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1話
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「そもそもの話。アルトが大声で私のお母さんの事を叫ばなければ、私がカナリアの娘だって知られなかったんだよ?」
「それは…すまん」
「素直でよろしい」
サリナはパクっとパスタを食べる。
あれから数ヶ月経ったが、アルトとは良好な関係であった。
時にぶつかるが和解したり、時に競い合ったりする仲だ。
そんな2人を奇妙な視線を向ける者もいた。
それもそうだろう。
何せ方や王族、方や平民が友達になっているのだ。
奇妙に思わないほうが不思議だろうが、一応もう一度言うが血筋だけならサリナは貴族だ。
「アルト殿下」
「ん?」
「あれ、貴方は…」
2人の食事中に1人の男が現れる。
黒の長髪を一纏めにした、黄色い瞳の男だ。
サリナには見覚えがあった。
その男は数ヶ月前にアルトと決闘した時彼の側にいた者だ。
「えっと、名前は…」
「アルベルトと申します、レディ」
「レディ!?」
「アルベルト。突然どうした?今昼食中だぞ」
「はい。王宮より伝達がありまして…。今日の夕刻には王宮に戻っているように、と陛下から…」
「父上から?珍しいな」
「えぇ。何でもアルバート殿下の事で至急知らせたい事があるとの事」
「アルバート兄上が?何かしでかしたのか?」
「分かりません。では、私はこれで」
そう言うとアルベルトは去って行った。
「嵐みたい…。アルバート殿下って、第一王子の名前だったよね?どうしたの?」
「さぁな。また女関係でトラブルを起こしたんだろう」
「第一王子そんな人なのか…」
サリナは引き攣った笑みで答える。
「全く呆れてものも言えん。もうすぐ婚姻の儀だと言うのに女にかまけて…」
「婚姻?婚約者さんがいるの?」
「あぁ。候爵令嬢のドロテア・カーマン殿だ。幼い頃婚約された」
「へ~。婚約者がいるのに女遊びが激しい第一王子…。アルトは?婚約者居るの?」
そう告げるとアルトはあからさまに嫌そうな顔をする。
「居るわけ無いだろ。僕は第三王子だぞ?地位も継承権も低い」
「そうなんだ」
「やけにあっさりしてるな」
「いや、アルトの地位とか名誉とか継承権とかどうでもいいし。アルトはアルトでしょ?」
そう言うとアルトは目を点にし、すぐにハッとなり咳払いをする。
「お前らしい返答だな」
「そう?」
「そうだ。だが、そこは好ましいと思ってる」
「お、おぉ…」
急に褒められ、照れるサリナは一気にパスタを平らげる。
「アルト殿下~♡」
「げ」
「ん?」
そんな時、妙に甘ったるい声で近づく女が現れた。
見た所育ちが良さそうな、恐らく貴族の女がアルトに抱きつく。
「お会いしとうございました~♡」
「鬱陶しい…」
「えっと?どなた」
サリナは目を白黒させる。
すると女は急にサリナを睨みつける。
「ちょっと貴女!いくらアルト殿下のご厚意でお友達を名乗ってるからっていい気にならないでよね!」
「はぁ…」
「私はフェリシア・ローゼン。アルト殿下の未来の婚約者よ!」
「アルト婚約者いたの!?」
「断じて違う!こいつが勝手に誇張してるだけだ!」
そう言ってアルトはベリッとフェリシアを剥がし、食べ終えた食器を持ち立ち上がる。
「先に失礼する。貴様は来るなよ!ローゼン!!」
「あぁん!お待ちになって~!」
アルトが去るとそれを追うフェリシア。
そんな2人を見て、サリナはポカンっとしてしまっていた。
「嵐のように去って行っちゃった」
「それは…すまん」
「素直でよろしい」
サリナはパクっとパスタを食べる。
あれから数ヶ月経ったが、アルトとは良好な関係であった。
時にぶつかるが和解したり、時に競い合ったりする仲だ。
そんな2人を奇妙な視線を向ける者もいた。
それもそうだろう。
何せ方や王族、方や平民が友達になっているのだ。
奇妙に思わないほうが不思議だろうが、一応もう一度言うが血筋だけならサリナは貴族だ。
「アルト殿下」
「ん?」
「あれ、貴方は…」
2人の食事中に1人の男が現れる。
黒の長髪を一纏めにした、黄色い瞳の男だ。
サリナには見覚えがあった。
その男は数ヶ月前にアルトと決闘した時彼の側にいた者だ。
「えっと、名前は…」
「アルベルトと申します、レディ」
「レディ!?」
「アルベルト。突然どうした?今昼食中だぞ」
「はい。王宮より伝達がありまして…。今日の夕刻には王宮に戻っているように、と陛下から…」
「父上から?珍しいな」
「えぇ。何でもアルバート殿下の事で至急知らせたい事があるとの事」
「アルバート兄上が?何かしでかしたのか?」
「分かりません。では、私はこれで」
そう言うとアルベルトは去って行った。
「嵐みたい…。アルバート殿下って、第一王子の名前だったよね?どうしたの?」
「さぁな。また女関係でトラブルを起こしたんだろう」
「第一王子そんな人なのか…」
サリナは引き攣った笑みで答える。
「全く呆れてものも言えん。もうすぐ婚姻の儀だと言うのに女にかまけて…」
「婚姻?婚約者さんがいるの?」
「あぁ。候爵令嬢のドロテア・カーマン殿だ。幼い頃婚約された」
「へ~。婚約者がいるのに女遊びが激しい第一王子…。アルトは?婚約者居るの?」
そう告げるとアルトはあからさまに嫌そうな顔をする。
「居るわけ無いだろ。僕は第三王子だぞ?地位も継承権も低い」
「そうなんだ」
「やけにあっさりしてるな」
「いや、アルトの地位とか名誉とか継承権とかどうでもいいし。アルトはアルトでしょ?」
そう言うとアルトは目を点にし、すぐにハッとなり咳払いをする。
「お前らしい返答だな」
「そう?」
「そうだ。だが、そこは好ましいと思ってる」
「お、おぉ…」
急に褒められ、照れるサリナは一気にパスタを平らげる。
「アルト殿下~♡」
「げ」
「ん?」
そんな時、妙に甘ったるい声で近づく女が現れた。
見た所育ちが良さそうな、恐らく貴族の女がアルトに抱きつく。
「お会いしとうございました~♡」
「鬱陶しい…」
「えっと?どなた」
サリナは目を白黒させる。
すると女は急にサリナを睨みつける。
「ちょっと貴女!いくらアルト殿下のご厚意でお友達を名乗ってるからっていい気にならないでよね!」
「はぁ…」
「私はフェリシア・ローゼン。アルト殿下の未来の婚約者よ!」
「アルト婚約者いたの!?」
「断じて違う!こいつが勝手に誇張してるだけだ!」
そう言ってアルトはベリッとフェリシアを剥がし、食べ終えた食器を持ち立ち上がる。
「先に失礼する。貴様は来るなよ!ローゼン!!」
「あぁん!お待ちになって~!」
アルトが去るとそれを追うフェリシア。
そんな2人を見て、サリナはポカンっとしてしまっていた。
「嵐のように去って行っちゃった」
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