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2話
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「何故ですか、国王」
夕刻、王宮にて、アルトは自身の父親と対峙する。
国王であり、アルトの父親であるロバートはため息一つ付き、再び口を開く。
「アルバートが廃嫡となった。故にお前にはジェラルドの補佐を担ってもらう」
「いえ、そうではなく!何故兄上が廃嫡に!?」
「あいつが王命に背いたからだ」
「え」
アルトは困惑の色を見せる。
兄、アルバートは権力に貪欲で、良くも悪くも父親に従順だった。
何せ国王である父親は身内であろうと容赦しない性格だからだ。
故に、そんな彼が容易く王命に背くとは思わなかったのだ。
「カーマン候爵令嬢を知っているだろ?」
「え、えぇ。幼い頃から良くしていただいてますし…」
「先日の夜会でな、やつは婚約破棄を一方的に突き付けよった」
「婚約破棄!?」
兄アルバートとカーマン候爵令嬢ドロテアは幼い頃に王命により婚約をした。
王命といえど一方的なものでは無く、カーマン家も了承した事だ。
故に、この婚約は1人でどうこう出来るものでは無い。
少なくても、婚約の了承をした両家へそれなりに話しはあるはずだ。
「しかも、カーマン令嬢に対してありもしない罪状を突きつけ、国外へ追放しようともした」
「何が兄上をそこまで動かしたのですか!?」
「お前はローゼン男爵令嬢を知っているか?」
「え、えぇ。同級生に1人ローゼン男爵令嬢が居ます」
「その姉だな。庶子ではあるが、そやつと結婚する、とのことだ。」
「えぇ…」
「故に、王命に背いた事で廃嫡。平民としてローゼン男爵令嬢…いや、元男爵令嬢だな。彼女と過ごす事を許した」
アルトは引き攣った表情をした。
兄が王命に背いたこともそうだが、他にも理由があった。
(冗談じゃない!もしこれでジェラルド兄上の補佐に就けば、魔法省への就職もパーじゃないか!!)
アルトには1つ夢があった。
それは幼少の頃より憧れたカナリア・スタインベックと同じ魔法省へ就職する事だ。
魔法省は国内でも2番目に権力を有する組織である。
アルトは第三王子であるが、就職自体は可能であった。
しかし、それは第一王子であるアルバートが居たから可能であった可能性だった。
このままではその夢すら無くなってしまう。
(そうだ!これならば…)
「国王。その申し出を受け入れたいのは山々なのですが、実は僕…いえ、私には好いた者がおりまして。その者も庶子なのです」
「なんと?それは一体?」
「クロイツ公爵の庶子です。近々婚姻する、その母親の子です」
そう言うとロバートは何か考え込む仕草をする。
(よし!このまま思いとどまってくれ!)
ここでアルトの想いを受け入れれば、第一王子を許すしかない。
しかし、身内に容赦ないが情の深い男が息子の想いを切り捨てる事も出来ない。
アルトの思惑は通ると思われた。
しかし、ある声がそれを遮ってしまう。
「あら、それってカナリアの娘?なら歓迎よ」
「え」
「おぉ!リリアナ!」
そこへ姿を現したのは一人の女性だった。
綺羅びやかなドレスに身を纏った美しい女性だ。
その女性こそ、現国王の妃であるリリアナ・エーデルス、アルトの母親であった。
「貴方もご存知でしょ?クロイツ公爵が自慢してましたもの」
「知ってはいる。しかし…」
「平民育ちなのを気にしてるの?それなら安心よ。何せカナリアの娘ですもの、努力家に違いないわ」
「それもそうだな…」
「は、母上はカナリア殿と面識が…?」
「えぇ、学友よ。あの頃から努力家でお転婆だったのを覚えてるわ」
(風向きが怪しくなった…)
アルトがそう思っていると、ロバートは急に立ち上がる。
「クロイツ家に至急釣書を送れ。アルトと直ちに婚約を交わす」
「ちょ!?」
「楽しくなってきたわね!カナリアの娘…妃教育も耐えれるかしら?」
「あの…」
