、さすがに恥ずかしく、トイレには、必ず一人で行く事にしていた。
まどかは便器に腰掛け、ペニスを指で押さえ、排尿を行った。
女子と違い、排尿する際の音は鳴らないが、便器の水が溜まった部分に直接してしまうと音が聞こえるので、かなり慎重にする必要があった。
ホッとひと息ついて、個室から出ると、阿川陽菜が立っていた。
新田まどか、島本麻由香、阿川陽菜の三年生三人トリオは、鐘ヶ岡学園女子バレー部の中心メンバーであり、この三人が先頭に立って部全体を引っ張ってきたのだ。
「陽菜、どうしたの?」
目の前に立つ陽菜を見て、少し疑問に思ったまどかだったが…
陽菜は、周りに人がいないのを確認すると、まどかに近づき
「ちょっと話があるんだけど」
と、言った。
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