アルトの声も虚しく、事は進んだ。
夕刻、王宮にて、アルトは自身の父親と対峙する。
国王であり、アルトの父親であるロバートはため息一つ付き、再び口を開く。
「アルバートが廃嫡となった。故にお前にはジェラルドの補佐を担ってもらう」
「いえ、そうではなく!何故兄上が廃嫡に!?」
「あいつが王命に背いたからだ」
「え」
アルトは困惑の色を見せる。
兄、アルバートは権力に貪欲で、良くも悪くも父親に従順だった。
何せ国王である父親は身内であろうと容赦しない性格だからだ。
故に、そんな彼が容易く王命に背くとは思わなかったのだ。
「カーマン候爵令嬢を知っているだろ?」
「え、えぇ。幼い頃から良くしていただいてますし…」
「先日の夜会でな、やつは婚約破棄を一方的に突き付けよった」
「婚約破棄!?」
兄アルバートとカーマン候爵令嬢ドロテアは幼い頃に王命により婚約をした。
王命といえど一方的なものでは無く、カーマン家も了承した事だ。
故に、この婚約は1人でどうこう出来るものでは無い。
少なくても、婚約の了承をした両家へそれなりに話しはあるはずだ。
「しかも、カーマン令嬢に対してありもしない罪状を突きつけ、国外へ追放しようともした」
「何が兄上をそこまで動かしたのですか!?」
「お前はローゼン男爵令嬢を知っているか?」
「え、えぇ。同級生に1人ローゼン男爵令嬢が居ます」
「その姉だな。庶子ではあるが、そやつと結婚する、とのことだ。」
「えぇ…」
「故に、王命に背いた事で廃嫡。平民としてローゼン男爵令嬢…いや、元男爵令嬢だな。彼女と過ごす事を許した」
アルトは引き攣った表情をした。
兄が王命に背いたこともそうだが、他にも理由があった。
(冗談じゃない!もしこれでジェラルド兄上の補佐に就けば、魔法省への就職もパーじゃないか!!)
アルトには1つ夢があった。
それは幼少の頃より憧れたカナリア・スタインベックと同じ魔法省へ就職する事だ。
魔法省は国内でも2番目に権力を有する組織である。
アルトは第三王子であるが、就職自体は可能であった。
しかし、それは第一王子であるアルバートが居たから可能であった可能性だった。
このままではその夢すら無くなってしまう。
(そうだ!これならば…)
「国王。その申し出を受け入れたいのは山々なのですが、実は僕…いえ、私には好いた者がおりまして。その者も庶子なのです」
「なんと?それは一体?」
「クロイツ公爵の庶子です。近々婚姻する、その母親の子です」
そう言うとロバートは何か考え込む仕草をする。
(よし!このまま思いとどまってくれ!)
ここでアルトの想いを受け入れれば、第一王子を許すしかない。
しかし、身内に容赦ないが情の深い男が息子の想いを切り捨てる事も出来ない。
アルトの思惑は通ると思われた。
しかし、ある声がそれを遮ってしまう。
「あら、それってカナリアの娘?なら歓迎よ」
「え」
「おぉ!リリアナ!」
そこへ姿を現したのは一人の女性だった。
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その女性こそ、現国王の妃であるリリアナ・エーデルス、アルトの母親であった。
「貴方もご存知でしょ?クロイツ公爵が自慢してましたもの」
「知ってはいる。しかし…」
「平民育ちなのを気にしてるの?それなら安心よ。何せカナリアの娘ですもの、努力家に違いないわ」
「それもそうだな…」
「は、母上はカナリア殿と面識が…?」
「えぇ、学友よ。あの頃から努力家でお転婆だったのを覚えてるわ」
(風向きが怪しくなった…)
アルトがそう思っていると、ロバートは急に立ち上がる。
「クロイツ家に至急釣書を送れ。アルトと直ちに婚約を交わす」
「ちょ!?」
「楽しくなってきたわね!カナリアの娘…妃教育も耐えれるかしら?」
「あの…」
アルトの声も虚しく、事は進んだ。
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